佐藤大介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スピリッチュアルな世界に関心のあるひとにとっての
世界の路地裏を歩くバックパッカーたちにとっての
インドではない
それこそ 13億人の人間が暮らす
インドを「トイレ」から見たレポート
都市であれ村であれ
どんな場所でも
バラモンであれダリットであれ
カーストなど関係なく
「出すこと」は
平等で必要なこと
きっちりとした取材に
裏打ちされた
「トイレから見た国家」が
小気味よくあぶり出されていく
著者の着眼点のすばらしさに脱帽
取材をされた人たちへの
リスペクトも感じられる
だからこそ
本音が聞きだせることができ
だからこそ
インドの今を語ることに
つながっている
現在のインドを語る
好著の一冊です -
Posted by ブクログ
インド政府が10年に1度行っている国勢調査によると、2011年の調査でトイレを持たない世帯の割合は53.1%。さすがに都市部では普及している(スラム以外) それを踏まえると地方や農村部では全然普及してないってことだ。じゃあ、もよおしたら、どこでしてんの?と聞くと、そこら辺の草むらで、との答え。
インドではトイレ行くのも命がけ。草むらから毒蛇が出て咬まれたり、猛獣に襲われたり。女性は朝の暗いうちに1回しか行かないらしい。羞恥心もあるが、レイプ被害にあう危険が高いからだ。
なんで家のそばに置かないかというと、日本でも昔はトイレをご不浄と言ったのと同じ理由、不浄だからだ。不浄なものを家の中に置くわけにはいかない、という衛生面というより、宗教観から来ている。そしてトイレがあっても掃除なんかしない。掃除するのはカースト最下層の不可触民である「ダリット」が行うと相場が決まっている。手袋もマスクもない状態で掃除をするから感染症になってバタバタ死んでしまう。下水道掃除も同じく劣悪な環境下で、著者が取材した掃除人も感染症で目が真っ赤に腫れていたそうだ。医者に行く金はないそうだから、たぶん失明するだろう。
そうとは聞いていたけど、ホントに人として扱われてないんだ。
モディ首相はインド全土にトイレを普及させるという「スワッチ・バーラト」政策、英語でクリーン・インディアを推進し、2019年ガンジー生誕150年式典で大成功を宣言をした。
実態はだいぶデタラメで、カースト上位の村の長どもが、トイレ設置したから補助金寄こせ、と申請し、金だけもらって実は設置してないという不正が横行。日本で言うなら貧困ビジネス的な詐欺行為を全土でしているような状態。ちゃんとしているところもあると思うけど、政府の発表を鵜呑みにはできない。
ガンジス川の汚染だって、半世紀も前から問題になっているのに、いまだに改善の兆しすらみえない。聖なるガンジスに流れれば全て清浄になる、という宗教観から、生活汚水も、工場排水も、死体もいまだに流している。
全世帯にトイレなんて、インドじゃ夢物語なんじゃないかな。少なくても半世紀はかかるだろう。 -
Posted by ブクログ
個人的には死刑制度は存続して欲しいと思っているが、どうやら世界の7割が死刑は廃止としているらしい。
被害者が理不尽に命を奪われたというのに、死刑は当日の朝ではなく前もって伝えて欲しいとか、絞首刑は残虐だから止めて欲しいとか、命は失えば二度と戻らないのに死んでどうやって償えばいいのかとか、死刑囚たちの死刑に対するアンケートには腹立ちを覚えた。
でも、世間から徹底的に遮断された確定死刑囚の生活や、冤罪とされた袴田事件、死刑執行に関わる刑務官たち、名古屋アベック事件の主犯の話とその被害者の父親の話、死刑廃止を目指して活動する人たちなど、色々な視点の話を読んで、自分の中で少し気持ちが揺らぐのを感じた。
恐らく一番の問題は、死刑について国民がほとんど何も知らされず、徹底的に隠されていることなんじゃないかと思う。何も分からないから議論のしようもないし、疑問にも思わないのであって、ありきたりの言葉になるが、まずは知ることで議論が活発になればいいと思った。 -
Posted by ブクログ
インドのトイレ事情についてインドへ特派員として行っていた作者が現地の方のインタビューなどをまとめたルポルタージュ。
家にトイレはなく外で用を足す方がいまだにいるインドだが、トイレを多くの地域に導入するためにトイレを入れた家や地域には補助金などが出る予算をかけた政策が打たれた。だが実際は補助金がもらえないまま排泄物の処理にお金がかかる関係で使われないなどあまり浸透せずに終わってしまった。このトイレがなかなか導入されない理由が経済格差、女性差別、カースト制度によるもので作者は深掘りしていく。
『三つ編み』に登場するインドのカースト制度や女性差別による苦しみがそのまま描かれていて線と線が結びつく場面が多く、とても面白かった。
そして現地の人はカースト制度自体に対して批判的な目で見ておらずその制度の中でも状況を改善することを目指している人が多いことがとても不思議に感じた。ガンディーもカースト制度に対しては批判していないことも1つの発見だった。
星は3.5⭐︎ -
Posted by ブクログ
ま、死刑反対論なんだけど。こういう本も読んどかないといけない。
これ読んでも賛成と言えるから、死刑があるんでしょう。
賛成反対は自分でもわからない。
反対理由が、死刑囚が人権叫んでたりとか、模範囚ってじゃあどれくらいいるのとか、残酷なら残酷でない方法探すんでしょうし、まあ、冤罪どうなのって話もあるけど、海外は死刑だけじゃなく他の制度も含めて検討すべきだろうし、福島瑞穂とか、日弁連とか出してる段階で胡散臭いし。
なんつか、賛成派も反対派も、議論を噛み合わせる気がない感じがする。
ただ、世界に合わせる必要もないながら、なぜ世界的に死刑が減ってきて、それで何が起こっているのかも研究する必要はあるんだろうね。これだけ人の命を大切にする日本が、死刑があるだけで野蛮な国と思われるのも面白くないし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2021/12/23リクエスト2
死刑執行が当日の朝知らされる、というのも、懺悔室があり、そこでかんたんなお菓子飲み物を飲食できることも、何となく知ってはいた。
でも、足元の床が抜け、下に落ちる死刑囚をぶらぶらするのを受け止める係があるとは、知らなかった。
これは、どんなに辛い仕事だろう。
職務的に、かなりの少人数で行い、しかも人に話せない。
このような話が出てくるのは、刑務官が退職後、口を開く人がいるからで、そうでなければ知ることのない世界。
人がここまでのダメージを受けて、それでも絞首刑でなければいけないのだろうか。
改めて大変な仕事につかれている人もいるのだと痛感した。