ナシーム・ニコラス・タレブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
⚫︎感想
タレブは、この著書自体で「反脆弱性」を体現している。意図してやっている。
この本は生きる勇気を与えてくれる。
頭の中に、常に反脆弱性を飼えば、
どんなときでも期待を持って生きられる。
脆弱の反対は頑強ではなく、「反脆弱」。
頑強(打たれ強い)とは全く異なる。
ランダム性や不確実性の打撃で
以前よりも強くなるのだ。
これは自然界にも、どこにでもみられる現象である、とタレブは語る。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
世界騒然の大ベストセラー!
『ブラック・スワン』のタレブ最高傑作!!
経済、金融から、人生、そして愛まで――。
この不確実な世界で私たちがいかに生きるべきか、
すべてに使える思考のものさし
「脆弱/頑健/反脆弱」をもとに解き明かす。
◆「万に一つ」が、明日来るーー。
世界最高の「知の巨人」が放つ最強の啓蒙書、ついに上陸
リーマン・ショック、アラブの春、
地震と津波、そして原発事故……。
昨日までは「ありえない」「絶対ない」と言われた事象が
今日、現実のものとなる不確実な世界。
ではどうすれば、ビジネスから、政治、医療、生活全般まで、
ランダムで、予測不能で、不透明で、物事を完璧に理解できない状況でも、
不確実性を味方につけ、したたかに生き延びていくことができるのだろう。
サブプライムローンに端を発する金融危機を喝破し、
ベストセラー『ブラック・スワン』で全世界に衝撃を与えてから10年。
世界最高の哲人タレブがついに見つけた「答え」、
それこそが、「反脆弱性(はんぜいじゃくせい)」だ。
「三つ組(トライアド)」で構成されるこの新しい「知」の本質を理解したとき、
あなたは不確実な環境にあっても、予測に頼らずに意思決定することができるだろう。 -
Posted by ブクログ
現代社会は要素が多いため予測不可能になり、程度はあれ崩壊は避けられない
その状況下で、各分岐に対して破滅しない選択肢をとることでいずれリターン勝ちする、みたいな本
確率分布とリターンの分布次第やろと思ったし、
システム崩壊側にかけた時に実際にとれるリターンはいうほど無限大でもないやろと思ったりしたが
システムの崩壊は避けられないとしたときのリスクの取り方は考えさせられた
(リスク選好しつつ退場しないよう最低の保証を合わせる、という自分がふわっと好きな戦略はバーベル戦略という名前らしい)
著者は金融トレーダーらしいしもっと金融での具体例あれば信頼性増したような
医療や社会崩壊をネガに捉えてなかったりと、人間の完全な管理を是としない感じはかなり親近感と好感がもてた
自分が少数派の考え方である認識なので、
「自分の考えを行動に移さないやつはアホ」を実行できればと思う
主旨とは関係ないが、
労働意義が自分の中で消化できてないのは、エージェンシー問題が基準として重く正しく見えちゃってて、
自分が労働の受け手側になった時に、自然近辺のタスク以外を感謝してないからかもしれない
などと思ったり -
Posted by ブクログ
非常に面白い。
反脆弱性、反脆さは耐久力や頑健さを超越する。衝撃を糧にする。
土地の反脆弱性について。著者の故郷であるベイルートは8回破壊され、8回再建したらしい。今回の爆発で、9回目ということか。
人間の反脆弱性について。心的外傷後成長。心的外傷後ストレス障害とは逆で、過去の出来事で心に傷を負った人々が、それまでの自分より強くなるという現象。
逆に、脆さについて。暇な人は時間を無駄にしてしまう、忙しい人はどんどん仕事をこなす。怠惰が人をダメにする。
システムが反脆ければ、事故やトラブルによってシステムは強くなる。飛行機事故によって、飛行機業界全体は同じ事故のリスクを減らすことができる。経済は巨大な一つのシステムになっているので、連鎖倒産などが起こる。つまり経済のシステムは反脆くない。
物事を決めるときに、いくつも理由があるときは、それをしないほうがいい。理由をいくつも挙げて自分を説得しようとしているからだ。これは人生において使えると感じた。
この本を読んで、多くの人が思うことを自分も思った。
これからは反脆く生きよう、と。
人はいくらでも強くなれる。その意思があれば。 -
Posted by ブクログ
タイトルの反脆弱性というのは、脆弱性の英語「fragility(もろさ)」の対義語がないことから、著者が作り出した造語“Antifragility”の日本語訳。
あらゆる物事は、脆弱、頑健、反脆弱の3つに分けることができ、この本で最も大切とされているのは、この反脆弱性です。
反脆弱性と言われ、ぱっと頭に浮かんだのは、心理学の「レジリエンス」でした。
また、先日読んだ「ネガティブケイパビリティ」も、「不確実性に耐え抜く力」と捉えれば、こちらに当てはまると思っていましたが、この本ではそれらは「頑健さ」というカテゴリーになります。
反脆弱性とは、簡単に言えば、「不確実性を糧にして成長すること」です。
これだけで考えれば、なんだレジリエンスと一緒ではないかと思うかもしれませんが、
反脆弱性は、「能動的に小さな失敗をすることで、成長していくこと」を言います。
人は快適性・利便性・効率性を求めて、リスクやストレスを避けている、と著者は説きます。
また、こうしてリスクを避け続けると、ブラックスワン(システムが一気に崩壊すること)にでくわし、大きな損失を生み出します。
(この箇所を読んで、この本がコロナウイルス関連本の中にあったことの意味がなんとなくわかりました。)
全体を通して読んでいて、この本が素晴らしいと思った点は、筆者が自分の主張と行動を合わせていることでした。
一見、普通なことのようにも思えますが、言っていることとやっていることが矛盾している人はかなり多くいます。
リスクを負うべきだと言いながら、自分だけオプションをもらいながら安全圏にいる人など、数えればきりがありませんが、著者が本の中でバッサバッサと力強い言葉で切り付けていく様は、痛快で、英語がもう少しできたら原本で読みたい、と思うほどでした。
文章に力がこもっていて、日本語訳にもそのエッセンスが見事に詰め込まれていて、文章の奥ゆかしさを改めて実感させられました。
大切なのは、著者の考えを知り、自分ならどうするべきかを導き出すことだと思います。
知識を得るだけでは、脆いと思います。行動に移し、身銭を切り、失敗を繰り返すことで経験は磨かれ、自分だけの経験則(ヒューリスティック)は作られていくのだと思います。
「反脆さ」という考えを知ることにとどめることなく、自らも「反脆弱性」を身につけていきたいですね。 -
Posted by ブクログ
コロナ危機を受けて再読した。本当に素晴らしい本だと思う。ブラックスワンの頃から読んでいないと分からない部分も多いと思うが、この本に書いてあることは類を見ないクォリティと革新性だ。タレブはかなり昔から物事のオプション性の危険性と対処の仕方を様々な形で話している。冗長である事や細かな間違いを全体に反映する事ができる事が非常に重要であること、合理的な手法や様々な仮定の上に成り立つエセ科学的な理論の危険性を繰り返し指摘し、脆弱ではない事とはどのような事かを説明する。その内容は圧倒的だと思う。パンデミック後の社会を考える上で非常に重要だと思う変わらないだろうと思いつつ、この本の偉大さに感じ入る。
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Posted by ブクログ
「貧子は困苦に当って、己れを鍛練し
富子は安逸に流れ、己れを柔弱にする」
ここには、本書のテーマの「反脆さ」という概念が
表現されてるように思いますね。
◇久しぶりに、自身の考え方に影響を与えてくれる
本に出会えました。
著者の前2作から、本書も、その延長だろうと
たかをくくってましたが、全く違いました。
前2作(『まぐれ』『ブラック・スワン』)は
本書の一パーツにしか過ぎませんでした。
◇本書は「反脆さ」という概念についての本です。
もろいの反対なのですが、その概念を表す語句が存在しません。
(「もろくない」や「頑健」ではない)
「雨降って、地固まる」
の諺は、この概念を表しているかもしれませんね。
もっと言うなら、雨が降らないと、地面は固まらない、
といったところでしょうか。
◇ダニエル・カーネマンの言うように
世界観を変えてくれる本のように思います -
Posted by ブクログ
「まぐれ」「ブラックスワン」のタレブの本。
この人の本は久し振りに読んだけど相変わらずのキレキレ。文句なしにおもしろい。
反脆弱性の概念は一見分かりにくいのだが、
ながーい上下巻を通してイヤと言うほどエッセンスを語られるのでおぼろげながらも言いたいことは掴めてくる。
今まで教えられてきたリスクの観念とか、
投資の観念からは際立って異なるかんがえかたなので、
タレブの言っていることは頭では理解できるものの、
どこまで実践できるかというとなかなか難しい。
でも、今後本を読む際に、批判的な見方やタレブ的な見方をする事もすごく大事という観点をもてたのは良かったと思う。
ブラックスワンよりだいぶ難しい気がするので、
タレブファンにはオススメ。いきなりこれから読むと面食らうかな。 -
Posted by ブクログ
「まぐれ」「ブラックスワン」のタレブの本。
この人の本は久し振りに読んだけど相変わらずのキレキレ。文句なしにおもしろい。
反脆弱性の概念は一見分かりにくいのだが、
ながーい上下巻を通してイヤと言うほどエッセンスを語られるのでおぼろげながらも言いたいことは掴めてくる。
今まで教えられてきたリスクの観念とか、
投資の観念からは際立って異なるかんがえかたなので、
タレブの言っていることは頭では理解できるものの、
どこまで実践できるかというとなかなか難しい。
でも、今後本を読む際に、批判的な見方やタレブ的な見方をする事もすごく大事という観点をもてたのは良かったと思う。
ブラックスワンよりだいぶ難しい気がするので、
タレブファンにはオススメ。いきなりこれから読むと面食らうかな。 -
Posted by ブクログ
上巻につづき、おすすめの本です。
七面鳥問題というものがあります。
七面鳥はかいがいしく世話をしてくれる飼い主からの愛を毎日感じて生きています。今まで毎日受けている世話という"データ"によると、今後もずっとこの幸せな生活が続くことが予測できる、と七面鳥は考えました。この幸せが終わりを告げる、という証拠はどこを探しても見つからないのですから。しかしクリスマスイブがやってくると、七面鳥は屠殺されて飼い主の食卓に並びましたとさ。
著者は、今までのデータを元にして今後を予測するのはとても困難であることの例として、この七面鳥問題を挙げています。"証拠がない"ことは、"ないことの証拠"ではないのです。
馬鹿馬鹿しいと思うかもしれませんが、実際多くの人はこの七面鳥と同じような間違いをおかしています、
例えば2008年頃の投資家達。彼らはこの成長が終わる"証拠はない"、として、今後もこの成長が続くと"予測"していました。しかしリーマンショックによってその成長は終わりを告げます。
この七面鳥の誤謬からわかるように、現実世界という極めて複雑なシステムにおいては、予測というのはほぼ無意味です。どんなにデータがあっても、この予測不可能性は原理的にかわりません。
上下巻を通して、著者はこのような世界でどう生きていくか、についての方針を与えます。
この下巻の付録にはグラフを用いたわかりやすい解説があり、本編でなんとなくの理解で終わっていたものも、数学的、視覚的な表現で理解を深められるようになっています。
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Posted by ブクログ
ネタバレとても示唆に富む本なのだけど、色々考えてしまって進みませんでした。でも、もう少し通して理解しないといけない内容でした。自分もモデルを作っていたからわかるけど、モデルは基本的に線形結合。特に一昔前の多変量解析は線形推定検定論以外の何物でもない。ただ、こうした推論で行くと、どうしてもテールの事象、すなわち出現確率が小さくて、でも起こった時のエクスポージャーが大きなものは過小評価されてしまう。特に損失期待値などを出そうものなら、頻度の小ささでエクスポージャーの大きさを見失ってしまう。ただ、テール事象は思ったほど起こらないことではない。そして起こった時に関連性があって、連鎖的に起こる事象も無視できない。その時のエクスポージャーの大きさは推論の域を超えているかもしれない。それから、昔からあり淘汰されていないものが正しいという考え方。リスクを取っている奴が偉いという考え方。どれもこれまでの自分の思考と違うように思うけど妙に説得力がありました。この辺が消化しきれていないけど、とても気になった点。いずれまた整理します。
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Posted by ブクログ
ひょっとすると、バイブルになるかもしれない書。世の中論理的に判っていることは少なくて、ほとんどは実践的に体系つけられてきた。論理的なシステムは論理が破綻したら脆く(脆弱)、論理が破綻しても壊れないぐらい強いもの(頑強)を対義語と考える人が多いが、本当の対義語は論理が破綻したとき(ブラックスワンがが舞い降りた時)さらに飛躍する(反脆弱)システムを指す。ブラックマンデーで儲かった人たちこそ反脆弱である。ある予想に対して実際は非対称な分布を持つものを探し(ほとんどがそうだ!正規分布なんてそれほどない)確率は低いが 論理学者が思っているほどは低くない事象に賭ける(もちろん全額ではなく、一部)と将来安泰になるかもしれない みたいな主張である。
いろいろなオプションを考え、バーベル戦略:オプションの両極端に両方投資するを行う。片方は上限なく儲かり、片方は損失の上限が限定される。
ちょっと違った角度で言うと、論理的にみえるビジネスプランに投資するのではなく、人に投資しろ
医者の論理は、合理的なものだが、経験によるものを否定することもある。現代医学が新しい病気を産む(医源病)こともるのだ
等が 上巻での結論かな?
下巻に期待 -
Posted by ブクログ
名著『ブラック・スワン』で「一度発生すればカタストロフィをもたらすが、人間には決して予測できない」事象を「ブラック・スワン」と名付け、不確実性の高い世界を予測・コントロールしたいという人間の取り組みがムダであることを暴いた著者が、その後に実際に発生した2つのブラック・スワンである、リーマンショックと東日本大震災による福島原発問題を踏まえながら、不確実な世界を生き延びるための唯一の考え方・方法論をまとめたのが本作となる。
上巻では、本書のキーコンセプトである反脆弱性という概念の説明と、半脆弱性を持つことがブラック・スワンのような事象に対する唯一の対策であることを示しながら、その具体的な考え方が示される。我々はつい「脆弱さ」に対して、その対義的な概念である「頑健さ」を志向してしまいがちであるが、ブラックスワンのような事象に対して、いくら頑健さを誇ったところで、崩壊のスピードを僅かに遅くする程度の効果しか得られない。むしろ、衝撃を自らの進化のために利用してしまうような「反脆弱さ」こそが重要であり、その例として、適度なストレスにより成長するような人体組織などが挙げられる。
購入してから読むまでにだいぶ時間が空いてしまったが、いったんページを開いてしまえば400ページの上巻を一気に読み通してしまった。衒学的かつブラックユーモア溢れる文体は顕在。引き続き下巻が楽しみでならない。 -
Posted by ブクログ
『THE SINGULARITY IS NEAR』の著者レイ・カーツワイル氏のことを、タレブ氏は「対極にある」(要は「嫌い」)と言っているが、私は両者とも大好きで現代を象徴する思想家であり実践家だと思う。タレブ氏は連続性を断絶させる不確実性を「ブラック・スワン」という概念を以って説明してみせたが、本書ではさらに昇華し、「反脆弱性」という新語を用いて非線形におけるダウンサイドとアップサイドの非対称性を見事に解き明かす。
タレブ氏の発言はやや棘があり誤った認識も見受けられるが、無責任で言いっぱなしのエージェンシーたちへの痛烈な批判は痛快だ。ダウンサイドが限定的かつオプション性がありアップサイドが∞であることを見極められるリスクテイカ―こそ世界を変える者たちだ。『ブラック・スワン』がエポックメイキング的概念であったように、彼らの行動を讃え推奨する『反脆弱性』の理解は転換点をもたらしえるかもしれない。