右翼新聞と呼ばれている八重山日報編集長が書いた、沖縄の話。翁長知事のこと、沖縄メディアのこと、沖縄における教育のことなど、客観的によく調査・分析し、論理的にわかりやすく述べていると思う。知らないことが多かった。本土では、過激派や左翼による活動が低調になってきているが、沖縄ではかなりの影響力をもってい
...続きを読むることがわかる。著者のように、将来の沖縄や日本のことを真剣に考え、厳しい環境下でも積極的に行動している人を応援したい。
「(辺野古移転賛成派に対し)「尖閣を守るためには、現時点では米軍の抑止力が必要だ。尖閣に近い沖縄本島に米軍がいることが、最大の抑止力になる」そう明言すれば、県内移設が必要な理由として、危険性の除去より、よっぽど説得力があったはずだ。少なくとも建前としては、それこそ米軍基地が県内でなくてはならない唯一最大の理由なのだから」p46
「(中国公船の活動と反対派の抗議活動)両者に通底しているのは「口で分からないならこぶしで分からせる」というテロリストの論理である」p75
「「沖縄が日本を守っている」という認識は、尖閣を抱える八重山に住む私達にとっては当然のことのように思える」p87
「歴史的には、沖縄の人たちは沖縄戦を通じ、むしろ国や郷土を愛する心や勇猛果敢さを発揮した」p100
「私が教員時代、小学5年生を担当した時に「国歌を書いて」と言ったら、書けた子は一人もいなかった。好きな国を聞いたら、日本を挙げた児童は約50人のうち3人しかいない。教育の影響力は大変だ、とつくづく思った」p275
「(国土面積の0.6%にすぎない沖縄に、国内の米軍専用施設の73.8%が集中し、依然として過重な基地負担が県民生活や県の振興開発にさまざまな影響を与え続けている(翁長知事))何よりも願うのは、平和で、豊かで、自由な日本を50年後、100年後の次世代に引き継ぐことである。国土面積のわずか0.6%にすぎない沖縄であっても、その理想を実現するため、どの都道府県にも負けない大きな役割を果たすことができる。それは県民の誇りだ」p277