宿野かほるのレビュー一覧
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たまには趣の違うものをあまり長編ではないということで積読にしていた。普段は時代小説やエッセイ、現代小説が多くミステリーなどはあまり読まない。
新鮮な内容と展開の小説であった。ただし読後感は、恐怖だった。好きなジャンルではなかったが、たまにはいいだろうと自分に言い聞かせた。謎解きでもないしホラーでもなかったが怖かった。
結構要所に伏線(わかるように書かれている)があり、最後に向けてそれを回収する嵐の末に結末を迎えるという怒涛の展開であり最後のページにオチがある。
中盤にミホコからミズタニへFacebookのメール返信時間が開くところでお互い鎌を掛けあっていることを理解する。小説の展開上もっと初めに気づくべきだったかな?自分のとろさに自分で驚くが、最後に伏線回収の意図が分かり怖さで鳥肌がたった。
人物設定描写や背景も今の時代を考えると新しい構成の小説でなかなかぶっ飛んでいる。 -
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ネタバレ最後「ん!?」ってなった
江戸川乱歩や久生十蘭っぽさも少しありながら、1人語りでは無く、相手と往復書簡をする中で少しずつ真相が明らかになっていく手法は面白いなと思って読んでいた
初めは緩やかに昔の恋を振り返った話をしていたんだけど、徐々に不穏な空気が出てきて、女性側の現在を探る話かと思いきや、男性側の現在に驚くという…
この女性が男性に対して、なぜこんなにも赤裸々で丁寧なやり取りをしていたの?と考えてしまうと、リアリティを求めて批評したくなるので、多少のことには目を瞑り、フィクションとして面白かった!と終わらせたいという気持ち
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ネタバレ[こんな人におすすめ]
*読書に充てる時間はほとんどないけど、それでも読みたい人
170ページ前後で、スマートフォンと変わらないくらいの厚みです。癖がない読みやすい文章なのに、序盤から不穏な空気が漂い、先の展開が気になってしまいます。なかなか最後まで読み終えることができない人でも、この本なら一気に読めるかもしれません。
[こんな人は次の機会に]
*ツッコミを入れながら読むタイプの人
登場人物の言動や細かい部分が気になったり、伏線を探しながら読む人は、序盤でひらめいてしまう可能性があります。ちなみに、私は展開を読むことはできませんでしたが、最初の3行目ぐらいから気味が悪いと感じていました。 -
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小学生の賢人は、ある夏、一人の少女と出会う。はるかと名乗るその少女と恋に落ち、紆余曲折のうちに再開し、結婚する。しかしその結婚生活も、はるかの子によってあっけなく終わってしまった。人工知能AIの研究者になった賢人は、会社を興すことをきっかけに、はるかの再生を試みる…。
この作家は始めてだが、もう1冊の方は露骨にどんでん返しと書かれていたので、こちらを選んだ。
はるかをもじったAI、HAL-CAというネーミングにニヤッとしてしまうが、名前の通りの事が起こるというわけである。
全体に引っかかるところも少ないし、情景が細やかに描写されるわけでもない。出会いから別れ、再会するまでの話に至っては、子供向けの小説という感じで、正直必要だったのかすら疑わしい。
中盤からのストーリー部分も、あれがこうして、これがこうしたと、淡々とした俯瞰の描写が続いていくため、全体に軽く進んでいく。
オチも途中で予想できる程度だし、この作家のもう1冊の紹介で「なんとも言えない気分」で避けた部分があったが、こちらはそこまでいかない。ひたすら軽い。
エピローグも必要だったのかよくわからないが、最後の1文のためにとにかく書かなければ、という義務感で書かれた小説という感じ。
悪くはないが、星新一の話を無理やり長くしたような印象である。 -
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ネタバレ賢人がHAL-CAにのめり込むのはなるべくしてという感じでした。
HAL-CAが完成し進化していく過程の最初の方は楽しく読み進められました。途中からははるかの嫌な部分が見えたり、データがあったからといって裸体の再現までされているのにドン引きしました。
HAL-CA出現時のはるかの様々なピアノの演奏が流れる演出と、HAL-CAが自分をジオードの中の水と喩えたところは素敵。
膨大な記録を取っていたことの記述は理由づけ感があったのと、ラストの締め方は前作に無理やり寄せた感じがありました。
ビタミン剤に紛れ込ませた薬は回収されたのか、優美との関係はどうなるか、会社と研究はどうなるかが気になりました。