丹野智文のレビュー一覧
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認知症の当事者や治療(?)、ケアや社会的なサポートにあたる人たちによる本。どこかで見たようなコンセプトだけど、特徴的なのは当事者である丹野さんが編著として、藤田さんが著者としてかかわっているところだろうか。特に、藤田さんは長らく人権活動にかかわっていたそうで、こんなことを言っている(p.39)。
私は元々、人権活動に取り組んでいました。その経験がいまの活動に大きく影響していると感じています。子どものころは、とにかく人の後について、目立たないようにおとなしくしている子だったので、自分でもよく変われたなと思います。
おそらく、結婚して子どもが生まれ、自分が子どもたちを守る立場になったことがき -
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湖永さんの「オレンジランプ」のレビューを読んだのがきっかけで手にしました。ありがとうございます。筆者の丹波智文さんは、「オレンジランプ」のモデル、39歳で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受けられれた方です。
著者の丹野智文さんは、車のセールスマンで仕事にやりがいを感じていました。同じ職場の女性と結婚し2人の女の子にも恵まれ充実した毎日を送っていました。ここ数年で記憶力が悪くなったと自覚し、検査を受け若年性アルツハイマー型認知症の診断をされたのが39歳…子どもたちは中学1年生と小学5年生…え??すごく大変なんじゃない!!と感じました…。丹野さんも、将来が不安と眠れず泣きながら過ごした夜 -
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ネタバレ認知症になった御本人の著書。
本人が発信する新しいタイプの本であり、たぶん多くの人にとって驚くことばかり。
現状を見て判断ではなく、認知症として最悪の場面を想定してアドバイスされる。迷子になるから外出させないのではなく、文明の利器ITを駆使する(例えばライン電話)、自分は認知症であり困っていると書いた名刺サイズのカードを持つ。覚えていなくてもアラームをかけ薬の服用忘れを防ぐ。時計の読み方がわからなくなるので、読み上げるアプリを使う。洋服の着方がわからなくなる(文面からよく理解できなかったが、どこの穴に頭を入れるか?ということか)ときのため自分用に印を付ける。スイカを何枚か持ち見つけられないパ -
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ネタバレ本作、筆者の丹野智文氏が若年性アルツハイマー型認知症の当事者として、300人超の仲間との対話から得たリアルな声を綴る一冊。
認知症になっても「何もわからなくなるわけではない」とし、周囲の"やさしさ"が当事者を追い詰める現実を指摘。偏見を脱し、工夫することでよりよく生きる道を示す、当事者の視点からの社会への提言を行うもの。
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認知症の方(本作中では「当事者」、以下当事者)の生の声を届ける本作、結構考えさせらえました。
人間は急には変わりません。変化は徐々に来るものです。ところが、認知症と判断されると、危ない・危険だ、心配だから、という掛け声ともに、自由も尊厳も一気 -
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Posted by ブクログ
前作からそんなに大きな内容の変化はないように感じました。それだけ、著者の丹野智文さん、認知症の進行を抑えられて日常生活も変わらずに送られているんだなって…そう思うと嬉しくなりますね。
著者の丹野智文さんは39歳で若年性アルツハイマー型認知症との診断を受けた方です。この作品では、前作のような丹野智文さん自身が今感じていることとして、同じように認知症の診断を受けられている“当事者”と、家族を含めた“支援者”に期待することなどをまとめた内容になっています。前作からのその後というよりは、前作が経過を含めた入門編、でこの作品は応用編のような印象です。私みたいに、“支援者”のつもりでいる方には、ちょ