佐藤大介のレビュー一覧
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韓国の人にとって국정원(国情院)という言葉は広く知られている。
中央情報部(KCIA)を発祥とする韓国の国家情報院は、時に大統領と肩を並べるほどの権利を持ち、民主化運動の時代には市民に徹底的な弾圧を加えた。
日本では、公的に存在の認められている国の情報機関は、大きく5つある。内閣官房内にある内閣情報調査室、法務省の外局である公安調査庁、警察庁警備局が統括する公安・外事警察、防衛省・自衛隊の情報本部、外務省の国際情報統括官組織だ。
米国では対外情報機関として中央情報局(CIA)があり、諜報機関として連邦捜査局(FBI)を持っている。
国情院は対外情報機関と諜報機関の2つの役割を担った巨大組織である。法の枠の中で活動が行われるが身分を偽造したパスポートを使用することは珍しくない。超法規的措置が国情員の仕事に対しては認められているのだ。
日本を含め、海外にある韓国政府の大使館には、その大部分にその国の言語に長けた国情院の要員が外交官として配置されている。
課税や逮捕などから免れる外交特権を持つホワイト、ホワイトよりもさまざまな職業や社会階層で活動するブラックがいる。ブラックはスパイ容疑で重罪に問われる可能性がある。
北朝鮮に対する衛生や探索機などを用いた情報収集は米国が優位であるが、ヒュミントは韓国が絶対的な優位にあるというのが通説だった。特に金正日氏の関連情報は「情報収集目標の最優先」に掲げている国情院が、米国の情報機関より優位に立たなければならなかった。金正日氏の一挙手一投足は24時間365日の監視対象であり国情院作成した「金正日家系図」に登場するすべての人物もそこに該当した。
韓国が国家レベルでの本格的な情報機関を保有したのは、朴正煕氏ら軍部が実権を握り、軍事政権が樹立されることとなった軍事クーデター直後の1961年6月にKCIAが設立された時からとなる。
南山芸場公園の記憶6と記された建物にはかつて第6局の建物があり、逮捕された学生や、活動家に対し地下にある部屋で拷問などの過酷な取り調べを行っていた。
国情院で働く人は待遇に不満はない。給与が安いと他国の情報機関に買収されるリスクがあるからだ。
1万人が書類に応募し2000人が通過、そこから100人程度を採用。
NAVERでは山林になっている내곡동の地図だが、Googleでは大きな建物がある。
国情院はトップクラスの幹部を除いて、国情院の職員を名乗ることは禁止されている。
家族に対しても国情院がダミーで用意した企業の身分を伝える。病院や住民登録も信用情報の確認に影響がないようにされている。
日本での韓国の外交施設は、東京の大使館のほか、領事部(東京)、総領事館がある。このほかに文化院、教育院、農林水産食品流通公社、観光公社、コンテンツ振興院、韓国国際交流財団などの公的機関があるが、こうした外交施設ではない公的機関には国情院から要員は派遣されていない。
20人くらいが日本に外交官として駐在している。
国情院を大手の新聞記者だとすると、諜報要員はフリーライター。
国情院と日本側の関係は良好と言える。
国情院は家宅捜索や拘束令状申請が可能だったが、2024年からは国内外の情報網などを通じて捜査に必要な情報を入手し、これを警察に伝えることに限定される。
今回の尹元大統領の非常戒厳は軍や国情院の幹部への根回しをしておらず、情報機関との接し方も分からない政治のアマチュアだったことを露呈してしまった。 -
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KCIA、国家安全企画部を経て、1999年に誕生した国家情報院。情報機関として現在さまざまな活動をしているが、予算や人員など多くのことは依然として謎に包まれている。本書は国家情報院のみならず、これまでの韓国の情報機関の歴史や日本との関係について取り扱う。本書で言及されているが、韓国の情報機関はKCIA以前から存在しており、1902年高宗により設立された帝国益聞社が起源とされる。朴正煕政権時にKCIAが設立されてCIAを理想としていたが、組織の活動はKGBに近かった。これは幹部の多くが日本の植民地時代に軍、警察で情報、諜報の教育を受けたことで、CIAの組織論に馴染まなかったと指摘される。その後、金大中政権に国家情報院となり、KCIAと比べて権限は縮小したものの、情報機関としてさまざまな情報を収集して分析し、妥当性のある情報としてまとめる。なかでも北朝鮮の工作には力を入れており、外交官として海外に派遣して、北朝鮮に関する情報を集める。この活動は日本でも行われており、大使館、総領事館と警察庁が協力関係、すなわちコリントが機能している。たとえ日韓の政治関係が悪化したとしても、北朝鮮に関するコリントは良好である。このように本書は韓国の情報機関が紹介されるが、それでもわからないことがいまだに多い。
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共同通信の記者として4年近くニューデリー特派員を務めた佐藤大介氏が、トイレという切り口でインドに光を当てた力作です。各地におもむき、現地で色々な活動をしている人たちを取材することにより、非常に質の高いルポになっています。
モディ首相肝いりの「スワッチ・バーラト」運動で、トイレはある程度出来たものの、形だけであったり、下水処理が追いつかなかったり、等の現実が紹介されます。人口が集中する都市では排泄物が下水処理されずに河川に垂れ流されるため、川の水質汚染が悪化しているのに、人々はその流れで沐浴をするという恐ろしい話もあります。もっとも驚いた内容は、排泄物の処理はダリットという不可触民たちの仕事で、下水の流れが滞ったとき、彼らはゴーグルも手袋もせず、下水管の中に入って、作業する様子が紹介されています。
また農村部では庭などに放置された糞尿をダリットの女性が「素手」で集めるというスカベンジャーたちがいることが報告されており、私にとっては驚天動地の光景です。
インドのGDPは今は世界第4位であり、グローバルサウスを代表する国家として、国際的にも重要な役割を果たしています。インドは伝統的に物理・数学に強いため、IT産業が発展しており、アメリカのIT産業にも多くのインド人が活躍しています。そのような発展をしている一方で、多くの国民は劣悪なトイレ事情に甘んじており、改善すべき課題がまだまだ山積していることが明らかにされています。 -
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世界的に死刑廃止に動いているなか、日本は数少ない死刑存置国である。
2021年、死刑廃止国は108に上る。10年以上執行がないなど、事実上の死刑廃止国を加えると144カ国に上ると言われている。
一方、死刑存続国は日本や中国、北朝鮮、イランなど55カ国。
先進38カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)の中では日本と米国だけのようだ。
つい最近も19歳の特定少年の死刑が確定された。
だが、我々日本人は死刑存置国で暮らしていながら、死刑制度についてよく知らないでいる。
自分は死刑廃止派ではあるのだが、なぜ? と問われると結構ぼんやりしていて、はっきりとこういう理由で反対だ、と言えないでいる。
別に死刑談義で論破するために本書を手に取ったわけではないのだが、自分の中で死刑という刑罰にぼんやりとした気持ちを抱いていたこともあって、手に取った。
そして、やはり自分は死刑廃止派であると改めて思った。
と言うか、現行の日本で死刑という余りにも重く、そして後戻り出来ない刑罰を適切に運用出来ると思わなくなった。
日本の司法は自白を重要視しており、そのために被疑者に必要以上に圧力をかけることは知られている。人質司法と言われるが、自白したら終わりなのだ。
そんな国で死刑が適切に運用できるのだろうか?
自分は出来ないと思う。
別に自分は他者にも死刑廃止派に回ってほしいと考えているわけではない。
だが、一度死刑というものをよく考えてみてほしい。考えてそれでも死刑存置派であるなら、それはあなたの自由だ。
本書は、死刑を考える手助けになるだろう。多くの人に手に取って、今一度考えてもらいたい。 -
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最高に面白かった。医学書ではないけれど、医療に関してガッツリ書かれている本。
若手医師が読むと確実に刺さる内容がいっぱい散りばめられていると感じた(というか、自分には刺さる内容が沢山あった)
自分のやりたいことは、最近「病気治し」よりも「病気になりかけの人を良くすること」だと感じている。1番自分の中で印象に残っている患者も、入院している重症患者や高齢者ではなく、外来で(当初あまり使われていなかった)SGLT2阻害薬を導入してDMや心不全や肥満が改善した、明らかに「予後が伸びた」と感じることのできた中年男性だった。
また、小さい子を育てている層の患者(腎臓内科ならIgA腎症の患者が多い)の慢性疾患に、ベストな情報提供ができる医師になりたいと日々感じている。
海外で言うならば「家庭医」のポジションが理想。本書によると、イギリスなどでは家庭医から話を聞くことは健康に関する情報源として重視されている一方で、日本では健康についていちばんの情報源は「テレビ」らしい。(しかも、医師からの情報はランキングに入ってすらいない)
医学的に正しい情報を、うまくコミュニケーションを取ったり発信するスキルを駆使した上で、病気になる前段階の人たちに届けること。
本書でも登場した「崖のアナロジー」でいう、まだ崖の上にいる人たちのための仕事を何か一生をかけてやっていきたい、そんな風に感じている。
30代という時期の始めに読めてよかった。
読んで満足ではなく、行動に移していきたい。 -
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以前他の本を読んである程度知っていることも多いと思っていたが、この本では加害者側の葛藤だけでなく、被害者遺族や加害者家族、刑務官など、死刑にかかわる人たちの葛藤が多面的に描かれていて、視野が広がった。
加害者自身が取り返しのつかないことをしてしまったと自覚して、反省する心情は耐えきれない苦悩なのだと感じた。
そういう人たちに対して本当に死刑執行していいのかわからないという過去の法務大臣の言葉が印象的で、人が人を裁く難しさを痛感した。
何が正しくて、どうすることが正義なのか、全くわからない。
それでも、被害者の苦痛や恐怖、残された遺族の悲しみ苦悩に共感できた時、それがまさに自分の行為によって起こったことだとした時の苦悩は想像するだけて計り知れない。
私自身、殺人経験はないものの、成長の過程で傷つけてきた人たちの顔を、ふと思い出すことがある。
当時は傷をつけるつもりもなく、自分の感情のまま、悪いとも思わずに振る舞っていた言動が、あるときすっと頭の中に浮かび上がってくる。
そして、私が傷つけた相手の辛さを想像して心がとてつもなく苦しくなる。
今更許されるわけじゃないけれど、心から悔やんで二度と同じことはしまいと誓う以外にできることはなく、そういう苦悩を抱えながら人間は成長し、人に対して寛容にそして優しくなっていくような気がした。
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サブタイトルは「下から見た経済大国インド」~携帯電話の契約件数は11億以上。トイレの無い生活を送っている人は約6億人。インド首相のナレンドラ・モディが提唱した「スワッチ・バーラト」が成功を収めたのは2019年。クリーンインドを目指すトイレ普及運動だが、どうやら各段階での忖度の積み重ねだったらしく、補助金と借金で家の敷地内にトイレを作っても使わないのは、地下のタンクの汚物の除去に金が掛かるというだけではなく、インド人が不浄とする排泄物は、脂肪・血液・ふけ・耳垢・痰・涙・目やに・汗・鼻汁・精液・小便・大便で沐浴などによって清められなくてはならないとされる。トイレも不浄のもの。乾式トイレが普及してマニュアル・スカベンジャーであるダリッドと呼ばれる不可触賤民が生まれたとする見解もある。不可触賤民は廃止されたとされ、カーストによる差別は禁止しているが、カースト自体は廃止されていない。ガンジーも、モディも、トイレの聖人・ビンデシュワル・パタクもカースト自体は否定していないのだ。トイレビジネスは大きな可能性を持っているが、不浄感を変えることはできるのか?屋外で用を足す人は多いし、近代的なトイレで用を足す人たちの下水も処理し切れていない~良い本だったね。他国のことだが、我がこととも考えられる。浄不浄感は日本にも共通するから
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■まとめ
中国輸入ビジネスの基礎が分かる本。
分かりやすく書いてあって数時間で読み終えられる。
しかしその分内容はかなり浅い。初学者が一番初めに読むなら良いが、ある程度知識がある人からしたらほぼ知っている内容だった。
それでも体型立てて書いてあるので参考になった。
やる気の出る本でもあるので、重要箇所だけまた見直しても良いと思う。
■輸入原価の計算式
輸入原価=(商品単価+送料単価) × (為替レート+関税率+消費税率)
■以外、印象に残ったフレーズ
失敗してしまうとすれば、それは途中でやめてしまうこと。どんなビジネスでも、途中でやめてしまえば稼ぐことができません。
私たちが使える資源のうち、特に有限である時間は非常に貴重です。その時間をどう使うのかによって、得られる収入も大きく変わります。
月収100万円は完全オリジナル商品を10種類ほど抱えていれば見えてくる。つまりODMで10個の商品を作る。
利益とはお客様の笑顔の対価である。
どれほど優れた商品も、大ヒットも、小さな積み重ねから生まれています。ぜひ自分自身の何かを差し出す姿勢で取り組んでみてください。
24時間をどのように使うのかは、私たち個人の裁量に任されています。成功のためのチャンスがあるとすれば、その裁量にこそあると言えるのではないでしょうか。 -
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トイレから覗く現代インド事情
本書は、現地の日本人記者がトイレ事情から現代のインドを語るというもの。
モーディ首相の看板政策、スワッチ・バーラト政策。野外での排泄が今でも普通なインドにおいて、1億2000万基のトイレを設置して、野外排泄をゼロにするというもの。
野外排泄の問題点は、住環境が不衛生になり、感染症等の温床になるだけでなく、夜、離れたトイレに向かう女性を狙ったレイプなども多発していたことにある。
しかしトイレを補助金をどっかり使って設置しようとしたところで、しっかりとした管理システムが整っていなかったり、賄賂や中抜きも横行していて整備もままならない。それにトイレを入れたところで、水洗式ではなく乾式(排泄物を一定期間貯めて、あとで取り除く)だったりなので、自分の家に汚物を貯めたくないので結局使わなかったり、汚物を取り除くのにもお金がかかる(それをやる人は素手でやったり)するので野外排泄もまだまだ普通に行われているとか。。。またトイレ問題から、インドにおける上下水道の問題や、今でも普通に行われている便所掃除人や下水処理人の劣悪な労働環境(マスクなしの素手作業、ときには首まで下水にどっぷり)の問題、コロナとトイレの問題、そして勢いのあるインドらしくテクノロジーやITを使ってトイレ問題をビジネスチャンスに変える取り組みまで、短いながらも読みがいがある一冊だった。 -
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『日本では、ほとんど誰もが清潔なトイレにアクセスすることができ、トイレのある暮らしが日常に組み込まれている。しかし、インドではそうではない。「トイレ」というキーワードで、貧富の差やカースト、都市と農村の格差といった、インドのさまざまな姿が見えてくるのではないか。そう思って、取材のためにインド各地を歩いた。そこから見えてきたのは、経済成長という言葉の陰でさまざまな問題を抱え、多くの人たちが苦闘しているインドの姿だった。』
日本から遥か遠くにある国。インド。
パソコン上に飾られた、成長率という数字だけ見れば、「めざましい経済成長をしている国」と思うのは当たり前かもしれない。でも、どことなく違和感が残るのはなぜだろう、と頭の片隅に思っていた。
その違和感の正体は、この本を通して、トイレというフィルターから、少しずつ明らかになっていった。
トイレを増やすことで、衛生面の改善を図ろうとする政策から始まる物語は、トイレを増やすことが目的になってしまった現実を浮き彫りにしている。
たくさん作ったところで、トイレにまつわる問題…下水管の掃除をするのは身分が低い人だったり、「聖なる川」がどんどん汚れていったり、と、種々の問題は何も改善されていないのだ。
そして、世襲制であるカースト制度は、改善されつつあるものの、21世紀を迎えた今でも当たり前のように横たわっている。
トイレを囲む、水回り。そして、衛生環境。
日本とインドの共通点といえば、カレーくらいしかないと思っていた自分にとって、この本が示す、インドがどんな国かという説明は、ものすごくわかりやすかったし、その着眼点には、脱帽した。
インドだけでなく、どんな国においても、わかりやすい指標ではなく、数値化しにくいものも見ることで、はじめて全体像がぼんやりと浮かび上がってくるのかもしれない。
インドのことを全く知らない自分にとっては、単行本レベルの内容の深さでした。 -
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子供の頃憧れていた「目黒寄生虫館」
初めて行った時の感動は今も忘れられない!!
その目黒寄生虫館の館長さんが監修をしている
ビジュアルブック
写真じゃなくてリアルなイラストというのもなんかイイ。
で、文章がすごくおもしろくてめちゃくちゃステキ
ちょっとしたダジャレやらくすっと笑えるおちゃめさ、でもって、ふざけすぎなくて学術的。
この著者の文章好き~
家で犬を飼っていたり、金魚を飼っていたりした、子供の頃の趣味が魚釣りだったこともあって寄生虫には昔から親しみがあるんだけど、あらためて読むと寄生虫って…やっぱりすごいわ。
なんだろね、もう「生殖するがために生きている」というある意味潔さがすごい。
で、お~!と思ったのは日本住血虫の章
この寄生虫を駆逐するために行なったのが中間寄生先であるミヤイリガイの根絶。
種を根絶するという極端とも思えるすさまじい対策!
でも、それほどこの寄生虫が巻き起こす病が人を脅かしていたということ。先駆者たちに感謝。
あと、シーラカンス
世界で最初に発見されたシーラカンスの標本が下関市の「海響館」にあるとは知らなかった。
ぜひ見に行ってみたい。
そして、また目黒寄生虫館にも行ってみたい。