ナシーム・ニコラス・タレブのレビュー一覧

  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    タレブ氏は奇しくも金融危機直前に『ブラック・スワン』を著しその発生を予見(そして大儲け)したわけであるが、本書『反脆弱性』は黒鳥どもの扱い方を記した本である。テーマは「反脆さ(anti-fragile)」である。例えば氷は物質的安定さを持つ一方固体としての脆さがあり気体は流動性ゆえ反脆さがある。少量の毒やストレスはむしろ体に良い、などは現実的感覚に近いだろう。タレブ氏の語る「反脆さ」は至るところに見られる。生物、経済、政治、国家などなど。変化や死を前提にしたシステムの強さ(≒反脆さ)はなかなかの哲学的な事を語っており、シリコンバレーのエコシステム然り、量子論や遺伝子工学にも共通する概念である。

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    2017年08月28日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    ネタバレ

    風はろうそくの火を消すが、炎を燃え上がらせる。風は避けるのではなく利用する。
    耐久性や頑健性ではなく、反脆いものは、耐えるだけでなく利用する。
    リスクを計算するのではなく、利用する方法を学ぶ。
    危機を生み出しているのは身銭を切らない人たち。
    ブラックスワンは後で考えると、予測が可能だったかのように見える。まれなことは発生頻度は計算できない。
    「ソビエト=ハーバード流の錯覚」=科学的知識の適合範囲を非科学的に過大評価する現象。

    ホルミシス=少量の毒が効用を持つ=低容量の放射線が役に立つ場合がある。ホメオパシーとは違うもの。

    過剰補償のメカニズム=くたくたになったら休むよりも別の運動をした方が

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    2024年05月13日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    お喋りな友人はいるだろうか。纏まらない会話を文字数制限無視して喋り倒し、聞いてもいないのに説明口調で話し続ける。勝手に脱線する。ボールキープし続けて、パスも出さないしキャッチボールもしない。自分の足下にボールを落とし、自ら拾って話し続けるのだ。知識もひけらかしたいのだろう、連鎖反応で注釈まで添えてくる。そんな人と会話すると、相槌さえも自殺行為になるから、ただただその場を切り上げる作戦に集中する。文字通り、我々は、そうした存在に時間と寿命を奪われている。

    本著は、そうした存在を本に閉じ込めたような仕立てだ。読書に体力がいる。その疲労感により、重みのある読書だという錯覚を味わう事も可能だが、多く

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    2023年12月16日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    言いたい事は、分かる気もするが。

    一つ抽象概念を打ち立て、これも当てはまる、こんな良い事がある、という創作本であり、こじ付けにも見えるので取り留めがない。「反脆弱性」という概念だが、ホルミシス反応とか、具体例でいうと、恐らくワクチン反応みたいな事だろうし、失敗は成功のもと、とか。他にも、心的外傷後成長、雑音が集中力を高めると言うような過剰補償、一定限度までであればストレスがプラスに働く効果とか。骨は一時的なストレスがかかると密度が高くなる。

    そういう作用はあるだろうが、それらを抽象化させて反脆さ、と言われても。当てはまらない例も無数にあるが、それを無視してはあまり論理的な話ではないし、何だ

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    2023年12月15日
  • 反脆弱性[下]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「なんでも強くしすぎると想定より強い外力に対しては無力。ある程度の弾力が必要だ。」とのメッセージ。
    色々なエピソードを交えながら書かれているが長すぎると思う。

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    2022年08月27日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    「なんでも強くしすぎると想定より強い外力に対しては無力。ある程度の弾力が必要だ。」とのメッセージ。
    色々なエピソードを交えながら書かれているが長すぎると思う。

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    2022年08月27日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    正直全部を理解できた自信がないのでもう一度腰を据えて読み直したい。所々極端な考え方と感じる場面もあったが、「反脆い」という考え方は自分の中になかったのでためになった。

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    2019年05月24日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    けんすうさんが紹介してたんだっけな。

    反脆弱性が指す意味については理解できたが、事例が無駄に多い?のか冗長でとばしとばしに。

    筋トレで言う所の筋肥大が、自然界や組織にも当てはまるってのはなんか分かるかも。ストレスを肯定的に捉えていたのが面白かった。(もちろん、コントロールが必要な訳でその見極めがポイントなんだろうなとも思ったけど)

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    2019年05月23日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    ある程度のランダムさを受容しないといけない、リスク・リターンの計算でなんでもコントロールできる思い上がりはやめておけ、という話。しかし、読みづらかった。

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    2018年11月08日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    反脆いという概念って何だろ?と手にとってみた。冒頭、「衝撃を利益に変えるものがある。変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・繁栄する。そして、冒険、リスク、不確実性を愛する。」って、ドラゴンボールの孫悟空みたいなものかと。

    「第1部の反脆さとは」、「第2部 現代性と、反脆さの否定」、「第3部 予測無用の世界観」と、例えば進化、例えば歴史、例えば医療と、他にも様々なエピソードを用いて、反脆い状況の説明と素晴らしさが書かれている。本の半分くらいまでは、これは、良い本なんじゃないか?という期待のもと読み進めたが、後半から、自説に対する批判的な人への攻撃的な物言い(たぶん、デブのトニ

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    2018年09月11日
  • 反脆弱性[上]―――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

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    やはり複雑系や一神教の人たちは結局のところ、確実性を最も求めているからこそ「不確実性」と自分に呪文のように唱えなきゃいけないような人たちな気がして、本当の意味で不確実性を受け入れられている人たちではないきがするのよね。

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    2017年12月08日