瀬戸賢一のレビュー一覧
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言語学者で大阪市立大学名誉教授、佛教大学文学部英米学科教授の著者が、日本語のレトリックのうち、30項目にわけた修辞のレトリックについて、用語用法の説明といくつかの文章を引用した具体例によって解説しています。
本書は言葉をより適切に表現するための技術体系を学びたい人、表現方法に秘められる魅力を知りたい人におすすめです。
言語学などの知識がなくても、すらすら読み進めることができます。
本書は地の文でもさまざまなレトリックが意識的に使われており、著者の遊び心が垣間見えるのが面白い点です。
例えば、逆言法について説明した後に「言うまでもなく」という用法を用いたり、挿入法を説明しているときに、括弧書 -
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この本を読んだことで、これから文学作品を読む上で表現技法上の工夫により敏感になることができそうだ。
また「時間が時間だ」という表現は取り立てて注目することがなかったが改めて考えると非常に不思議な表現であり、それが同語反復法というレトリックを用いた表現であること、そしてことばの意味の変化に歯止めをかけて慣用的な意味を確認する働きがあるということを知って、いかにレトリックが私たちの日常のことばに浸透しているかを思い知らされたし、なんとなく使っていた表現の働きをはっきりと明文化してもらえて腑に落ちて非常に面白く感じた。
日本語に特有の表現技法や柔軟さ、奥深さ、広がりに興味が湧く一冊。 -
Posted by ブクログ
単調になりがちな日本語の文末にバリエーションを持たせるための具体的な解決策が提示されている。
・動詞五段活用の終止形をアクセントに使う。文尾の「る」を避けたいなら、ラ行以外の動詞、デス・マス調の「す」を重ねたくないなら、サ行以外の動詞を現在形で使う。
・補助動詞を上手に使う。「思う」を「思い出す」や「思い浮かぶ」「思い込む」と変化させる。
・現場中継的あるいは実況放送的に表現の主体性を高める場面で非過去形を用いる。
などなど。
著者の引用する文章は、さまざまなジャンルにわたっており、用例研究はさぞ大変だっただろうなと想像する。「文章を書くのが上手くなりたかったら名文を読みなさい」で終わらず -
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【どんな本?】
有名な30個のレトリックを学ぶことが出来る本。
レトリックは大きく「意味のレトリック」「形のレトリック」「構成のレトリック」の3つに分類されている。
❍ 意味のレトリックとは、文字通りではない意味が活躍するレトリック。代表例は「隠喩」や「換喩」
❍ 形のレトリックとは、形の変化がまず目立つレトリック。代表例は「倒置法」や「声喩(オノマトペ)」
❍ 構成のレトリックは、一文を対象とする上2つと異なり、文の集まりである「テクスト(文章)」を対象としている。代表例は、「漸層法」や「パロディー」
【まとめ】
「そもそもレトリックとは一体何なのか?」というところから解説してくれるた -
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>レトリックとは、あらゆる話題に対して魅力的なことばで人を説得する技術体系である。
説得術である西欧社会と修辞学である日本などとレトリックに地域差があるとは思いませんでした。
ジュニア新書らしい分かりやすい内容ですが、勉強になることばかりでした。もしかして国語の資料集等に同等の内容が書いてあったのだろうか…。
レトリックの簡単な説明の後に、代表的な30項目が実際の名著の文章と共に紹介され、最後に実際に文章に活かす方法が説明されます。
レトリックの教科書としてもモチロン素晴らしいのですが、私が好きなのは名文の数々が引用されているところですね。美しい文章がなぜ美しいのかを心ではなく頭で理解で -
Posted by ブクログ
以前、他の本の感想でも書いた記憶がありますが、文章を書く際に迷うのが、「だ・である調」か、「です・ます調」か、という点。
前者では、淡白な表現になりがちで、後者では、「です」で終わることの多いこと多いこと。
文字通り、日本語について回るこの文末の表現は、歴史的観点から見ても、多くのライターを悩ませ、「文豪」と呼ばれるスペシャリストは、エレガントにこれを解決してきました。
この本では、そんな文末に着目し、単調になりがちな結びの部分を、有名作家たちがどう解決しているかを、構造から読み解く作りとなっており、ただ名文を眺めて感慨に浸るのではなく、使いこなせるようにすることを目指しています。
そのた -
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よく伝わる文章の書き方について、文末表現という観点から、言語学者で大阪市立大学名誉教授・佛教大学文学部教授の著者が記したものです。
SV構文をとる英語などと異なり、日本語はデス・マス調ならば「す」、ダ・デアル調ならば「る」、過去ならば「た」が文尾に続いてしまい、単調な文章になりがちです。
この問題の解法として、本書で示されるのが「主体性」と「レトリック」。
例えば、過去形で展開される小説において語りが現在形になると、表現の主体性が高まって、登場人物の五感で感じていることや内心にある思いが臨場感をもって読み手にシンクロさせることができ、現場中継的・実況放送的な表現が可能になるとのこと。
志 -
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日本語の文体について述べられたもので、特に文末表現へのこだわりが強い。文法構造上、日本語の文末は同じような形になりやすいものだ。特に過去の記述になると「た」の連続になる。それを単調だととらえれば、改善すべき課題になるわけだ。
これを避けるための提案が後半でなされる。文章内での主格の移動や、問答体を活用することによる語尾表現の多様化などが挙げられている。文体論はいろいろあるが、語尾にこだわったのがユニークだ。
ただ、逆に言えば意図しなくても文末が揃いやすい日本語は詩的な響きを持ちやすいと言えるのかもしれない。何を意識するかで文章への感じ方は変わる。 -
Posted by ブクログ
文章を書く際に悩ましいのが『文末問題』。単調になりがちな文末を解消するための技法やテクニックを文学小説を引用しながら紹介している本。ネチネチと文末技法を追っていく熱量がすごい本です。
最初の方は難しくて挫折しそうでしたが、ちょっと読み飛ばしつつ読み進めていくと発見があったりして面白くなってきました。引用程度ですが文豪の文末表現を味わえるのもなんだか楽しい。
自分もnoteで文章を書く時には文末表現を多少コントロールしていましたが、ちょっと意識しているくらいです。改めて文末技法について言語化されたものを目の当たりにすると、日本語ってほんとに奥が深いし、無意識に日本語を駆使している日本人もすご