今井キラのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ十二歳ぐらいの七人の少女がきゃいきゃいやっていたところに現れた、十四五と思われる西洋人形のような"平和の破壊者"。
少女たちと同じように、彼女も泉を汲んで飲もうとするのだが、取り出した杯は黒ずんでいて馬鹿に小さく、少女たちの大きな銀の杯とくらべてずいぶん見劣りがする。
少女たちはそれを口々に貶しながらも、哀れみから「あたいのを借そうかしら」と差し出すが——
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」
という凜とした主張は、なにかしら人生に対する訓戒のように思えた。
パステルかつメルヘンながら毒を感じる今井キラさんの絵が、森鴎外の文 -
Posted by ブクログ
〈乙女の本棚シリーズ〉
太宰治+今井キラ
あさ、目をさますときの気持ちは、面白い。の書き出しで始まる女生徒。
1日の出来事で感じたことを言葉にしている。
その言葉ひとつひとつが音符のようでリズムを感じる。
女生徒ならではの女に関する言葉も鋭い。
草をむしっては、形はちっとも違っていないのに、いじらしい草と、にくにくしい草と、どうしてこう、ちゃんとわかれているのだろう。
理屈はないんだ。女の好ききらいなんて、ずいぶんいい加減なものだと思う。
けさ、電車で隣り合わせた厚化粧のおばさんをも思い出す。ああ、汚い、汚い。女は、いやだ。
自分が女だけに、女の中にある不潔さが、よくわかって、歯ぎしり