ナシーム・ニコラス・タレブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ反脆弱性=失うものよりも得るもののほうが多い=ダウンサイドよりもアップサイドのほうが多い=(よい意味での)非対称性=変動性を好む。289p
オプション=非対称性+理性 300p
【7プラスマイナス2回、失敗する】p389
鉄則をまとめる
①オプション性を探すこと。もっといえば、オプション性に従って物事をランクづけすること。
②できればペイオフに上限があるものではなく、ないものを探すこと。
③ビジネス・プランではなく人間に投資すること。つまり、キャリアを通じて6〜7回(またはそれ以上)方向転換できる人を探すこと(ベンチャー・キャピタリストのマーク・アンドリーセンの手法のひとつ)。人間に投資すれば、ビジネス・プランのような後付けのつじつま合わせにだまされずにすむ。それに、そのほうが単純に頑健だ。
④バーベル戦略を取ること(その意味は各自のビジネスによる)。 -
Posted by ブクログ
タレブ氏は奇しくも金融危機直前に『ブラック・スワン』を著しその発生を予見(そして大儲け)したわけであるが、本書『反脆弱性』は黒鳥どもの扱い方を記した本である。テーマは「反脆さ(anti-fragile)」である。例えば氷は物質的安定さを持つ一方固体としての脆さがあり気体は流動性ゆえ反脆さがある。少量の毒やストレスはむしろ体に良い、などは現実的感覚に近いだろう。タレブ氏の語る「反脆さ」は至るところに見られる。生物、経済、政治、国家などなど。変化や死を前提にしたシステムの強さ(≒反脆さ)はなかなかの哲学的な事を語っており、シリコンバレーのエコシステム然り、量子論や遺伝子工学にも共通する概念である。
タレブ氏のシニカルなジョークが冴え渡っているものの時々度を越して差別的発言になっているのはいただけないが、抽象的で難解な概念を独自の視点と忌憚なき批評で極めて具体的事象まで昇華して書かれており非常に興味深い本だ。タレブ氏自身、レバノン出身の傍流の人であるからこその反脆さがあるのかもしれない。とりあえず上巻でわかったことは氏がグリーンスパン嫌いであるということであろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ風はろうそくの火を消すが、炎を燃え上がらせる。風は避けるのではなく利用する。
耐久性や頑健性ではなく、反脆いものは、耐えるだけでなく利用する。
リスクを計算するのではなく、利用する方法を学ぶ。
危機を生み出しているのは身銭を切らない人たち。
ブラックスワンは後で考えると、予測が可能だったかのように見える。まれなことは発生頻度は計算できない。
「ソビエト=ハーバード流の錯覚」=科学的知識の適合範囲を非科学的に過大評価する現象。
ホルミシス=少量の毒が効用を持つ=低容量の放射線が役に立つ場合がある。ホメオパシーとは違うもの。
過剰補償のメカニズム=くたくたになったら休むよりも別の運動をした方がいい。急ぎの仕事は忙しい人に頼む。声を抑えたほうが、聴こうとして集中させる。
タクシー運転手、売春婦、配管工、大工、歯科医、仕立屋などの職人は、収入は不安定だがゼロにはならない=高給取りの勤め人より反脆弱性は高い。
人生は少しランダムなほうが安定する。
予測する人は破綻する。予測屋が外れることに賭ける。
他人の評価は残酷で不平等=同じ土俵に上がらないことが一番いい。どう評価されようと構わない立場。
成功は非対称性を生み出す=失うモノがはるかに多くなるため臆病になる。セネカは頭の中で財産を帳消しにした。失う痛みを感じなくするよう感情をコントロールした。=反脆弱性とは、良い意味での非対称性の状態。
バーベル型の解決=中間はさほど儲からない。多くを安全資産にし、10%程度を失うつもりでハイリスクに賭ける。両極端の用を即見合わせる。
生物界のバーベル戦略=鳥は安定した相手とつがいになり、浮気によって優秀な子を得る。
重大な危機に注目して小さな失敗には目をつぶる。
黄金の中庸を避ける。バーベル戦略で人生が豊かになる。
人間は因果関係の錯覚に陥りやすい。歴史を記すのは時間を持て余した学者という敗者。 -
Posted by ブクログ
反脆いという概念って何だろ?と手にとってみた。冒頭、「衝撃を利益に変えるものがある。変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。そして、冒険、リスク、不確実性を愛する。」って、ドラゴンボールの孫悟空みたいなものかと。
「第1部の反脆さとは」、「第2部 現代性と、反脆さの否定」、「第3部 予測無用の世界観」と、例えば進化、例えば歴史、例えば医療と、他にも様々なエピソードを用いて、反脆い状況の説明と素晴らしさが書かれている。本の半分くらいまでは、これは、良い本なんじゃないか?という期待のもと読み進めたが、後半から、自説に対する批判的な人への攻撃的な物言い(たぶん、デブのトニーは筆者の事なんだろう)が鼻に付く。そして、どんどん、株の取引をやった人なら知っているであろうオプション取引のロングポジションが筆者の思考のベースにあって、前半のエピソードは、それを展開した物なんだなと思ってしまい、反脆いの概念が筆者が言うように分からなくなってしまった… 情報の非対称性の連呼とか、トレーダー目線丸出しに思えるのだ。
この本やエピソードのそれぞれは成る程と思ったのは、これまでの既成事実を疑ってみる視点。ただ、反脆いというのかそれは?と。
概念理解なんてどうでも良くて、うまいことやれや!って言うのが、デブのトニーのスタイルなんだし、まあ、読んだ人が、良いとこどり出来れば筆者の主張の通りなんだろう。
筆者は、ナシーム・ニコラス・タレブ氏で、肩書きは、哲学者と名乗っている模様。もとはトレーダー。
文書から滲み出る自己中心的な性格から、編集者のアドバイスも聞かなかったんだろうし、翻訳者も大変だったんだろうと推察されます。
善か悪か、右か左か、白か黒かみたいな概念がベースになっていると、一旦悪い方に倒れたんだけど、結果、良い方向になった的な、ダイナミックな概念として”反脆い”という言葉で定義してエピソード満載にしたところがこの本の価値?
この「反脆い」、日本語だと、「雨降って地固まる」、「転ばぬ先の杖」、「七転び八起き」などいくつもの表現があるように思える。
下巻に入り始めたが、同じ事を他の章で書いてるから読まなくて良いと筆者が言う第5部は、エピソードを読んでみると、それって運動量の考え方だと自明すぎない?と思ったり、なんか違和感あったけど、ページ数も上巻より少ないので、一応最後まで読んでみるつもり。