カルロ・ロヴェッリのレビュー一覧
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エルンスト・マッハは絶対不変な存在を大前提とする形而上学からの脱却を訴え、その後の科学者へ多大な影響を与えた。そこにはレーニンとの論争で有名なボグダーノフも、アインシュタインも、ハイゼンベルクも、筆者自身も含まれる。物質や心など、旧来から人間の認識を支配してきた固定観念を捨て、相対的な関係こそが現実に起きている現象を最もうまく説明できるのではないか。摩訶不思議な量子力学における現象も同様な話の流れになるが、そこからさらに飛躍して脳と意識や、意味論にまで適応が広げられていく。
量子力学の基礎となるのはハイゼンベルクの不確定性原理であり、多世界解釈や、観測し得ないが存在している波など、現実への当てはめは様々なものがある。お馴染みの2重スリット実験やツァイリンガーの実験、量子ゆらぎや量子干渉を解釈するのに、相対的な関係を考えるとうまくはまる。プランクはエネルギーがその波の振動数の何倍になっているか示す比例定数をh(プランク定数)と表した。ハイゼンベルクによるXP-PX=ih/2πは、粒子の位置に運動量(速度x質量)をかけたものは、その逆にかけたものと異なることを表す。相互作用がなければその対象物には属性がない、事実は相対的である、と考えることでシュレディンガーの猫を解決する。公準として①ある対象物に関連する情報の最大量は有限である。②いかなる対象物に関しても、常に新たに関連する情報を得ることができる。を前提とする。すべての物理変数をどこまでも正確に知り得たとすると無限の情報を得たことになり、ここでプランク定数が歯止めとなる。ΔXとΔPをどこまでもゼロに近づけることはできない。そのため、光子はそれ以上小さいエネルギーに分割されることなく粒状性とみなされることになる。また、新しい情報は無限には得られない、より古い情報がその系に関連しなくなる原理が作用する。これにより非可換性が重要となる。e=mc2もそうだが、単純に見える数式に深い意味が存在するのが非常に面白い。ハイゼンベルク、ボルン、ヨルダンが行列を使って量子飛躍を計算していたときと同時にディラックも同じ着想にたどり着いていた。3人がかりで難儀した難しい計算を、一番の切れ者のパウリに相談し、数週間で計算してしまった。量子力学の黎明期、人類で初めて不可思議な現実を説明する理論を編み出した天才たちの物語。当時の興奮も伝わってくる -
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物理が苦手で、高校のときにテストで18点をとったことがある。数式ばかりで冷たく、面白くない。でも理解したいなという憧れはあった。ページ数が薄く、「入門」とタイトルにあるこの本なら読めるかも、と手に取った。
読んでみると、数式が一つもない。それなのに、物理がわかったような気にさせてくれる。最初の章から物理に疎い自分は驚き。まず、ニュートンの引力の理論が否定されている。そこでひきこまれてしまった。読み進めるにつれ、量子力学の難しい話が出てきて、想像ができずに心が折れそうになったが、詩的な文章で紹介してくれるので頑張って読めた。特に、6章の熱と時間という全然関係なさそうな2つを結び付ける話が特に面白かった。
読み終わって、物理の冷たいイメージが消えた。数式の背景には、知りたい・解き明かしたいという人間の知識欲があることを知った。時間さえも主観だと知った。そして、知識を得ること自体が成功だという自分の感覚が、物理という遠い場所から肯定されたように感じてうれしくなった。
これからいっぱい本を読もうと思えるいい本だった。 -
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作品紹介・あらすじ
『すごい物理学講義』や『時間は存在しない』で世界的にベストセラーを誇る天才物理学者の本邦初訳書。既刊の中で最もわかりやすい。
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著者のカルロ・ロヴェッリはイタリア出身の物理学者で、特にループ量子重力の創始者の一人として有名。ループ量子重力というのは一般相対性理論と量子力学の統合を目指している理論だ。
僕は彼の「時間は存在しない」を読んでいて、その時の感想に「意外とむずかしくはなくてスラスラと入ってくる。そして読み終わって一息いれると、何が書いてあったのかをほとんど覚えていない」なんてなんとも情けないことを書いている。まったく困ったものです。
さて、この「すごい物理学入門」も面白くスラスラと入ってくる。でも「時間は存在しない」を読んだ時よりは多少成長しているのか、読み終わった後もなんとなく内容は覚えていた。物理に少し興味が出てきたことも影響しているかもしれない。
140頁足らずの薄い本なので、正直「もう少し突っ込んで説明してくれてもいいのに」と食い足りなさを覚えたのも事実。また簡単に説明しようとして、かえってわかりづらくなっているような印象も受けた。それでもこの人の説明は全体的にわかりやすく面白い。最終講義などはほとんど哲学といった様相だったのだけれども、これがまた「うーん……」と深く考え込めるような内容だった。 -
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カルロ・ロヴェッリさんの本2冊目となります。
この方の本は全く物理がわからなくても
読みやすく理解しやすく書かれているので
初心者さんや物理に興味がある方にオススメです。
時間は存在しないと言われても、、、と思いながら読みましたが宇宙からみていかに地球が異質なのかがよくわかります。私はこの本を読んで宇宙からみて人間という存在は汚点なのではないか?と感じました。(エンタロピーの観点より…詳しくはぜひ読んでください。)
改めて人間という存在を世界の中心ではなく、ほんの一握りの存在で自然の方がはるかに偉大で素晴らしいと感じさせられます。
内容としては完璧で星5にしたいところなのですが
私の中では理解できそうで理解できない言葉にできないモヤモヤが少し残ったので星4としました。
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ループ量子重力理論提唱者であるカルロ・ロヴェッリ氏のり一般向け物理学書。といっても小難しさはほぼなく詩的な美しい文学作品のような趣。
相対性理論から量子力学、宇宙、素粒子、量子重力理論、熱と時間、そして「私たちについて」と7つの講義。これは「時間は存在しない」などカルロ氏のその後の著作物の流れと同じで、物理学初心者にとっては非常に分かりやすく、氏の趣旨一貫性に唸らされる。
題名はイタリア語で「Sette brevi lezioni di fisica」で「
物理学の7つの短いレッスン」という意味のようで、日本語版の「すごい~」よりこちらのようが美しいような気がする。 -
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カルロ・ロヴェッリ氏の今度のテーマはホワイトホール。全てを吸い込む高質量かつ高密度のブラックホールが特異点で跳ね返り反転してホワイトホールになるという。それはブラックホールとは反対に全てを放出し、プランクスターとして痕跡を残し宇宙を漂っているという。なんともワクワクする話だ。
カルロ氏の他書籍と同様、非常に分かり易く説明されており、哲学的な内容を多分に含み、本書ではダンテの『神曲』が度々引用されている。また、発展途上の理論ゆえ時折挟まれるカルロ氏の独白部分が彼の思考プロセスを知ることが出来て面白い。
ホワイトホールの「放出」が何かを出しているわけではない?(ブラックホールでの順行の質量凝縮に対してホワイトホールは逆行の放出だが、この放出は「ホールから飛び出るイメージではなさそう)部分に少し理解しにくさがあるが、いつもどおり知的好奇心を大いに刺激される一冊。 -
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ループ量子重力理論の提唱者であり、「時間は存在しない」の著者であるカルロ・ロヴェッリ氏の著書。相変わらず面白い。
量子とは同定した「何か」ではなく、観測者と観測物とが相互に干渉し合う「関係」として捉える点が興味深い。しかも量子もつれ(Entanglement)を二者間の関係ではなく、三人称での関係性で記述される妥当な相対情報を持つ「意味」として捉えている。XP-PX=iℏという順序による差に虚数をかけることで何らかの意味が生じるというこの式にも、オイラーの等式的な深遠な美しさを感じる。
カルロ氏は科学と哲学を表裏一体のものとして考えており、第七章で龍樹菩薩(ナーガールジュナ)の思想を内在化させ量子論というツールをもって世の真の姿に迫ろうとする姿勢が氏らしい。
カルロ氏の著作はいつも理解半分(も及んでないが)ではあるが、毎回知的好奇心を刺激してくれ、読んでいて楽しい。 -
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Audible!!
宇宙、量子、時間的な話って何で定期的に読みたくなるのかな、、もちろん現実逃避をしたいから!
ってことでがっつり逃避してみましたw
最初に面白いなと思ったのが、宇宙とエントロピーのお話。宇宙全体が最初は低エントロピーだったわけじゃなくて、たまたまそういう場所に自分たちがいるからという考え方。部分集合の一部でたまたまエントロピーが低い場所があった的なことみたい。
その視点を分かりやすくしてくれるのが、りんご酒の例えでした。北ヨーロッパでりんご酒が飲まれているのは、文化が特別だったからじゃなくて、そもそもりんごが育つ土地だったから。同じように、生物が存在しているのも「奇跡」ではなく、たまたま条件が合った環境に、そういう存在が残っただけなんだ、、確かにφ( ̄ー ̄ )
んで熱力学の話もこの流れにつながる。エントロピー自体は、私たちの世界では確かに増え続けている。でも、それを「時間の流れ」として強く意識しているのは、人に記憶があるからなんじゃないか、という指摘でした。記憶があるから過去と今を区別できて、結果として時間が一方向に流れているように感じているってゆー流れ。
科学寄りの本なのに、最後は「時間は刹那の連続」みたいなところに着地するのが面白かった。科学の話を突き詰めると、哲学に行き着く、、考え尽くすと今ここに戻るって感じがほぇ〜な読後感でした。 -
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「超ひも理論」並ぶ統一理論の候補である「ループ量子重力理論」の提唱者であるカルロ・ロヴェッリ氏による一般読者向けの物理学読本。といっても後半はかなり難解。でもとてつもなくエキサイティングで面白い本。再読。
近代物理の原点をプラトンやアリストテレスではなく(むしろ否定し)デモクリトスの原子とし、そこからニュートンの古典物理学、ファラデー=マクスウェルの電磁気学、さらにアインシュタインの相対性理論、ディラックの量子物理学へと紡がれる変遷を追う。それらをベースに、(刊行当時の)最新物理学であるループ量子重力理論を中心に量子のふるまいに迫っていく。
氏の別著書「時間は存在しない」でも触れられていたが、量子同士の相関性・関係性が世界を記述するものであり、エントロピーや情報理論を巻き込んで展開されていく世界はなんとも不思議な感覚。特にマトヴェイの重力・相対性理論・量子力学の定数が盛り込まれた公式は真理の一端に触れたような錯覚に陥る。といっても250ページのループ量子重力理論の方程式をみて全く理解できていないと覚めるのではあるが。
数人の卓越した発想や着想から生まれ、思考実験や数学を持って論証し、実験や観測を持って証明する。それらの世界が何か大きな枠組みのなかで一連の事象としてつながっているように思える、そんなワクワクさせてくれる本である。 -
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マクロな曖昧さ、これ、一神教の神でいいかな。
この状態、状況を記述しようとすると、その背後に神の視点なりが、立ち現れて来ると感じる、と、思えるな。記述自体は、聖書、寓話の一説、ミクロな個々のイベント、出来事の一つでしかない。
世の皇帝たちが、暦の作成に力を入れたのも、よく分かる。現況のトランプ関税も、パラダイムシフトか、アメリカの新たなブランディング戦略なのだろうかな。負債処理、金利操作の一つにもなってるし。
ロシアに暴露されちゃったし、当然、エントロピーは、増大するよね。失敗すると、核戦争もあるかな、うーん、一神教、縁遠いんだけどな、わし。