黒澤はゆまのレビュー一覧
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この作者さんたら
戦国時代の文献を調査するだけじゃ
飽き足らずに実作しちゃった!
当時使っていたであろう材料を調べ
できるだけ近いものを使って。
こういう研究スタイル好きだなぁ
と思ったら…研究者じゃなくて小説家なんだ!
戦国時代くらいはまだ
戦いが始まれば農民も駆り出されたり
農地もそんなに豊かじゃないから
領主がめっちゃいいものを食べてたかというと
そうでもないみたいですね。
でも、干し飯とかズイキに汁を吸わせて乾燥させた
戦国インスタントスープとか当時の工夫も面白い。
あと、井伊直政が薄味だから醤油が欲しいと言って
居並ぶ猛者に叱られたエピソードが
なんか印象に残ったわ。 -
Posted by ブクログ
家康の治世に、九度山に流刑となった真田昌幸とその稚児千手主軸とした話。昌幸もかつては信玄の稚児であり……うん、まぁ衆道というか、男の道っていうか、男性が成人に至るまでの通過儀礼であり、少年の一瞬で消える美しさへの愛である。BLじゃないし、ゲイでもないし、バイかと言われても悩む。性的嗜好とはまたことなる何かにも見えるが、さてどうなんだろ。
千手をかわいらしくて魅力的なのか、御しやすい駒と感じるかで、印象が変わる気がする。個人的には、昌幸の稚児時代は危うい美しさだし、そこから年を重ねて老年に至る昌幸は魅力的だと思うけれど、それに比べると千手は書割っぽいなぁという印象。単純に昌幸が好みすぎるの -
Posted by ブクログ
ネタバレ統一してからの劉邦を宦官の視点から見る
という設定に心ひかれました
呂稚の行う非道な行為については事前知識があったので
覚悟はしていたのですがやはり物語の中に組み込まれると
厳しいものがありました
どこかで歯止めがきかなかったのかなと・・・
そして宦官視点ですが自分は宦官は性と切り離された存在と
思っていたので虐待の内容や性の相手をするということに
衝撃をうけました
老爺になった主人公が過去を話していく、というスタイルだったので
暗い描写も奥底まで沈まずに一定の所で踏みとどまっていて
それがすごく良かったと思います
全体に漂う妖しい香りが鼻奥に漂ってきそうな作品でした
同じ作者さんでや -
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Posted by ブクログ
英雄・劉邦と、その息子の恵帝に仕えた宦官。
歴史の表舞台には出てこない人物の視点から昔語りがされていきます。
劉邦が項羽を破り漢の初代皇帝となった4年後、
わけあって宦官となった幼い美しい少年、小青胡と張釈が出逢う。
宮殿での過酷な生活のなか、ふたりは互いをかばいあうように
念友の契りをかわす。のちにふたりは呂后の寵愛を受けることになります。
青い目をもつことから呂后に小青胡と名付けられる主人公ですが
劉邦がかれを気に入り、息子の盈(のちの恵帝)に与えます。
小青胡が、年も近くまっすぐな少年である主に惹かれていく様子があまりにもまぶしくて、
その後の悲劇との対比、そして呂后とその腹心となった