朱牟田夏雄のレビュー一覧

  • トリストラム・シャンディ 下

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    ネタバレ

    筒井康隆、清水義範などの作品が大好きな私にとって
    こんな大昔からやってたのかーと衝撃の作品
    こんなのが白水社じゃなくて岩波文庫に入ってるって岩波は変な人もいるけれど目利きもいるのだなすごいな

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    2023年04月22日
  • トリストラム・シャンディ 上

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    再読。いつ読んでもひどいw(誉めてます)
    主人公=語り手が、自分の生涯と意見を述べる本。

    冒頭(序文ではない)は、主人公を両親が「しこむ」場面。生涯ってそこから!?と言いたくなるが、話は脱線に次ぐ脱線、主人公は一向に生まれてこない…

    下ネタ嫌いにはお勧めできないかも。あとちょっと長くて、途中で飽きちゃうかも。

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    2013年04月01日
  • トリストラム・シャンディ 上

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    ネタバレ

    地震の後に、死ぬまでに読んでおきたい本に手をつけたいと思って読み始めた。
    世紀の奇書として有名だったので身構えてたら抱腹絶倒。
    セルバンテスに影響を受けてるのも納得、『ドン・キホーテ』に近いおもしろさだった。
    脱線に継ぐ脱線、手法の新しさ(白紙、なぜかストーリーを線で表すなど)は当然ながら現代では驚くほどではなかったけど、時代を思えばとんでもない奇才だということがわかる。
    あと、これだけ引っ張って、あの中絶っぷりも最後に笑ってしまった。
    スターンは病死して途絶したから笑うことではないけど、作品としてはものすごいオチだと思った。

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    2011年07月10日
  • トム・ジョウンズ(上)

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    底本は岩波文庫

    上下巻にも関わらず、四冊構成とか言っちゃいけません。
    底本が岩波とわかるでは無いですか。
    漱石が参考にしたに違いない文体、話は面白いです。
    モームの十選のうち最も古い作品ではあります。
    別選で100選になると、我が国の超奴変態小説、つくり話だと思いますが、
    源氏物語が入る場合もあります。
    まあ、お好みで。

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    2024年04月22日
  • トリストラム・シャンディ 下

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    作者の死によって物語は中断され、余りにも下らないジョークによって本書は終わる。結局最後までトリストラムの話は主流にならず、家族のドタバタ劇と時折顔を出す著者自身のメタ談義で終わった様な。そういえば下ネタ、伏字の量もかなりのもの。しかしセルバンテスやラブレーといった滑稽文学の先人達を意識しながらそこにキリスト教の神学論と西洋哲学の知識をコラージュ状に敷き詰めつつ、それを馬鹿馬鹿しく読ませるというのは驚愕である。「本書を執筆した時の作者の気持ちを答えよ」なんてセンター試験の問題が出たら解ける気がしないのだが。

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    2013年05月03日
  • トリストラム・シャンディ 中

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    章について語る章あれば、何一つ語られぬ白紙の章も表れたりと相変わらずのやりたい放題。滑稽さと諧謔さに溢れた内容だが、アイルランドというのは異端文学の系譜でも存在するのだろうか。その皮肉ぶりはスウィフトから受け継ぎ、己の美学を貫き通す様はオスカーを想起させる。またロックの連想作用を取り入れたその技工は「意識の流れ」としてジョイスへと継承され、全編を通して漂う不条理さはさながらベケットの戯曲の様だ。また極東の地では、明治時代に影響を受けた作家が名無しの猫を主人公とした小説を執筆するのだが、それはまた別の話。

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    2013年05月02日
  • トリストラム・シャンディ 上

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    18世紀中旬、アイルランド出身の田舎牧師が突如出版したパロディ小説。あらすじとしては紳士トリストラムの自伝的小説となるのだが、それを彼が受精される所から始めるという無茶っぷり。その後も話は進むかと思えば脱線を繰り返し、上巻の終盤、全9巻中3巻に入ってやっと誕生するという有様。他にも真っ黒に塗りつぶされただけの頁やポロックばりの墨流し模様の頁、3巻で突如自序が挿入されたりと突っ込み所は数知れず。これは本文にある「読書の生命、真髄は、脱線です」の言葉通り、私を語れば語る程解体されていくメタ私小説なのだろう。

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    2013年05月01日
  • トリストラム・シャンディ 下

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    18世紀イギリスの牧師・小説家であるロレンス・スターン(1713-1768)の"未完の"小説、1759から1767刊。原題は『トリストラム・シャンディの生涯と意見』である。

    ところがこの題に反して、話者トリストラムは、まるで自分自身たるトリストラムの生涯と意見を語る気が無いかのようだ。話は逸れるにまかせ、話者が何を語ろうとしていたのか、読んでいていつの間にか忘れてしまう。そもそも話者自身が、語るべき自分自身であるところの「トリストラム」のことなど、語られるべき「トリストラム」のことなど、どうでもいいと思っているかのようだ。話者は自分が「トリストラム」であったかなかったか

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    2013年04月14日