藤津亮太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
名著……!
三点リーダーと、エクスクラメーションマークに、万感の思いを込めたい。
名著……!
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内容紹介
そういうことだったのか!
富野アニメを見ていた少年期の自分が膝を打ち、
富野アニメを書いていた脚本家の自分が納得する
富野監督解体新書でした。
――大河内一楼(脚本家)
『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』……。なぜその作品には強烈な個性が宿るのか。日本を代表するアニメーション監督の創作の謎を解き明かす!
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「演出の技」と「戯作者」。この二つを入り口にし、その相互関係に迫ることで、アニメーション監督・富野由悠季の姿に迫ることができるのではないか。(「はじ -
Posted by ブクログ
アニメ評論家である著者が演出家・戯作者という観点から富野由悠季を分析した一冊。確かにガンダムをはじめとする作品よりも(特にテクノロジーの進化が目覚ましい近年は)その思想面から語られることが多い富野を敢えてその演出術から語るというのは灯台下暗しというか盲点で新鮮だった。どの章も読み応え抜群。本書のためのインタビュー取材は実施せず(ただし著者は過去に富野への取材経験はある)あくまで作品や過去の文献・発言から富野由悠季という人物に客観的に迫ろうとする試みはまさに評論家の面目躍如。ベクトルや方向性の演出論なんかは一般的によく知られた話ではあるものの、富野作品を例に出しながら説明されると理解も感動も一入
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Posted by ブクログ
2025/06/28〜2025/08/13
TBSラジオ『アフター6ジャンクション』で紹介された『機動戦士ガンダム』の第一話解説がとても良かったので購入。
このくだりに関する記述は出色の出来。
富野由悠季監督のフィルモグラフィを幾つかの時期に分け、時期毎に監督が用いてきた作劇のメソッド(主人公が科学技術を通じて世界に触れる、など)を詳らかにするところも納得感があった。
ただ、一部強引さを感じる部分もあったのも事実。
特に終盤に行くにつれてそのメソッドの解説が少々強引になっているように感じ、最終盤での息切れのようなものを感じた。
今回、筆者の著書を初めて読んだが、この人は文章よりもトーク -
Posted by ブクログ
557p! すごいボリューム!
単行本は2003年扶桑社。
藤津亮太さんは「アニメと戦争」を読んだが、むしろアトロクでなじみ深い人。
20年来の書き手なのだなあ。
富野、押井、庵野あたりの作品論がよかった。
また「WXIII PATLABOR THE MOVIE 3」論は、読めてよかった。
そして最後に位置する「アニメ評論は難しい」で示された、公平さ・倫理観の高さ。これは信頼できる。
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目次
◆文庫版のためのまえがき
■Ⅰ 宮崎駿 風とともに歩む
・パラシュートの白い寂しさ 『ルパン三世 カリオストロの城』★
・二度目のラストシーン 『ルパン三世』
・途切れることのない気持ち ―― 宮 -
Posted by ブクログ
2022-06-11
映画の脚本が出来上がっていく流れを、当事者の証言とともに味わえるという、ファンにとってはご馳走としか言いようのない1冊。
(以下少し『プロメア』や本書のネタバレあり)
『プロメア』の核である(とわたしが思っている)主人公2人が共闘する必然性、2人でなければならず2人であれば十分という描写が、決定稿まで明確でないというのは驚き。特に、リオデガロンのような存在が初稿と改訂第一稿にないとは。
中島さん本人は最終稿に関して「新しいことはしていない」旨言われているが、個人的には初稿の方がいつもの中島節を感じた。
キャラ配置や舞台設定が「髑髏城の七人」に思わせて、そのせいか最初リ -
Posted by ブクログ
あのガンダムの総監督がリアルタイムでTV版ガンダム〜劇場版の制作をしている頃のアツい語録がぎっしり。アニメの制作手法などのエピソードも満載。特にBGMを作曲家に発注するくだりの「彼の場合はもう別の星から来てる男にしゃべられてるって感じだったね」と音楽家に後述されるほどの富野氏の迫力が想起できるだけでガンダムファンは幸せな事だろう。絵ざま、音ざま、といった独特の造語を駆使してガンダムのコンセプトを語る様子など、もうハイテンションで、熱くて、クールな現代に足りないエッセンスが確実に感じれます。ちなみにニュータイプとは?との問いかけには、思考の相乗効果、拡大する洞察力、「誤解することなく理解し合える