大治朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あれほど悲惨なガザ地区を爆撃し続けるイスラエルの心情が理解できないので、この本を手に取りました。まずガザ地区はちょうど福岡市と同じくらいの広さと人口だとイメージすればいいのですが、違うのは高い壁で囲まれていて、食料から電力から全てをイスラエルに管理されている空のある牢獄だということです。食料は人間が最低限必要なカロリーの人数分しか搬入が許されず、しかもそれは他国の支援物資なのですからまさにナチスがユダヤ人を隔離したのと同じです。トイレは900人に一つ、シャワーは5000人に一つというのですから、日本の刑務所の方がずっとマシです。そんなガザ地区にハマスが潜んでいるからと瓦礫と化した地区の学校や
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Posted by ブクログ
自信の喪失、孤独・疎外感、精神病的性質。それらは適切なナラティブによって、惨めな惨状ではなく英雄の素質となる。
コミニケーションと自己実現としてのテロリズム。承認欲求がテロの要因だというのは新鮮で同時に凄くリアリティがあった。
思えば映画タクシードライバーもジョーカーも、自尊心の回復を求めて、絶望した孤独な男が社会とのコミニケーションとして事件(テロ)を起こす映画だった。テロを防ぐ一番の方法は不幸な人間を作らないことなのかもしれない。
チー牛や弱者男性をバカにしているとテロを起こされるかもしれないというようにも読める。
必読本だと思う。