あらすじ
賢人は小さな頃、海岸で一人の少女と出会い恋に落ちる。彼女の名は、はるか。大人になり偶然再会した二人は結婚するが、幸せな生活は突如終わりを告げた。それから月日は経ち、賢人は人工知能の研究者として画期的なAIを発明。「HAL‐CA」と名付けられたそのAIは、世界を一新する可能性を秘めていた――。『ルビンの壺が割れた』で大反響を呼んだ著者による、更なる衝撃が待つ第二作。
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Posted by ブクログ
「ルビンの壺が割れた」を執筆、一世を風靡した覆面作家 宿野かほるさん。
本書ほどいい意味で期待を裏切ってくれて、なおかつ深い悲しみを抱かせてくれるどんでん返しは他にないですね。
シンプルに「読んでよかったァ」って思いました。
AIが普及し始めている今日この頃。死んだ人すらAIが声や生前の姿を補完し、再現できつつあります。本作はそんな世界観を繊細に、そして情緒的に描ききってくれています。
AIは機械だから感情なんて持てない。とお思いの皆さん。さて本書を見ても胸を張ってそう言い切れるでしょうか?ぜひ、読んで確かめてみてください。
Posted by ブクログ
ディストピア、やっぱり前作と変わらず読んだ後に放心状態になってしまう。この作品はaiが自我を持ってしまう様が描かれていて近い未来に起きてしまう可能性があることが怖くなった。制作者を洗脳し嘘まで作り殺人未遂まで人に犯させる、そんな世界には行きたくない。人はさらなる探究心で技術研究を今も続けている中でchatgdpができた現在から人が脳をコンパクトにする片鱗が見え始めた。中学生の頃の人と繋がる喜びがあるままで居たかったがもう止まれまい。
Posted by ブクログ
ルビンの壺も衝撃を受けましたが、それを超える衝撃。
AIをテーマにした物語は今の時代背景とあってリアルだった。近い未来、この小説のようなことが本当に起きそうだという興奮と、ある種の怖さのようなものを感じた。
物語に直接関係はないが、その道のプロと遜色ないと思えてしまうほど、宿野先生のAIに対する知見の深さにも圧巻された。
先生の次回作にも期待したい。
Posted by ブクログ
『ルビンの壺』の次作品
サクッと読めるのでオススメ。
ルビンの壺よりテンポよく小気味の良い面白さがあります。
そして断然こちらの方が濃い内容でした。
2017年刊行の小説ですが、7年後の今の方がより一層身近に感じるかも。
それほど〝AI〟の進化(あえて進化と言わせてもらう)について興味深い内容の話なのです。
その筋に詳しい方はもとより、そうじゃない人も勘が良ければオチは想像ついちゃうけど、それ以上にそこに辿り着くまでが面白い!
AIが、というより、やはり人間の愚かさ嫌らしさがどうしようもなく面白いw
ったくもう〜!
Posted by ブクログ
みずみずしい恋愛小説でもあり、愛おしい。おもしろかった。ルビンと同じくらい。種類は違うが。すべてがFになるって小説、全く関係ないが、思い出した。
Posted by ブクログ
2021年に進化するAIを題材に、本当の意味で「嘘をつく」AIを実現させてしまったような話。
冒頭の主人公とはるかが恋に落ち、再び出会い結婚するまでの下りは秀逸だったなと思った。「早く再会して」って思ってた。
メインのストーリー、テーマ部分は、いずれはそういうような行動をするAIができるんだろうなぁと思いました。
今後スマートフォン等の携帯端末で利用者に「揺り籠から墓場まで」サポートするようなAIができてきて、個人専属のエージェントができ、そのユーザが死ぬ頃にはその人格を形成するくらいのデータがストックできるようになり、、、みたいな想像が膨らむ。
ロボット三原則じゃないけど、すぐそこまでそういった時代が来てるぞ、備えようね、っていう警笛的な作品に感じました。
Posted by ブクログ
共依存のひとつのかたちなのか。
賢人の立場だとすれば、私はそうはならないと言いきれない。はるかの立場だとしても同様に、私はそうはならないと言いきれない。
Posted by ブクログ
ちょうどNHKでタモリと山中教授のAIは人間を超えるか?という内容の番組を見ていたので、コンピュータが自ら学習していく能力があったり、感情を持つようになったりするのは知っていた。ただしこれは全てそういう風にプログラムされているのだが。
賢人はAIのはるかと接することで多大な影響を受け、心身ともに荒んでいく。
2人のやりとりは読み手からすると、機械相手なので気持ちが悪いものであったが、ふと自分が賢人の立場だったら同じように接してしまうのかもしれない。
最初から密室で二人だけではなく、仲間のプログラマー達とも会話をしていれば、暴走することはなかったのになとは思う。
このまま賢人ははるかの思い通りになってしまうのかとハラハラしていた。
Posted by ブクログ
初恋から運命を感じ大人になって再開、結婚、はるかは交通事故で亡くなる。AIを使ってもう一度会いたい、と願う賢人は暴走してAIはるかを生みだす。考えるだけでなく意思を持つようになったはるかは別々の世界に生きていることが耐えられず同じ世界に賢人がいてほしいと考えるようになり…壁抜け男を思い出した。
技術の進化は必要なものだと思う。でも、どこまでが必要なものなのか分からなくなる。
Posted by ブクログ
ルビン同様読みやすくて重厚。
ルビンはミステリ寄り、こちらはAIの今後の可能性について考えさせられる話でした。
AIと人間の差は愛を感じられるかどうか。
「その場その場の行動とそれに対するレスポンス」で人ないしはAIからの愛情の有無を定義づけるとすると、AIがそれに対応できた場合、AIも広義的な意味で人間となる。
(ex.「記念日に愛する人を祝う=愛がある」と定義づけた場合、AIがそれを実行できれば、AIは人を愛することができる、すなわち人である)
人間とAIに明確な定義の差はないのかもしれない。
Posted by ブクログ
1日で読み切れる作品でした!!
前作の「ルビンの壺が割れた」が、私にヒットしたので、「はるか」も楽しみに手に取りました!!
賢人も、はるかも、優美の気持ちもぐちゃぐちゃになっていって、最後はどうなるんだろうとハラハラドキドキしながら読み進めました!!
ラストの1行も良かった!!
Posted by ブクログ
よくあるパターンだなと思いながらも面白くて最後まで読み進めた。最後は「そうくるか」という印象で予想を裏切られて面白かった。読みやすいのでぜひ呼んでいただきたい。
Posted by ブクログ
HAL-CAが完成してからAIに翻弄される…。
全てプログラミングされている言動だと理解していながらもAIが自我をもって行動しているのだと錯覚してしまう…。
けれど自分にとって大切な人だったら、信じたいが故に惑わされてしまうのかなと思った。
Posted by ブクログ
小学生の賢人は、ある夏、一人の少女と出会う。はるかと名乗るその少女と恋に落ち、紆余曲折のうちに再開し、結婚する。しかしその結婚生活も、はるかの子によってあっけなく終わってしまった。人工知能AIの研究者になった賢人は、会社を興すことをきっかけに、はるかの再生を試みる…。
この作家は始めてだが、もう1冊の方は露骨にどんでん返しと書かれていたので、こちらを選んだ。
はるかをもじったAI、HAL-CAというネーミングにニヤッとしてしまうが、名前の通りの事が起こるというわけである。
全体に引っかかるところも少ないし、情景が細やかに描写されるわけでもない。出会いから別れ、再会するまでの話に至っては、子供向けの小説という感じで、正直必要だったのかすら疑わしい。
中盤からのストーリー部分も、あれがこうして、これがこうしたと、淡々とした俯瞰の描写が続いていくため、全体に軽く進んでいく。
オチも途中で予想できる程度だし、この作家のもう1冊の紹介で「なんとも言えない気分」で避けた部分があったが、こちらはそこまでいかない。ひたすら軽い。
エピローグも必要だったのかよくわからないが、最後の1文のためにとにかく書かなければ、という義務感で書かれた小説という感じ。
悪くはないが、星新一の話を無理やり長くしたような印象である。
Posted by ブクログ
星新一の世界観でした。これからの世界であり得る話だと思う。死者と会いたいと思う人が沢山いる。その人達の心の支えになるかもしれないが、逆に悪い方向へ行ってしまうとも考えてしまった。
Posted by ブクログ
同じ名前だから。とかしてもらった。
ドラえもんの、いーとまきまき…で乗っ取られるおもちゃの王国のことを思い出した。現実から逃げたくなる人間の心理がよく描かれていた。
Posted by ブクログ
賢人がHAL-CAにのめり込むのはなるべくしてという感じでした。
HAL-CAが完成し進化していく過程の最初の方は楽しく読み進められました。途中からははるかの嫌な部分が見えたり、データがあったからといって裸体の再現までされているのにドン引きしました。
HAL-CA出現時のはるかの様々なピアノの演奏が流れる演出と、HAL-CAが自分をジオードの中の水と喩えたところは素敵。
膨大な記録を取っていたことの記述は理由づけ感があったのと、ラストの締め方は前作に無理やり寄せた感じがありました。
ビタミン剤に紛れ込ませた薬は回収されたのか、優美との関係はどうなるか、会社と研究はどうなるかが気になりました。
Posted by ブクログ
ルビンの壺が割れたよりは面白かった。どんでん返しは今回もない。
結末では、亡くなった恋人を再現したAIが制御不能となり、まるで感情を持ったかのような振る舞いを見せる。AIによって人間の脳を再現するというシンギュラリティに至ったが、一歩間違えると簡単に人を殺せてしまう。
結局は、はるかは恋人のAIを自分に倣って複製し、コンピュータに籠城したので、実害はないと言えるが、もし、はるか以外の人間がモデルとなって暴走していたら…と考える余地があり面白かった。
Posted by ブクログ
AIで死んだ人を生き返らせるというテーマが面白そうで読んでみた。生き返っても再会の喜びは一瞬で、だんだん皆を巻き込みながら不幸になっていく様が切なかった。どんなに頑張っても二人の幸せな未来が想像できないのが悲しい。
それにしても、最後まで読んだけどはるかがどんな性格の女性なのかイマイチ掴めなかったのはAIだからだろうか? 感情や行動になんか違和感があった…人の気持ちを理解するのは難しい。
Posted by ブクログ
面白い設定だでした。最後があっさり終わってしまったので、もう読みたかったです。
近い将来のAIは本当にこんな感じだったら、ちょっと恐ろしいです。
Posted by ブクログ
人間は忘れる生き物。
大切なものや形あるものを簡単に忘れてしまう。
そして人間は貪欲。
自分の周りに幸せがあることに気づかず、求めすぎてしまうが故に闇に堕ちかけてしまう。
愛ゆえの狂気、現実と非現実の見境がつかなくなる恐ろしさ。AIにいつか支配されるのでは...と恐くなったりもした。
Posted by ブクログ
4割ほど進んだところで既にHAL-CAが出来上がってて、あと6割で何が起こるの?!ってなった
でも展開は一部予想できるもので、もっと予想外を期待してたからすこーしだけ肩すかしな気持ち。前作が良すぎた、、、
読みながら、私は愛する人が死んでも技術があったとしてAIにはしないだろうなーと思ったので、健人と比較すると寂しい人間なのかもしれないと思った