仲新城誠のレビュー一覧
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沖縄唯一の保守系新聞社である八重山日報の記者によるオール沖縄の分析。沖縄本島とは異なる最前線の八重山からオール沖縄の10年間の軌跡を追い、その政治姿勢を断罪する。特に翁長雄志氏の変節(政治権力を掌握したいがため)については、翁長政俊氏の著書とも通じるところがある。
著書から見たオール沖縄とは、「沖縄を日本から分断し、非武装中立化することで平和を実現することを究極の目標とする、一つの確固とした思想であると言える」であり、その行動原理は、「軍事的な抑止力を否定すること、その帰結として沖縄と日本の分断を志向すること)と指摘。また、辺野古移設反対は、「オール沖縄を集票マシーンとして機能させるため、選挙用ツールとして開発された公約」としている。そして、沖縄二紙(琉球新報、沖縄タイムス)は、「オール沖縄県政をアシストし、事実上の宣伝戦を担う・・・県政と沖縄メディアが二人三脚で世論形成に影響を及ぼし、選挙結果を左右するという構図が、沖縄ではすっかり定着している」と分析している。
そのための言論ツールとして、沖縄ヘイト、知事バッシング、新基地建設(既にキャンプシュワブという基地は存在)という神話的なナラティブを活用。盛んに言う県民投票で示された民意も選択肢を反対に寄せる形で保守の意見を遮って、沖縄メディアが保守の正論を攻撃する形で実施(そして保守の先島や辺野古がある名護市の久辺三区始め投票率は低い)。そして、外交による解決を言うが、国益に反する演説を国連等でするだけで、肝心の尖閣問題では中国に会っても何も言わない。
こうした行動の背景にあるのは抑止力の否定ないしは軽視である。このため、自衛隊の南西配備や米軍の活動のみならず、特定利用空港・港湾を含む政府や米国の取組に反対し、結果として中国を利する形となっている。著書は、これを)県の方針はむしろ、有事の際の宮古、八重山住民を危険にさらす」と批判。また、辺野古を国際問題化し、尖閣に何も言わない地域外交についても、「下手をすると中国の駒として利用され、日本弱体化の先兵にさせられる危険性だってある」と指摘する。
そして辺野古移設決定以来、淡々進んでいた流れを止めオール沖縄を作る潮流を形成した張本人を鳩山の最低でも県外の発言に起因するとしている。
結果としてオール沖縄のメリットを受けたのは看板架け替えに成功した共産党や社民党であり、県の前向きな歩みが10年ストップしただけ。コロナ禍による観光・経済への打撃で利用されていた中道・保守が覚醒して昨年六月の県議選の結果につながる。
著書は、沖縄の他道府県と比べた最大のアドバンテージは、万国津梁という言葉に象徴されるアジアの玄関口ということ。また、宜野湾市長の佐喜真氏の「好むと好まざるとに関わらず、沖縄は現在、安全保障に重要な地域となっている。琉球王国以来、今ほど日本にとって沖縄の重要性が高まった時期はない。これをチャンスととらえ、沖縄から本土に向けた新たな発信や提案があっても良いのではないか」という言葉も紹介されている。このような発想の元、抑止力を維持しつつ沖縄が発展して行くことを願いたい。
上記のほか、本島の離島に対する差別意識(琉球政府は搾取をした張本人)の議論や米軍基地は国際交流や英語力強化の観点から一つの資産となるといった主張も目からうろこで面白かった。
偏る傾向にある沖縄の議論について貴重な視座を提供してくれた筆者に感謝したい。
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Posted by ブクログ
右翼新聞と呼ばれている八重山日報編集長が書いた、沖縄の話。翁長知事のこと、沖縄メディアのこと、沖縄における教育のことなど、客観的によく調査・分析し、論理的にわかりやすく述べていると思う。知らないことが多かった。本土では、過激派や左翼による活動が低調になってきているが、沖縄ではかなりの影響力をもっていることがわかる。著者のように、将来の沖縄や日本のことを真剣に考え、厳しい環境下でも積極的に行動している人を応援したい。
「(辺野古移転賛成派に対し)「尖閣を守るためには、現時点では米軍の抑止力が必要だ。尖閣に近い沖縄本島に米軍がいることが、最大の抑止力になる」そう明言すれば、県内移設が必要な理由として、危険性の除去より、よっぽど説得力があったはずだ。少なくとも建前としては、それこそ米軍基地が県内でなくてはならない唯一最大の理由なのだから」p46
「(中国公船の活動と反対派の抗議活動)両者に通底しているのは「口で分からないならこぶしで分からせる」というテロリストの論理である」p75
「「沖縄が日本を守っている」という認識は、尖閣を抱える八重山に住む私達にとっては当然のことのように思える」p87
「歴史的には、沖縄の人たちは沖縄戦を通じ、むしろ国や郷土を愛する心や勇猛果敢さを発揮した」p100
「私が教員時代、小学5年生を担当した時に「国歌を書いて」と言ったら、書けた子は一人もいなかった。好きな国を聞いたら、日本を挙げた児童は約50人のうち3人しかいない。教育の影響力は大変だ、とつくづく思った」p275
「(国土面積の0.6%にすぎない沖縄に、国内の米軍専用施設の73.8%が集中し、依然として過重な基地負担が県民生活や県の振興開発にさまざまな影響を与え続けている(翁長知事))何よりも願うのは、平和で、豊かで、自由な日本を50年後、100年後の次世代に引き継ぐことである。国土面積のわずか0.6%にすぎない沖縄であっても、その理想を実現するため、どの都道府県にも負けない大きな役割を果たすことができる。それは県民の誇りだ」p277 -
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ネタバレ◎反基地イデオロギー県政の終焉
沖縄県で発行してる保守系新聞社・八重山日報の論説主幹・仲新城誠氏の著書。
翁長前知事から始まり玉城デニー現知事に引き継がれた反基地イデオロギーを掲げた「オール沖縄」という保革合わさった団体が実際やっている事の矛盾、奇妙さ、無駄さについて言及。
次いで、沖縄タイムス、琉球日報のオール沖縄寄りの偏向報道についても書かれていた。
「オール沖縄」が沖縄県政を10年停滞させたとも。
本州在住の自分は、辺野古に基地を新しく建てるというニュースを見聞きして、綺麗な海を埋め立ててまで新しい基地を作るなんて国と米軍は残酷なことをするもんだ。なんて思っていたわけですが、そんな感想が出る事こそオール沖縄の思う壺だった訳ですね。
基地がある事のリスクと基地があることによって得られているベネフィットのバランス。
国防の最前線として見る八重山諸島。
離島と本島の国防に対するの意識の違い。
10年にも及ぶオール沖縄県政により翻弄された沖縄県民達の選挙から読み取る本当の民意とは。
様々に考えさせられました。
奇しくも、この本を読んでる最中に石垣市長選があり、現職の中山義隆氏が再選を果たしました。
これも一つの民意なのでしょうね。
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Posted by ブクログ
百田尚樹が琉球新報と沖縄タイムスを名指しで「つぶさなあかん!」と発言したことは、あきらかな暴言だと思うが、事実として県民のほとんどがこの2紙しか購読していない状況は問題だと思う。
2紙とも安全保障問題、基地問題に関しては同じ立場だ。親中反米。この主張に反論しようとするメディアが沖縄にはほぼない。この2紙しかないから沖縄県民が親中反米なのか、親中反米の沖縄県民がこの2紙を支持しているから、この2紙の寡占状態のなのか、よくわからないが、異論が出てこようものなら封じ込める、叩きのめす土壌というのは健全じゃない。
やっぱり朝日があって、読売があって、毎日や産経があって、社説を競っているような状態のほうが健全じゃないか。朝日しかない地域ってのも嫌だし、読売しかない地域も嫌だ。
メディアの責任として、異なる意見を同列併記して、判断は県民に委ねるというのが正しい姿勢だと思う。2紙にはそれがない。県民を一方向へ誘導している。
赤旗新聞なら、それでいい。党員が読むんだから偏っていて当たり前。新聞という名の広報紙だから。でも琉球新報と沖縄タイムスが赤旗と同じ編集方針ではいけないだろう。
自分は「オール沖縄」と言って、県民の意見をひとくくりにするような知事の発言が、前々から気味悪く思っていた。あんなに大きな県で、県民の総意なんてものがそう簡単に醸成されるのはおかしい。もっといろんな意見が県民の中にもあるはずだと思う。
この本の著者は八重山日報という、発行部数わずか6千部ほどの小さな新聞の編集長だ。
八重山諸島は中国の軍事的な海洋進出の最前線にある。沖縄本島とはその危機意識がまるで違う。自衛隊もアメリカ軍も必要不可欠だと思っている。そして、ここも沖縄県の一部だ。離島は沖縄県じゃないと知事がいうなら筋は通るが、少なくとも「オール沖縄」に与しない県民がいることは確かだ。
この本の発行元は産経新聞社なので、立ち位置は偏っているが、こういう主張が沖縄本島の中でも上がってこないと、県政はポピュリズムへとどんどん暴走してしまうと思う。
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Posted by ブクログ
沖縄は左派系新聞2紙しか流通していないため、左右両論併記という公平公正な言論空間は閉ざされ、彼らが正しいと信じるイデオロギーに染められた論調のみが紙面を飾る。この一番の被害者は県民だが、彼らはその独善性にうすうす気づいてはいるものの、それ以外の新聞が存在していないため黙って購読し続ける。
そんな状況に風穴を開けたのが、八重山日報である。期待もされ健闘もしたが、2年足らずで本島版発行を断念し撤退。既存大手新聞2社の営業力や紙面の多さ(八重山日報は8ページに対し30ページ)や沖縄では定番の「お悔み広告」などの慣習もあり、政治面の正当性だけで新聞が読まれているわけではないのが明らかに。
本書は、仲新城編集長が本島版発行までの奮闘記が書かれています。沖縄問題といえば、米軍基地問題、中でも辺野古移設は県民負担を軽減する1歩となりえるはずが、基地反対派の活動を見れば、彼らの関心事が県民の負担軽減でも、国境の安全保障でもなく、政治的イデオロギー闘争だということがよくわかります。
米軍基地問題という反政府材料には熱心でも、毎日領海(領空)侵犯をする中国に対してはその事実も「報道しない自由」を謳歌。筆者は、「尖閣の危機を強調すると、米軍基地に反対する自社の論調に都合が悪くなるからあえて触れないという事情は理解できる(P246)」とやさしいが、すでに沖縄のみならず日本のマスコミ(政財界や文化人含む)には中国工作員が相当数入り込んでいると思わせる状況は本当に恐ろしい。
2017年の本書発行時点では翁長知事だが、2018年には玉城デニー知事と、相変わらず沖縄県民の選択は2大新聞社の影響力から逃れられないようです。
5年目の内容ですが、沖縄の現状がほとんど変わっていないことに驚くとともに、沖縄基地問題についてもうまく説明されている良書です。
八重山日報社は、2017年4月1日に沖縄本島で八重山日報沖縄本島版の発行と朝刊配達を開始した。産経新聞は、沖縄タイムスが4月3日付で販売店に対して八重山日報の配達禁止を通達したと報じた。
沖縄本島版は1年11か月にわたり発行されたが、八重山日報社は人手不足の影響で配達員の確保(特に本島北部)が困難であることや、経営環境の悪化などから、2019年3月1日に沖縄本島版を八重山版と統合して統合版とするとともに、沖縄本島での配達を中止し郵送に切り替えた。ただし、電子版の沖縄本島版の配信は継続される。(ウィキペディア)