宿野かほるのレビュー一覧
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死んだ人間の記憶をAIに学習させて蘇らせるなんて、よせばいいのに…。賢人が作ったのは、かつて愛したはるかではない。出力の方法がはるかなだけであり、基盤は常に最適解を叩き出すAIなのだ。それを賢人が忘れて恋愛ごっこにのめり込んでいく様子が読んでいて虚しかった。
物語の最後で、賢人はAIが嘘をついたことに気付き、「奇跡に遭遇したのでは…」と感動に震えていたが、AIは嘘をつかない。アルゴリズムで最適解を出しただけ。はるかのやりとりはすべて賢人が望む最適解だとわかっているから、それに翻弄される賢人がだんだんと操り人形に見えてくる。こうすればこう反応するだろう、というはるか側の思惑が見えるのと、その -
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小学生の賢人は、ある夏、一人の少女と出会う。はるかと名乗るその少女と恋に落ち、紆余曲折のうちに再開し、結婚する。しかしその結婚生活も、はるかの子によってあっけなく終わってしまった。人工知能AIの研究者になった賢人は、会社を興すことをきっかけに、はるかの再生を試みる…。
この作家は始めてだが、もう1冊の方は露骨にどんでん返しと書かれていたので、こちらを選んだ。
はるかをもじったAI、HAL-CAというネーミングにニヤッとしてしまうが、名前の通りの事が起こるというわけである。
全体に引っかかるところも少ないし、情景が細やかに描写されるわけでもない。出会いから別れ、再会するまでの話に至っては、 -
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ネタバレ賢人がHAL-CAにのめり込むのはなるべくしてという感じでした。
HAL-CAが完成し進化していく過程の最初の方は楽しく読み進められました。途中からははるかの嫌な部分が見えたり、データがあったからといって裸体の再現までされているのにドン引きしました。
HAL-CA出現時のはるかの様々なピアノの演奏が流れる演出と、HAL-CAが自分をジオードの中の水と喩えたところは素敵。
膨大な記録を取っていたことの記述は理由づけ感があったのと、ラストの締め方は前作に無理やり寄せた感じがありました。
ビタミン剤に紛れ込ませた薬は回収されたのか、優美との関係はどうなるか、会社と研究はどうなるかが気になりました。