ナシーム・ニコラス・タレブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多くの具体的事例を挙げ、反脆弱性の持つ強みを様々な角度から述べている。一言で表現するのはのは難しいが、何となく全体を通じて受け取ったメッセージは「将来において絶対なんてものは絶対ない」ということだろうか。
時には失敗もするし、不運にも遭うだろうし、しかし時には受け流しつつ、また時にはその経験から学び以前よりも強く成長する、といった臨機応変さや柔軟な思考が大切であることを理解した。
著者の軽妙な語り口が個人的には読みやすく、また分野を問わず豊富な知識には驚かされる。
一点もし要望するとすれば、全体としてもう少しコンパクトにできるかも?という部分。
多数の事例は理解が深め易い一方で、冗長感も出 -
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Posted by ブクログ
「ブラックスワン」のタレブさんの著書。できるだけ堅牢なシステムを作ろうとしたり、安全神話を信じてしまうことが多いが、「想定外=ブラックスワン」のことが起こると、予想以上の被害(あるいは利益)が発生することがある。これに対抗する唯一の術が「脆弱性」であるという説。毎年軽い風邪にかかった方が深刻な伝染病にかかりにくいとか、多少のプレッシャーやストレスがあった方が成長しやすいとか、日常にもこういった脆弱性を活用する「反脆弱性」のメリットが多いということ。言い換えると、変化を好むことこそが安定につながるということで、大企業とスタートアップの関係にも似る点が多く、参考になる。
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Posted by ブクログ
元旦早々読み終えました。だってね、テレビがあまりにも面白くないんで、本を読むくらいしかすることないですよ。
さて、本書ですが、ところどころ難解なところはありますが、そうでないところはすんなりと理解&納得できました。会社やその他で付き合っている人に、本書で表わされるような人がいたりするんで、該当するパートはその人を思い浮かべながら読んでみたりしてね。
あんまり、ガチガチに凝り固まって考えるのもよくないようですね。反脆いとは、強いとかの事ではないんですね。事柄に柔軟性をもって対応するというか、何と言うか。かといって、軟弱なわけでもないと。
複雑なこの時代、柔軟性をもって対応するのは必要なスキ -
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Posted by ブクログ
非常に面白い。
反脆弱性、反脆さは耐久力や頑健さを超越する。衝撃を糧にする。
ベイルートは8回破壊され8回再建したらしい。今回の爆発で、9回目と言うことか。
心的外傷後成長。心的外傷後ストレス障害とは逆で、過去の出来事で心に傷を負った人々が、それまでの自分より強くなると言う現象。
暇な人は時間を無駄にしてしまう、忙しい人はどんどん仕事をこなす。怠惰が人をダメにする。
システムが反脆ければ、事故やトラブルによってシステムは強くなる。飛行機事故によって、飛行機業界全体は同じ事故のリスクを減らすことができる。経済は巨大な一つのシステムになっているので、連鎖倒産などが起こる。つまり経済のシス -
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「ブラックスワン」の提唱者として有名なリスク工学の研究者であり、トレーダーや哲学者の顔も持つ著者が、社会や経済がリスクを予測して回避するよりも、むしろリスクを活用して強くなる「反脆弱性」を養うことの必要性を説いた啓発書。
過度な医療行為が免疫力低下による大病を招いたり、森林環境の人工的な管理が破壊的な山火事につながるのと同様、企業の経済活動や社会システムにおいても、「リスクは予測可能であり、回避すべきものである」という思い込みは、むしろ不確実性と複雑性の高い状況で、大規模な金融危機のような予測不能な事態(ブラックスワン)が発生した際にシステム全体の破綻を招く脆弱性を助長する。
著者は、リス -
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「ブラックスワン」の提唱者として有名なリスク工学の研究者であり、トレーダーや哲学者の顔も持つ著者が、社会や経済がリスクを予測して回避するよりも、むしろリスクを活用して強くなる「反脆弱性」を養うことの必要性を説いた啓発書。
過度な医療行為が免疫力低下による大病を招いたり、森林環境の人工的な管理が破壊的な山火事につながるのと同様、企業の経済活動や社会システムにおいても、「リスクは予測可能であり、回避すべきものである」という思い込みは、むしろ不確実性と複雑性の高い状況で、大規模な金融危機のような予測不能な事態(ブラックスワン)が発生した際にシステム全体の破綻を招く脆弱性を助長する。
著者は、リス -
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Posted by ブクログ
ネタバレ反脆弱性=失うものよりも得るもののほうが多い=ダウンサイドよりもアップサイドのほうが多い=(よい意味での)非対称性=変動性を好む。289p
オプション=非対称性+理性 300p
【7プラスマイナス2回、失敗する】p389
鉄則をまとめる
①オプション性を探すこと。もっといえば、オプション性に従って物事をランクづけすること。
②できればペイオフに上限があるものではなく、ないものを探すこと。
③ビジネス・プランではなく人間に投資すること。つまり、キャリアを通じて6〜7回(またはそれ以上)方向転換できる人を探すこと(ベンチャー・キャピタリストのマーク・アンドリーセンの手法のひとつ)。人間に投資す -