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「認知革命」よりも前に起きた「共感革命」とは何か? 共感が世界を作り、そして今、共感が世界を破壊しようとしている。人類史の知られざる革命から見えた、本当の人類の姿とは?
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Posted by ブクログ
これは物凄い本である。ユヴァル・ノア・ハラリは7万年前にホモ・サピエンスが言葉を獲得した「認知革命」が種の飛躍的拡大の最初の第一歩であると言っている。しかしこの言葉の登場の前に「音楽」があり、社交するリズムがあった。 人類がチンパンジーから分岐し、ジャングルから直立2足歩行で草原に立った700万...続きを読む年前の類人猿の脳の容量は500cc程度でゴリラ・チンパンジー並であった。この当時の群はやはりゴリラ・チンパンジー並の10人から20人であった。 200万年前頃から、人類の脳は大きくなり始めた。この原因は「共感革命」という音楽やリズムによってより多くの人たちと共感できる能力を身につけた事によるというのだ。この共感革命を経ると、人類は出アフリカによってユーラシアやジャワ島などに広がっていくことになるのだ。 言葉を獲得した7万年前以降、人類の脳の容量は増えておらず、3万年前まで生存していたネアンデルタール人の方が脳の容量が多かった。つまり言葉の獲得により記憶を外部に保存できるようになると、脳の容量の増加はストップしているのである。 つまり、人類にとって決定的に重要な変化は、認知革命の前に「共感革命」があったということである。 とても腑に落ちる、素晴らしい見解である。 ただ、今後の人類の未来については、どうも抽象の世界なので、「人新生の資本論」的な曖昧さになってしまうのはやむを得ないところであり、この本の価値を減ずるものではないだろう。
とりま、生まれ変わるならゴリラのメスがいいかな。 ゴリラに出来る事が何故人間に出来ないんだ、 と歯噛みしたくなるけど、 出来ないから人間なのかな。 「合間」の感覚は日本人としては馴染み深い。 里山大事ね。熊の為にも人の為にも。 熊だけじゃないけど。八百万の神様、好き。 自分に狩猟脳の部分が残っ...続きを読むているとは信じがたい。 農耕民族だと思っていたけど、人類の歴史的には狩猟で暮らしを立ててきた時代の方がずっと長いんだね。 所有しない時代に向かっている、というのはなんとなく分かる。私も予定より早く車を手放すかもしれない。ミニマリストにはなれないが。 東山動物園のイケメンゴリラに会いに行きたい。
世界で名高い霊長類研究家の山極先生からみた生物としての人間が書かれていて興味深かったです。 ゴリラやチンパンジー、オランウータンと人間の違いについて。 共感→同情→コンパッション 共感ー相手に共鳴し、相手の気持ちがわかること 同情ー進んで自分から助けることが相手のためになることを理解すること ...続きを読むコンパッションー1人ではなく、みんなで助けようという気持ちが湧いてくること 共感はサルでもできるそうだから同情、コンパッションは人間でしかできないそうです。 その人間にとってすばらしい能力が今とても弱くっているのを私も感じます。 みんなが他者対してとても関心が薄くなっている、個々の世界にとても閉じていっているように強く働いてスタッフに感じます。 自分が良ければよい、相手のことは興味がありません。自分の邪魔にならなければどうぞおかまいなく。 というふうに。 情報が溢れているけれどそれを取捨選択しすぎて結局自分の気持ちのいい世界で浸っている状態なのでしょう。 それを打破するには? 山極先生は共感力を育てるにはとにかく移動することだと。 地域や国や血縁などを越えて多くの人を触れ合うことでもっとボーダーレスなつながりをもっていくことの大切さを問うているのではないかと思いました。
組織や社会について「何が」、「なぜ」必要かを人類史から学ぶ1冊。 社会的所属を喪失していない人は、必ず何らかの共同体に属している。それは、例えば仕事やサークル、コミュニティーやボランティアなど。 それらの持続可能性を高めたり、例えば収益性を高めたりするのに、さまざまな組織開発や人材開発、組織づくり...続きを読むなどの手法が世の中には溢れている。 例えば、焚き火をすることや、会議をする際にチェックインをする、人材のラダーを作成し給与配分を決めるなど。これは、人類が共同体を始め、農耕社会に移行した際の変化を見ていくと大きな気づきがある。 それと同時に、共同体の当事者としてのヒントにも溢れている。 改めて本書を読んで重要に思う3つの問い ①共感と言葉や社会との関係性は? ②狩猟採集社会から農耕社会に成り変わったことは? ③これからの共同体に必要な役割や機能は? ①共感は小さなコミュニティーでとても重要で感性のコミュニケーション。一方で、言葉はそのコミュニティーを超えて伝わる手段。いずれも、コミュニケーションの手段であり、それぞれのコミュニティーや場面に適したコミュニケーションが重要で、上手くいかない時はもう一方が不足しているかもしれない。特に、言葉の獲得以降、感じるよりも考える特性が高まってきているので、伝わらない時は考え過ぎていないかを振り返るのが大切。 医療現場ではもちろん、経営や組織づくりについても同じことが言えます。�”人間は言葉の獲得によって、感じる動物から考える動物に変わった。” ②農耕時代は、人が定住を始めた時期ととても近い。また、言葉が獲得された後でもあり、言葉をもとに農耕の技術が拡散、継承されていった。それによって、その土地の生産量が高まり、土地に価値が生まれ所有により格差が生まれていった。また、食糧が増えることで人口も増え、狩猟採集社会にはない役割も増えていった。 ③徒歩圏内で育児や食、四季の彩りや祭事、家族の成長や変化を、楽しみ、喜び、時には悲しみを分かち合い、支え合うような共同体的暮らしを営んでいきたいです。 また、仕事とするとオンライン化が進み、本書にあるように遊動しながら新たなコミュニティーが生まれてくると思います。 ただ、いずれも拡大し続けるのはリスクでもあり、ダンバー数にあるような数が一つの参考になると思います。 いずれにせよ広すぎず、固定化せずリアルの感性を大切に。
ゴリラの研究で有名な山極先生の著書。人類が生物として、過酷な競争に打ち勝ち、文明を築いたのは「共感」がベースになっていた。しかし今、その共感(狭い共感)が、戦争や格差を生み出し、人類を滅ぼそうとしているという主張。後半は、どこかで間違えてしまった選択を振り返り、反省し、修正しなければならないが、メタ...続きを読むバースやChatGPTは、その反省を阻害する技術だという主張。同じ類人猿の事例を引き合いにしながらの解説はとてもわかりやすい。共感の使い方を間違えないようにするということは、身近な場(家庭、会社、地域やコミュニティ)でもとても重要だと認識。
共感が人類の原点。動く自由。集まる自由。対話する自由という3つの自由を上手くつなぎながら小規模な集団をつなぎ、より良い未来を作ろう。勉強になった。
論点には概ね共感するものの、多くの内容は筆者の主観に基づく印象でした。 p206 言葉は、世界を切り取って名前を付け、それらを組み合わせて物語化し、その物語を共有することによって文化をつくり上げ、巨大な虚構を築いた。
誰しも幼少期に集団で遊ぶことで個人ごとに習得する共感力。昨今の戦争やSNS被害などは、もともと小さい集団で人間が生きていくために必要であった能力の乱用と言える。協力、共感、共創、人間が人間として生きていくのは必要な理由はなぜか、その解説。
類人猿研究の知見を基にした、現代社会/人類への提言。ただ著者の主張が私には読み取りづらかった・・・。
最近仕事をしていて思うことがある。それは、仕事に追われ自分のことしか見えていない人が、多い。 仕事は、お金を稼ぐためのものなのでそれでいいんだと思う人がいても良いと思う。けれども、一人でできる仕事には限りはある。一緒に仕事をしてるのであれば、皆で一緒に考えて一緒に成長していくほうがいいのでは?と思...続きを読むっており、その原因は共感する力が衰えているのでと思いこの本を読みました。 内容は、人類学的な視点とゴリラ等の生物学的な視点の2つの視点で共感について描かれています。 人類学のところは、専門語が多くまた同じ文章の引用が多く少し読みにくい文章でした。 しかし、私が悩んでいる会社組織の共感する力の衰えている原因が、分かってスッキリしました。 共感とは、相手の気持ちがわかることです。 この共感の上位互換として同情が存在します。 この同情とは、共感したうえで進んで自分から助けることが相手のためになるとわかったうえで行動をすることです。 この同情は、相手と自分の間に知識や能力の差があることを理解ができないと生まれない感情である。 この同情の更なるの上位互換が、視線共有である。 視線共有は、一人ではなく、皆で助けようという気持ちが湧いてきて、誰かがある方向を指差したとき、その方向にみんなが目を向け、その時に何が起こっているかを瞬間的に共有できることである。 まずは、共感を増やすことから始めることでグループの結束は深まっていくので、共感にアンテナをはって仕事に取り組みゆくゆくは視線共有できるような人になりたいと思いました。
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