【感想・ネタバレ】認知症の私から見える社会のレビュー

あらすじ

39歳でアルツハイマー型認知症と診断されて7年、全国を飛び回り、300人を超える認知症当事者と対話し続けている著者だから書けた当事者の「本音」。
認知症になっても「なにもわからなくなったり」「なにもできなくなったり」するわけではない。
周囲の「やさしさ」が当事者を追い詰め、やがてすべてをあきらめさせられていく。
症状をさらに悪化させる「ストレス」という最大のリスク。
いまだに専門家の間でも根強い「偏見」を脱し、診断されてもよりよく生きていくために必要なこととはなにか。
「なにができて」「なにができなくて」がわかれば、できないことを補うために「どう工夫すれば」いいかが考えられる。
認知症当事者700万人時代を迎え、すべての人のすぐ隣にある世界を知るためのガイド。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

認知症とはどのようなものかわからない、どう関われば良いかわからないと言う人に読んで欲しい。
この本を読んで認知症への向き合い方が変わった。1人の人としてどうやって接していくかが大切だなと感じさせられる。

0
2025年08月21日

Posted by ブクログ

家族中心の認知症支援のあり方に当事者が真正面から切り込んだ本。はい、家族としては耳の痛いことも多いです。でも痛快じゃないかな。

0
2024年09月23日

Posted by ブクログ

認知症の方が書かれた書籍だった。いろいろと見方が変われば意見もあると思うが、ぜひ多くの人に読んでほしいと思った。

0
2024年09月17日

Posted by ブクログ

当事者の思いがストレートに書かれている。
家族などまわりは良かれと思ってやっていることが、実は良くないかもしれない。
認知症になっても、自分らしくは、ありのまま、自然体に、受け入れていける社会になれば。
認知症だからを理由に変えることが少ない社会になればいいな

0
2024年01月21日

Posted by ブクログ

良書です。
読んで自身の行動を反省することも多々あり。
今後の行動に活かしたいと思いました。
診断を受けたらその日から監視や管理を受けるのは私も嫌です。
自身の周りの人と協力して「安心して認知症になれる社会」を作っていく一助になりたいと思います。

0
2023年05月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

認知症の人にかかわる機会って誰しもあるんじゃないかと思う。そんな時にこの本を知っていると対応違ってくるんじゃないだろうかと思います。著者も言っていますが、もちろん誰にでも当てはまるわけじゃない。無理だよって思う人も間違いなくいる。でも症状の程度によって対応は変わるし、変えていかなくちゃいけない。それは忘れちゃいけないことだと思います。

0
2022年04月29日

Posted by ブクログ

認知症に限らず、子ども、高齢者、障害者など自分と置かれている環境が異なる相手の気持ちになって考えるという当たり前の事の大切さを感じた。子どもによく「自分がやられて嫌なことは人にもしないんだよ」と諭すことがあると思うけど、そういう事かな。
「当事者が自分で決める」
「工夫してより良く生きる」
「当事者があきらめないで、前向きになるために、やりたい事を実現できるように応援する」
「自由があるから元気でいられる」
助けてあげるという上から目線では、どちらも辛いだけ。いつかは自分も同じ立場になり得るのだ。

0
2022年03月29日

Posted by ブクログ

とてもわかりやすく、思わず笑ってしまう場面もあり、癒される内容でした。認知症の方に限らず、生きづらさを抱えるすべての人にとってやさしいメッセージだと思いました。そして社会をつくる私たち一人ひとりに大切な宿題を提示してくれていると思います。

0
2022年02月06日

Posted by ブクログ

わたしも認知症に対して偏見もってたな。1人じゃ心配って思うけど、自分で決めて生きていくって大事だね


*認知症という病名だけでひとまとめにする人たちが多いような気がします。病名から人を見るのではなく目の前の人をきちんと見て欲しいと思います。

*工夫をするということは生きているってことだ

*心配はしているけど、信用しているよ

0
2021年11月25日

購入済み

気づきが貰える認知症の本

この本を見た瞬間、即買いしてしまった。というのも、身内に認知症を発症者がいるからだ。医学的、あるいは家族のケア的アプローチの本が多い中、この本では肝心カナメの当事者本人の思いや本音が綴られている。新型コロナ下、身内以外の当事者の生声を聞く機会は多くはない。そんな今だからこそ、この本には一層の価値がある。そして、身内に対してのひと言や行為が、当事者目線からはどうだったのか…「ハッ」とさせられることが詰まった貴重な一冊だ。

0
2021年10月18日

Posted by ブクログ

「心配はしているけど信用している」。この言葉に尽きますね。人を一人の人として認めることは、どんな時でも忘れてはいけない。

0
2021年10月08日

Posted by ブクログ

『認知症と診断されたその時から暮らしは、今までの生活とまるっきり変わってしまう。
だが、診断された次の日から急に物忘れが増えるわけではく、周りの人たちの意識が大きく変わってしまう』


認知症当事者の言葉として
・自分では変わりがないと思っているのに認知症だから危ないと言われることが増えた
・忘れたくて忘れているわけでもないし、悪気があって訊いているわけでもないのに、いつも嫌な顔をされるので訊くのが怖くなる
・何もできないという先入観を持たれている


・病名から人を見るのではなく目の前の人をきちんと見る
・足を骨折した人に「早く走れ」とは言わないのに、記憶がしづらい症状の人に「忘れないで」というのはなぜ?
・認知症により欠けてしまった機能をサポートし、家族と対等な関係になることで、はじめて家庭が円満になり、当事者も幸せと感じる
・どんな病気でも、いちばんに困っているのは当事者。しかし認知症は本人ではなく、周りの人たちが困っているといった話になりがち。当事者は家族も笑顔で過ごせるように願っている
・未来への希望は、身近な希望を周囲の人に伝え、一日一日をお互いに笑顔で楽しく過ごすことであり、認知症を受け入れ『認知症と共に生きる』こと


39歳で認知症と診断された著者が8年間に300名の当事者と出会い、話を聞いて書いたリアルな声

0
2021年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

認知症になった御本人の著書。
本人が発信する新しいタイプの本であり、たぶん多くの人にとって驚くことばかり。

現状を見て判断ではなく、認知症として最悪の場面を想定してアドバイスされる。迷子になるから外出させないのではなく、文明の利器ITを駆使する(例えばライン電話)、自分は認知症であり困っていると書いた名刺サイズのカードを持つ。覚えていなくてもアラームをかけ薬の服用忘れを防ぐ。時計の読み方がわからなくなるので、読み上げるアプリを使う。洋服の着方がわからなくなる(文面からよく理解できなかったが、どこの穴に頭を入れるか?ということか)ときのため自分用に印を付ける。スイカを何枚か持ち見つけられないパニックを防ぐ。などなど
なるほどと思うことも、でも同意できないことも書かれていたが、当事者にしかわからない生の声を知った。

身近な人が同じ病で退職し、何年も介護され、最後は…というのを知っているだけに、どちらの気持ちも大切にすることは本当に難しい。
ハード面、電球を人感センサー付に変える、ガスからIHなどの変更は家族みんながメリットを享受できるはず。
自分自身がITを受け入れ馴染んでおくことも大切だと思った。
どんな立場の人にも読んでほしい本。
関係ない、と思う人にも知っておいてほしい知識だと思った。

0
2023年08月20日

Posted by ブクログ

当事者の気持ちや考えを、わかりやすく伝えてくれていて、立ち止まって考える機会をくれる内容です。
工夫は、ITを使った方法がたくさんあって、それも参考になりました。世の中はかわっていってるから、助けになる方法も、どんどん変わりますね。

0
2022年11月20日

Posted by ブクログ

認知症の方が書いた本である。認知症というだけで周りの反応が変わってしまったことや自分抜きで話をされる事。失敗したくない気持ちが強くなる事。もっと目の前の気持ちに気づく必要があるなっと実感しました。

0
2021年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作、筆者の丹野智文氏が若年性アルツハイマー型認知症の当事者として、300人超の仲間との対話から得たリアルな声を綴る一冊。

認知症になっても「何もわからなくなるわけではない」とし、周囲の"やさしさ"が当事者を追い詰める現実を指摘。偏見を脱し、工夫することでよりよく生きる道を示す、当事者の視点からの社会への提言を行うもの。

・・・
認知症の方(本作中では「当事者」、以下当事者)の生の声を届ける本作、結構考えさせらえました。

人間は急には変わりません。変化は徐々に来るものです。ところが、認知症と判断されると、危ない・危険だ、心配だから、という掛け声ともに、自由も尊厳も一気に奪われる。

一人での外出は禁じられ、遊びに行くことも禁じられ、外部の人は「サポート」と称し、当事者本人ではなくその家族と話す。

認知症とは言え、別に全てが出来ないわけでもないし、全てを忘れたわけでもない。その中でやる気や工夫は概ね否定され、怒られ、叱られる。反論はしたいけど、家族や周囲も当事者の為にやっているし、当事者も家族らに迷惑をかけて申し訳ないと思っている。だからうまく言い返せない。

でも本当に悔しくて不安な思いをしているのは本人だって、分かっていますか? という話。

・・・
確かに、認知症というと、家族の平等性は失われてしまうのでしょう。

成人であれば、序列こそあれ、家族は概ね平等というか、まあ一個人として対等な関係が維持されると思います。しかし、認知症になるとお世話する側・される側という一方向性が固定的になり、認知症当事者の話は傾聴されない傾向にあるのではないでしょうか。

反省してしまいますね。
私の父親84歳も、認知症気味で、食欲が止まらず、一回の食事は1.5H以上で、延々と食べている印象。その父の前で、「ほら、お父さんの食欲は異常だから」とうっかり発言し、家内に肘打ちされました。

そう、それだって聞こえているのかもしれません。分かっているのかもしれません。高度経済成長期を支えた我慢強い元サラリーマンが気丈に聞き流しているだけなのかもしれません。

父が母のお世話で嫌がるのは、もうおなかいっぱいだというのにお皿に勝手に取り分ける。あるいは、ワイン(脱アルコールですが)が飲みたいのに「もうやめておこう」と止められること。で、きっと母にはには相手の気持ちとか状況とかを知ろうという気持ちは薄い可能性があります。あくまで母の判断しかない。

本人の気持ちは確認していない(怒るまではお世話する側の意見しか通らない)。

・・・
だからこそ丹野氏は、著書の中で当事者の話を聞こうと提唱しています。

私も感じましたが、おそらくこの傾聴の態度が多くの場合決定的に抜けているのだと思います。

人間、診断が下ったことで100が0になるわけではありません。徐々に90、80と下がっていくのかもしれません。そうした能力の逓減を、当事者との会話を通じて家族も社会も受け入れられたら、それは住みやすく皆が幸せな社会に一歩近づくのでしょう。

もちろん簡単ではなく、むしろムズカシイんでしょうが。

でも認知症当事者の生きづらさは、ノーマライゼーションが進む昨今では大規模かつ例外的な事例なのかもしれません。

労働だって、所謂LGBTQの人も過ごしやすかったり、オンラインでも働けたりと、多様化し開かれてきました。
私のデキの悪めの部下さんも、私の方がもう話したくなくなっちゃったんですが、じっくりお話をしないといけないのでしょうねえ、なんて卑近な話にも連結してきます…。

でもそうやって、多くの人を巻き込んで、会話して、確認して、それでやり方を変えて行かないと、みんなの幸せ度は上がらないのでしょうね。

・・・
ということで認知症当時の心の叫びともいえる一冊でした。

家族の「心配だ」というひとことで自由も尊厳も奪われるという話が随所に出てきます。子どもを見守る親、部下を指導する上司、そのほか様々な関係に類比的に応用できます。

つまり、構造的関係の力を利用して相手の話を聞いていないのでは?ということ。

もろもろ身につまされる読書体験でありました。反省。

0
2025年11月02日

Posted by ブクログ

 前作からそんなに大きな内容の変化はないように感じました。それだけ、著者の丹野智文さん、認知症の進行を抑えられて日常生活も変わらずに送られているんだなって…そう思うと嬉しくなりますね。

 著者の丹野智文さんは39歳で若年性アルツハイマー型認知症との診断を受けた方です。この作品では、前作のような丹野智文さん自身が今感じていることとして、同じように認知症の診断を受けられている“当事者”と、家族を含めた“支援者”に期待することなどをまとめた内容になっています。前作からのその後というよりは、前作が経過を含めた入門編、でこの作品は応用編のような印象です。私みたいに、“支援者”のつもりでいる方には、ちょっぴり読んでいてキツク感じることもあったです。

 “当事者”ができていることまでやってしまわないで…、そして“当事者”が工夫してもできずに手を貸してほしいところを手伝ってほしい…。“当事者”の思いを尊重して、治療や介護に対しては説明を“当事者”にもしてほしい…。あまり前にことなのに、改めて読んで思い知らされる感じでした。

 認知症治療薬については、その効果を疑問視しているようです。もう診断を受けられてからかなりの年数が経過していることもあるし、記憶力が戻るというのは怪我が治ることとは違い目に見えません。その効果があることを願いながらも、今の症状は認めて工夫しながら自己決定することで、自分にとって良い生活が送れればいいと考えているようです。

 「安心して認知症になれる社会」作っていきたいですね!

0
2023年11月10日

Posted by ブクログ

認知症を持っている本人からの情報発信は興味深かった。日常生活でIT機器を使って工夫しているという話は高齢者には適用できないことも多いんだろうなとも感じた

0
2023年10月29日

Posted by ブクログ

認知症=自分で何もできない危なっかしい人、と扱われることが多く、当事者の気持ちや尊厳が無視されがち。できないこともあるけれどひとりの人間として関わってほしい、ということが通底する著者の主張だろうか。
確かに認知症がどういうものか一般の理解が足りないのでそうなりがちなのはわかる気がする。また老いや病気と同じで、それを克服しよう、治そうという周囲の行動が結果的にQOLを下げてしまう。受容して、その上で本人らしく生きるにはどうサポートしたらいいか、という視線が必要なのだろう。

0
2022年11月12日

Posted by ブクログ

認知症の当事者が書いた本、というのは、あまり読んだことがない。
近しい人が認知症になった時どのように接するか、自分が認知症になった時どのように生きていくか、考えることができる。気づきが沢山あって目から鱗の本。

認知症の人にやさしい社会はみんなにやさしい社会。
目指していかなきゃね。

0
2021年12月27日

「学術・語学」ランキング