山極壽一のレビュー一覧
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これは物凄い本である。ユヴァル・ノア・ハラリは7万年前にホモ・サピエンスが言葉を獲得した「認知革命」が種の飛躍的拡大の最初の第一歩であると言っている。しかしこの言葉の登場の前に「音楽」があり、社交するリズムがあった。
人類がチンパンジーから分岐し、ジャングルから直立2足歩行で草原に立った700万年前の類人猿の脳の容量は500cc程度でゴリラ・チンパンジー並であった。この当時の群はやはりゴリラ・チンパンジー並の10人から20人であった。
200万年前頃から、人類の脳は大きくなり始めた。この原因は「共感革命」という音楽やリズムによってより多くの人たちと共感できる能力を身につけた事によるという -
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(備忘録なので大したことは書いていません)
18冊しかない寂しい本棚に、今回はいい本が追加できそうだ。いつ買ったのか、どこで見つけたのか分からないが、最後の人以外を読んでいて放置していたのを思い出して、最後の人を読んだあと、もう1回始めから読み見返す気になった。何かしら教訓もあったかと思うが、基本的には興味深いという方向で最高レベルだったため高評価。
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山中先生
超有名人だが、ほとんどパーソナリティについて知らない。カッコ笑い付きで饒舌に語られる様子が文字から伝わる。ただの文字起こしだが、空気感まで十分に伝わってきた。気になった一節はアメリカでは一生研究者でいられるというもの。飛躍するが -
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先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。
もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。
そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指した -
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ネタバレ素晴らしい、著名な方々、偉人を一定人たちが何を考えているかを語ってくれている。
どういう姿勢で物事を捉えているかを話してくれている。
特に初めの二人が良い。
山中先生の苦手なことで挫折したけど、新しくチャレンジして得意なものを突き詰めていって成功するあたりの話は非常に重要。
羽生さんの感性・理論としての将棋の向き合い方も素晴らしい。
自分の好奇心に従ってトコトン突き詰める。この姿勢を大事にしたい。
大事な一歩は自分で決断して移動すると決めたこと
アメリカに行くことで、「こんなにすごい人がいるんだ」「なんだ、自分と同じじゃないか」という2つの現実を知ることができる。
良い研究と同じくらい、どう -
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現代の様々な分野でのスターたちが大学生たちを前に講演する若き頃の話。登場するのはノーベル化学賞の山中伸弥、棋士の羽生善治、映画監督の是枝裕和、京大総長の山極壽一。
彼らは学生たちにとってあこがれの偉人だが、手の届かない別世界の住人ではない。彼らにも「何者でもなかった」無名の時代があった。そのとき、彼らは何を目指し、何に恐れていたのか。
こうした偉人たちの挫折談を聞くと、「ヨシ、オレもまだまだイケるゼ」と思い込み、しばらくすると偉人との才能の違いに愕然とする。若い頃はそんな繰り返しで成長するのだ。コレぞ現実。
山極氏のゴリラ話にインパクトあり。 -
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とりま、生まれ変わるならゴリラのメスがいいかな。
ゴリラに出来る事が何故人間に出来ないんだ、
と歯噛みしたくなるけど、
出来ないから人間なのかな。
「合間」の感覚は日本人としては馴染み深い。
里山大事ね。熊の為にも人の為にも。
熊だけじゃないけど。八百万の神様、好き。
自分に狩猟脳の部分が残っているとは信じがたい。
農耕民族だと思っていたけど、人類の歴史的には狩猟で暮らしを立ててきた時代の方がずっと長いんだね。
所有しない時代に向かっている、というのはなんとなく分かる。私も予定より早く車を手放すかもしれない。ミニマリストにはなれないが。
東山動物園のイケメンゴリラに会いに行きたい。
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Posted by ブクログ
世界で名高い霊長類研究家の山極先生からみた生物としての人間が書かれていて興味深かったです。
ゴリラやチンパンジー、オランウータンと人間の違いについて。
共感→同情→コンパッション
共感ー相手に共鳴し、相手の気持ちがわかること
同情ー進んで自分から助けることが相手のためになることを理解すること
コンパッションー1人ではなく、みんなで助けようという気持ちが湧いてくること
共感はサルでもできるそうだから同情、コンパッションは人間でしかできないそうです。
その人間にとってすばらしい能力が今とても弱くっているのを私も感じます。
みんなが他者対してとても関心が薄くなっている、個々の世界にとても -
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組織や社会について「何が」、「なぜ」必要かを人類史から学ぶ1冊。
社会的所属を喪失していない人は、必ず何らかの共同体に属している。それは、例えば仕事やサークル、コミュニティーやボランティアなど。
それらの持続可能性を高めたり、例えば収益性を高めたりするのに、さまざまな組織開発や人材開発、組織づくりなどの手法が世の中には溢れている。
例えば、焚き火をすることや、会議をする際にチェックインをする、人材のラダーを作成し給与配分を決めるなど。これは、人類が共同体を始め、農耕社会に移行した際の変化を見ていくと大きな気づきがある。
それと同時に、共同体の当事者としてのヒントにも溢れている。
改めて本 -
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ネタバレ是枝監督のファンなので読みました。
天才5人がみんなと同じ人間だということを実感してもらうための書籍とのことでしたが、やはり5人とも若くから頭角を現しているように思う。
以下、備忘録。
山中伸弥
・iPS細胞のiはiPhoneをパクって小文字にした
・アメリカではみんな「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれた。
日本では「こういうやり方ではダメだ」と忠告の方が多い。ディスカッションで大事なのは、身分の上下があっては絶対にいけない。
・学生時代に海外に行って欲しい。
・20代の失敗は宝物。財産。失敗してでも夢中になれることを見つけて欲しい
羽生善治
・様々な物差しを身につける。3年 -
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どの人もさすが第一線で活躍されている方。こんな風に歳をとりたい。
山中伸弥…20代はなんでもいいから失敗してでも打ち込めるものを見つけて貰いたい。それと体力は裏切らない。
羽生善治…失敗を挽回できないほど重ねないこと。ミスを重ねないためには「その時点から見る」という視点が大事。「次の一手から始まる」とその場に集中していく。様々な物差しを持つと何かに挑戦する時に必要以上に不安にならないし考えすぎない。結果だけを求めると上手くいかず苦しくなることもあるが、プロセスの中で「面白い!やって良かった」という感動を見つけられることが挑戦を続けることの支えになる。挑戦をスムーズに続けるにはどこまでアクセ