大治朋子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者自身が言うように、同じように差別·貧困·死別·蹂躙に苦しんだある者はテロに走り、またある者は平和な生活に留まる。それを分かつ要素が何なのかを丁寧に突き詰めていった本である。ひとつひとつの要素が確かにローンウルフによるテロの引き金になりうるしテロ支援(エネイブラー)になり得ると、納得の説明だった。イスラエルによるパレスチナのジェノサイドが始まる前に書かれているので、パレスチナ人の自爆攻撃に怯えるイスラエル人寄りの立場で書かれているのが気になるが、確かに他では読んだことのない内容で面白かった。もう少し無駄な言葉を削ぎ落として整理してあればよかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ昨今、よく耳にする「ナラティブ」。
前々から気になっていた一冊を、ようやく読めた(買って1年近く手を出せずに置いてた)。
学びは多岐にわたり、非常に興味ある内容だった。
主な主張は第一章を読めば分かるかな。
いや、本書の主旨より、そこでインタビューされる養老孟司さんの言葉、その主旨が重要か。
「ナラティブというのは、我々の脳が持っているほとんど唯一の形式じゃないかと思うんですね」
そして名著『バカの壁』にある以下の記述も引用されている。
“ 脳内には「一次方程式がある」と説いた。
人間は五感から入力した情報(x)をいったん脳内で回し、運動系で出力(y)して行動に移す。それを -
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Posted by ブクログ
嘘か本当かわからない情報にあふれ、様々な問題が複雑に絡まり合い、寄りかかれる先が少なくなってしまったこの時代に、ナラティブが自分たちの周りに溢れていて、良くも悪くも大きな影響を与え得るということを、様々な事例を通して分かりやすく教えてくれる。
ナラティブについて認識してこの世界を見ること、知らずにこの世界を見るのではまるで違う。
この世界の"なんでだろう?"を理解する糸口でもあり、情報兵器にもなり得るもの。
過激派テロ、米大統領選、性被害、旧統一協会、ナチス...
様々な事例をナラティブを軸に考えていくと、ものすごく理解が深まった。同時に、危険な思想に向かっていってしまう -
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Posted by ブクログ
「普通の人」がなぜ過激化してしまうことがあるのかを、イスラム国、パレスチナ問題、それに日本で起きた障害者施設での殺傷事件、秋葉原での通り魔事件などを取り上げ、ローンウルフ型と言われるテロ行為を防ぐ方法を模索している。
読んでいて非常に気が重たくなる本であるが、重大事件の裏にも「防げたかも知れないタイミング」があったようで、個人レベルであれば周囲の人が手を差しのべることによる解決策が提示されているのが救いだ。
しかし国家同士となると難しい。読んでいて昔のアニメ「伝説巨神イデオン」を思い出した。異なる民族が誤解を重ねて戦いが泥沼化し、相互に愛し合う個人が存在し目的も望みもお互い似通っているにも