野澤千絵のレビュー一覧
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人口減少社会において必要な法整備が後手後手にまわっていることがよく分かった。
自分の家族、あるいは自分の世代だけではなく未来の世代にどのような都市を街を残せるか、意識していきたい。
著書が巻末にまとめた7つの対応策は以下の通り。
1.自分たちのまちへの無関心・無意識をやめる
2.住宅総量と居住地面積をこれ以上増やさない
3.「それなりの」暮らしが成り立つ「まちのまとまり」をつくる
4.住宅の立地誘導のための実効性ある仕組みをつくる
5.今ある住宅・居住地の再生や更新を重視する
6.住宅の終末期への対応策を早急に構築する
7.もう一歩先の将来リスクを見極める -
Posted by ブクログ
いわゆる「空き家問題」の概要と現状、さらに将来の課題と既に行われている対策について広範かつ
整然と記述されており大変わかりやすく面白く読めた。
戸建て・マンション問わず家が余っているのになぜ新築住宅の建設は止まらないのかずっと不思議だったが、放棄された家の始末をきちんとしないと誰も勝手に処分出来ず’死んだ土地’が増え、新しい転入希望者を受け入れたくても受け入れられない、だから家を作って’生きた土地’を無理くり作る、という負のサイクルが見えてきた。
が、この手法だといずれ空き家だらけでどうにもならなくなる事は自明。
問題は深刻だが、かといって個人が出来る事はさして多くなく、せめて自分が元気 -
Posted by ブクログ
近所にも、空き家が以前より確実に増えているのに、なぜ貸し出しにならないのか...。
地方都市ですが、なぜ近隣には高層マンションが、次々と建つのか...。
そして出身の過疎地域へ帰省のたびに感じる、年々荒廃していく印象と、新たな道の駅などで、人の流れが生まれ、試行錯誤の自治体の奮闘ぶり...。
いろんな事を考えさせられました。
他の本の言葉になりますが「計画的に縮む」ことを、行政が主導で、少し強制的に行う必要があるのではないか、と感じます。
今後、水道網や送電、道路等、公共インフラの更新・維持に、莫大な時間と金額、労働力が必要になるのは目に見えていて、子どもたちの代に、莫大な負債を残すよ -
Posted by ブクログ
きわめて重要な視点だと思う。今トレンドとなっているコンパクトシティだのスマートシティだのは、開発屋、プラント屋、建設屋の視点で、かっこいいキーワードが乱立しているが、それ以前に、重要な問題がある。
それは、今後の急激な人口減、農業従事者の減少、イエや家系というコンセプトの溶解、インフラ整備原資の決定的な不足などを踏まえて、土地不動産市場を野放図な状態から救い出すこと。地域空間についての公共意識を喚起できるように、そして、将来に継承できる都市デザインへと収束させることを重視した国・地域の政策体系を整えることだ。
ところで、p133の水道管破裂事例にでてくる「湖西市」は、滋賀県ではなく、静岡県の -
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2030-2040年に日本の住宅がどうなっているか。
ひとつはこの頃に団塊世代が所有する住宅が中古マンション、中古戸建として大量に流通に出てくる。主に首都圏の駅名で流通量が増加する地域が地図付きであげられています。
自分は首都圏に住む予定はないですが、地域の歴史(明暦の大火、関東大震災)からひもとかれていて読んでいておもしろかったです。
首都圏で大きな災害となればその歴史が繰り返される可能性がある。
もうひとつはマンション、特にタワーマンションはいかに売り抜けることが大事か。
築30年になると2回目の大規模補修のタイミングになるが、資金的にも所有者の合意形成の点でもいまの仕組みのままではかなり -
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前著「老いる家 崩れる街」の続編的な書籍ですが、住宅過剰社会の問題に(どちらかといえば)マクロにフォーカスされていた前著よりも、「空き家の適切な取り扱い方法」というテーマに限定された内容でした。
街に点在する空き家は、相続・税制度といった構造的な背景から生まれていきますが、空き家の増加は街の崩壊(防犯・防災・治安悪化ほか、エリア価値の低下)につながりかねません。そうした空き家を、うまく住宅市場や再活用に活かすための事例紹介がされています。
特に、全米で展開されているランドバンクは注目に値すると感じましたが、そのための法制度的な環境整備がまだ日本は追いついていません。
最後に、住宅を所有する -
Posted by ブクログ
家を買う際には参考にすべきだと思う。
また、相続で財産を取得するケースも一度の価値あり。
不動産の業務に携わっており、日本のこれからの社会での空き家問題について危惧しています。建てる方、買う方など、行政に対しても景気が良くなれば、無制限に建てていいのかと考えさせられました。
街中で見かける空き家や崩壊の恐れのある建物など、何が原因で起こっているのかを深く考えたことはなかったので、その原因について知ることができた。
おそらく、相続した際に放棄すれば、結局は国に帰属するのだろうという誤った認識でした。
自分がもし家を売る、買う場合にはその街が今後どのようになる場所なのかをイメージする事が大切