六車由実の作品一覧
「六車由実」の「老いと喪失 死と向き合う思想」「介護民俗学という希望―「すまいるほーむ」の物語―(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「六車由実」の「老いと喪失 死と向き合う思想」「介護民俗学という希望―「すまいるほーむ」の物語―(新潮文庫)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
「介護民俗学」を提唱する六車さんのことは何となくそういうものがあることくらいしか知らなかったので、実際のところどんなものだろうと一冊読んでみた。
この本ではデイサービス施設での利用者の高齢者たちとのエピソードが紹介されている。高齢者の話すことを聞き書きしているということだけど、聞き書き自体の効用というより聞き書きできるゆとりをつくることとか、高齢者の話をきちんと聴くスタンスで向き合うことが大事なのだと思った。
紹介されているエピソードがしみる。戦時中に娘時代を送った人々の話からは、けっして暗く悲惨なばかりの青春時代でなく、当時は当時なりに日々を楽しんでいたことがわかる。教科書とかでは伝わらない
Posted by ブクログ
民俗学の研究者だった女性が、介護施設で働きながら、「聞き書き」のスキルを生かしてみたところ、施設運営やサービスが劇的に変化していく。
民俗学X介護という組み合わせがビックリな組み合わせだが、介護する対象が歴史の詰まった高齢者なのだから、ある意味情報の宝庫と日々接しているようなものだ。
風船爆弾工場の話や、満洲での生活など、大変興味深い生活史。
ただの機能低下した老人の世話、ではなくて、「あなたに興味がある」と真摯な眼差しを向ける介護者によって、おじいちゃん、おばあちゃんが劇的に変わり始める。盆踊りの振り付け指導したり、お料理の腕を奮ったり。
思い出の味の再現クッキング、リアル人生すごろ
Posted by ブクログ
「介護の無意識」
イノカシラレイコさん(仮名、90代女性)は「華麗なる一族」だった。
2人の娘はアメリカへ留学し、一人は関東の某自治体の副知事を務め、もう一人は全国紙に記名記事を書くくらいの記者だ。
娘さんたちが面会に来てしばらくすると、レイコさんは決まって力なく「もう帰って」と云っていたものだった。
多分しんどかったのだろうなと思う。レイコさんは心臓が良くない。平常時の脈拍は40回/分程度で、少しの運動でも喘鳴が起こる。それでも娘さんたちは機能訓練をオプションで依頼し、立ち会っては実の母に対し「ほらレイちゃん頑張って!」と励ましていた。それが終わると自分たちが用意した脳トレプリントが待って
Posted by ブクログ
認知症の当事者や治療(?)、ケアや社会的なサポートにあたる人たちによる本。どこかで見たようなコンセプトだけど、特徴的なのは当事者である丹野さんが編著として、藤田さんが著者としてかかわっているところだろうか。特に、藤田さんは長らく人権活動にかかわっていたそうで、こんなことを言っている(p.39)。
私は元々、人権活動に取り組んでいました。その経験がいまの活動に大きく影響していると感じています。子どものころは、とにかく人の後について、目立たないようにおとなしくしている子だったので、自分でもよく変われたなと思います。
おそらく、結婚して子どもが生まれ、自分が子どもたちを守る立場になったことがき