山極壽一のレビュー一覧
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これは物凄い本である。ユヴァル・ノア・ハラリは7万年前にホモ・サピエンスが言葉を獲得した「認知革命」が種の飛躍的拡大の最初の第一歩であると言っている。しかしこの言葉の登場の前に「音楽」があり、社交するリズムがあった。
人類がチンパンジーから分岐し、ジャングルから直立2足歩行で草原に立った700万年前の類人猿の脳の容量は500cc程度でゴリラ・チンパンジー並であった。この当時の群はやはりゴリラ・チンパンジー並の10人から20人であった。
200万年前頃から、人類の脳は大きくなり始めた。この原因は「共感革命」という音楽やリズムによってより多くの人たちと共感できる能力を身につけた事によるというのだ。この共感革命を経ると、人類は出アフリカによってユーラシアやジャワ島などに広がっていくことになるのだ。
言葉を獲得した7万年前以降、人類の脳の容量は増えておらず、3万年前まで生存していたネアンデルタール人の方が脳の容量が多かった。つまり言葉の獲得により記憶を外部に保存できるようになると、脳の容量の増加はストップしているのである。
つまり、人類にとって決定的に重要な変化は、認知革命の前に「共感革命」があったということである。
とても腑に落ちる、素晴らしい見解である。
ただ、今後の人類の未来については、どうも抽象の世界なので、「人新生の資本論」的な曖昧さになってしまうのはやむを得ないところであり、この本の価値を減ずるものではないだろう。
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Posted by ブクログ
(備忘録なので大したことは書いていません)
18冊しかない寂しい本棚に、今回はいい本が追加できそうだ。いつ買ったのか、どこで見つけたのか分からないが、最後の人以外を読んでいて放置していたのを思い出して、最後の人を読んだあと、もう1回始めから読み見返す気になった。何かしら教訓もあったかと思うが、基本的には興味深いという方向で最高レベルだったため高評価。
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山中先生
超有名人だが、ほとんどパーソナリティについて知らない。カッコ笑い付きで饒舌に語られる様子が文字から伝わる。ただの文字起こしだが、空気感まで十分に伝わってきた。気になった一節はアメリカでは一生研究者でいられるというもの。飛躍するが人生を楽しむためのツールとして、子供心や遊び心はいつまでも忘れたくないものだ。それらを持ってる人で、かつ何かしらで成功を収めている人に憧れる。
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山極先生
全然知らない人だが、進化論で社会学を解き明かそうとする研究者の経験が興味深い。具体的には餌づけならぬ、人づけという手法の内容自体が興味深かった。人間になつくゴリラ、想像するとなんて微笑ましいのだろう。ゴリラの衝撃の事実┌(┌^o^)┐ホモォ -
Posted by ブクログ
先に読んだ続編もそうそうたる人たちだったけど、本書はそれを上回るような山中伸弥、羽生善治、是枝裕和、山極壽一というすごい面々。ま、男性ばかりという点では、女性と男性が2人ずつだった続編のほうがバランス的にいいけどね。
もともとは永田和宏さんが教鞭をとる京都産業大学で学生向けに開いた講演会を本にしたもの。ホストの永田さんはすごい面々に、失敗を語ってほしいと依頼したとか。失敗を語ってもらうことで、学生たちに身近に感じてもらい、そうすることで「この人のようになりたい」というあこがれやロールモデルを見出してもらうようにしたいとの思いから。
そういえば書中で、たしか永田さんが、最近の若い人たちは目指したり尊敬する対象がいないんじゃないかみたいなことを述べていて、ふと思ったことがあった。最近……でなくてもここ20年くらい、「尊敬するのは親」なんてのたまう若者が増えてきた気がする。これが以前だったら、歴史上の偉人とか身近でも恩師のような立場の人が挙がっていた気がするんだけど……。こういう傾向も永田さんの懸念とシンクロしていると思う。
4人ともすごいんだけど、確かに身近に思えてくる。すごく頑張るのではなく、目の前の状況を受け入れ、その場その場でちゃんとやってきたということなのかなあ。
講演の後に永田さんとの対談があるんだけど、これがすごくいい。ゴリラの研究をしてきた山極さんのところで、コミュニケーションの何たるかに触れているんだけど、まさに一人でしゃべるのと会話のやり取りをするのとの違い……というか、意味ある会話の魅力が詰まっている。 -
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ネタバレ素晴らしい、著名な方々、偉人を一定人たちが何を考えているかを語ってくれている。
どういう姿勢で物事を捉えているかを話してくれている。
特に初めの二人が良い。
山中先生の苦手なことで挫折したけど、新しくチャレンジして得意なものを突き詰めていって成功するあたりの話は非常に重要。
羽生さんの感性・理論としての将棋の向き合い方も素晴らしい。
自分の好奇心に従ってトコトン突き詰める。この姿勢を大事にしたい。
大事な一歩は自分で決断して移動すると決めたこと
アメリカに行くことで、「こんなにすごい人がいるんだ」「なんだ、自分と同じじゃないか」という2つの現実を知ることができる。
良い研究と同じくらい、どう講演で発表するかが重要。
何をしたら正解というのはないが、何もしないというのだけはやめてほしい。なにか打ち込めることを見つけて欲しい。
誰でもミスはする。その後にミスを重ねて傷を深くしないことが大事。「今、初めてその局面に出会ったのだとしたら」というその時点から見る姿勢が必要。
挑戦には「様々な種類のものさしを持つ」事が大事。これを持てば不安にならずに進める。
挑戦に結果を求めると上手くいかない時に苦しさが出る。そのプロセスの中に「面白い、価値がある」という感動を見つけられることが原動力になる。
新しいアイデアは実はあまりなく、今までにあるアイデアとアイデアを過去に例がない組み合わせで用いている、事が多い
情報化社会により、スタートラインに立つための情報量のハードルが高くなっている。
手堅い手法を続けることは、短期的にはリスクは低いが、長期的にはリスクが高い。挑戦することが安全策の場合もある。
冒険や小さな挑戦、身近で未知なるものに出会う機械を求めることが大事。
レンズ、カメラを通すことで、普段そこにあるけど見ていないものに気づくことができる。
自分にしかできないことを探す、他人にできることはその人に任せる。
諦めなけれはいつか何らかの方法で叶う、だけどいい塩梅で見極めることも大事。「いい加減にしよう」と言ってくれる友だちがいれば良い -
Posted by ブクログ
とりま、生まれ変わるならゴリラのメスがいいかな。
ゴリラに出来る事が何故人間に出来ないんだ、
と歯噛みしたくなるけど、
出来ないから人間なのかな。
「合間」の感覚は日本人としては馴染み深い。
里山大事ね。熊の為にも人の為にも。
熊だけじゃないけど。八百万の神様、好き。
自分に狩猟脳の部分が残っているとは信じがたい。
農耕民族だと思っていたけど、人類の歴史的には狩猟で暮らしを立ててきた時代の方がずっと長いんだね。
所有しない時代に向かっている、というのはなんとなく分かる。私も予定より早く車を手放すかもしれない。ミニマリストにはなれないが。
東山動物園のイケメンゴリラに会いに行きたい。
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Posted by ブクログ
世界で名高い霊長類研究家の山極先生からみた生物としての人間が書かれていて興味深かったです。
ゴリラやチンパンジー、オランウータンと人間の違いについて。
共感→同情→コンパッション
共感ー相手に共鳴し、相手の気持ちがわかること
同情ー進んで自分から助けることが相手のためになることを理解すること
コンパッションー1人ではなく、みんなで助けようという気持ちが湧いてくること
共感はサルでもできるそうだから同情、コンパッションは人間でしかできないそうです。
その人間にとってすばらしい能力が今とても弱くっているのを私も感じます。
みんなが他者対してとても関心が薄くなっている、個々の世界にとても閉じていっているように強く働いてスタッフに感じます。
自分が良ければよい、相手のことは興味がありません。自分の邪魔にならなければどうぞおかまいなく。
というふうに。
情報が溢れているけれどそれを取捨選択しすぎて結局自分の気持ちのいい世界で浸っている状態なのでしょう。
それを打破するには?
山極先生は共感力を育てるにはとにかく移動することだと。
地域や国や血縁などを越えて多くの人を触れ合うことでもっとボーダーレスなつながりをもっていくことの大切さを問うているのではないかと思いました。
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Posted by ブクログ
組織や社会について「何が」、「なぜ」必要かを人類史から学ぶ1冊。
社会的所属を喪失していない人は、必ず何らかの共同体に属している。それは、例えば仕事やサークル、コミュニティーやボランティアなど。
それらの持続可能性を高めたり、例えば収益性を高めたりするのに、さまざまな組織開発や人材開発、組織づくりなどの手法が世の中には溢れている。
例えば、焚き火をすることや、会議をする際にチェックインをする、人材のラダーを作成し給与配分を決めるなど。これは、人類が共同体を始め、農耕社会に移行した際の変化を見ていくと大きな気づきがある。
それと同時に、共同体の当事者としてのヒントにも溢れている。
改めて本書を読んで重要に思う3つの問い
①共感と言葉や社会との関係性は?
②狩猟採集社会から農耕社会に成り変わったことは?
③これからの共同体に必要な役割や機能は?
①共感は小さなコミュニティーでとても重要で感性のコミュニケーション。一方で、言葉はそのコミュニティーを超えて伝わる手段。いずれも、コミュニケーションの手段であり、それぞれのコミュニティーや場面に適したコミュニケーションが重要で、上手くいかない時はもう一方が不足しているかもしれない。特に、言葉の獲得以降、感じるよりも考える特性が高まってきているので、伝わらない時は考え過ぎていないかを振り返るのが大切。
医療現場ではもちろん、経営や組織づくりについても同じことが言えます。�”人間は言葉の獲得によって、感じる動物から考える動物に変わった。”
②農耕時代は、人が定住を始めた時期ととても近い。また、言葉が獲得された後でもあり、言葉をもとに農耕の技術が拡散、継承されていった。それによって、その土地の生産量が高まり、土地に価値が生まれ所有により格差が生まれていった。また、食糧が増えることで人口も増え、狩猟採集社会にはない役割も増えていった。
③徒歩圏内で育児や食、四季の彩りや祭事、家族の成長や変化を、楽しみ、喜び、時には悲しみを分かち合い、支え合うような共同体的暮らしを営んでいきたいです。
また、仕事とするとオンライン化が進み、本書にあるように遊動しながら新たなコミュニティーが生まれてくると思います。
ただ、いずれも拡大し続けるのはリスクでもあり、ダンバー数にあるような数が一つの参考になると思います。
いずれにせよ広すぎず、固定化せずリアルの感性を大切に。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ是枝監督のファンなので読みました。
天才5人がみんなと同じ人間だということを実感してもらうための書籍とのことでしたが、やはり5人とも若くから頭角を現しているように思う。
以下、備忘録。
山中伸弥
・iPS細胞のiはiPhoneをパクって小文字にした
・アメリカではみんな「素晴らしい研究だから頑張れ」と励ましてくれた。
日本では「こういうやり方ではダメだ」と忠告の方が多い。ディスカッションで大事なのは、身分の上下があっては絶対にいけない。
・学生時代に海外に行って欲しい。
・20代の失敗は宝物。財産。失敗してでも夢中になれることを見つけて欲しい
羽生善治
・様々な物差しを身につける。3年かかって英語を身につけたら3年の物差し、1週間で竹馬をマスターしたら1週間の物差し。
・棋士になって、コマを動かす楽しさは捨てなければいけなかった。
是枝裕和
・講演が苦手。1人で喋るのが苦手。
・1960年代のテレビドキュメンタリーに権力の抑圧を受けて歪められた姿がみえる
・英語が苦手
・小説家になりたい
・学生時代、サークルは入らなかった
・大学在学中から映画を撮りたいと思っていた。映画を見まくっていた。
・協調性がなかった。大人を信用していなかった。
・クイズ番組、旅番組、情報番組を1年目にやらされてくだらないとしか思えなかった。
・自分は全く役に立たないと悩んでいた。初めてディレクターとして「地球ZIGZAG」という体験型ドキュメンタリーを作った。
・1本目でやらせをした。演出というものに自覚的になった。
・先入観が崩れることが面白い。面白いことが起きてると感じる反射神経が最も求められること。
・映画は自己表現じゃない。
何かをじっと見ている表情を、見ている先を映さずに撮ると、何を見ているのかを含めて観客はフレームの外を想像し、人物の内面に寄り添う。
・映画を観てる人が、分かってくれるだろうという信頼感がないと説明に走ってしまう。テレビはながら見でも分かるように作るが、地球ZIG ZAGのプロデューサーからは「誰か一人に向けて作れ」と言われた。彼女でも母親でも。それが今も役に立ってる。
・自分の映画で取り上げたものが日常に戻った時にちょっと違って見えるようになるよう意識している
・普段自分たちは全然物事をみていない。カメラは世界を発見する道具と子供たちにも教えている。
・巡るというのが好き。楕円時間。1年経って桜が咲いているが去年のものとは違う。少し成長、進んでいる。
登場する人物にも変化が生まれる。
・悪を排除して解決出来ることなんて大して問題じゃない。
神もいないと思ってるので、グレーゾーンの中で物語を作り続けたい。