幕末に興味を持ったきっかけは、司馬遼太郎の『龍馬がゆく』『燃えよ剣』を読んだことと、鹿児島で維新ふるさと館を訪れたことだった。そこから、幕末の歴史を体系的に理解したいと思って手に取った。
本書のいちばんの特徴は、とにかく読みやすいことだった。かなり砕けた口語体で話がするする入ってくるし、各章の冒頭でそれまでの流れを端的におさらいしてくれるので、複雑な幕末の全体像をつかみやすい。幕末は登場人物も多く、それぞれの立場や思想も変化していくので理解が難しいが、その流れをかなり分かりやすく整理してくれる本だった。
勝海舟、吉田松陰、久坂玄瑞、島津斉彬、井伊直弼、高杉晋作、伊藤博文、土方歳三、西郷隆盛、坂本龍馬、徳川慶喜…。考え方は違っても、自分の藩、ひいては日本を良くしたいという強い思いを抱き、命がけで動いた人たちの熱量に引き込まれた。幕末という時代が面白いのは、そのドラマチックさだけではなく、魅力的な人物同士の出会いによって思想や立場が揺れ、変わっていくところにもあるのだと思った。
鎖国から大政奉還まで、日本がここまで大きく舵を切ったことにもあらためて驚かされた。多くの人の思いや命がけの行動が積み重なって今があるのだと感じると、自分もまた、ただ不平不満を言うのではなく、自分にできることを考えて動かなければいけないと思わされた。
◯心に残った言葉
吉田松陰が処刑のときに詠んだ句
「狂愚まことに愛すべし、才良まことに虞るべし 諸君、狂いたまえ」
(狂って常識がわからないバカは、〝行動〟を起こす愛すべき存在だ。一方、頭だけで考えて理屈を言っていると、何もことを起こさなくなるので恐ろしい)
坂本龍馬の一句
「世の人は 我を何とも 言わば言え 我がなすことは 我のみぞ知る」