【感想・ネタバレ】老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路のレビュー

あらすじ

私たちは、「人口減少社会」なのに「住宅過剰社会」という不思議な国に住んでいます。右肩上がりに空き家は増え続け、15年後には3戸に1戸が空き家になってしまうにもかかわらず、都市部では相変わらず超高層マンションが林立し、郊外では無秩序に戸建て住宅地の開発が続いています。住宅過剰社会は住みにくい「まち」の原因です。あなたは最近、自分の「まち」が住みにくいと感じることはないでしょうか?

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Posted by ブクログ

人口減少社会において必要な法整備が後手後手にまわっていることがよく分かった。
自分の家族、あるいは自分の世代だけではなく未来の世代にどのような都市を街を残せるか、意識していきたい。

著書が巻末にまとめた7つの対応策は以下の通り。
1.自分たちのまちへの無関心・無意識をやめる
2.住宅総量と居住地面積をこれ以上増やさない
3.「それなりの」暮らしが成り立つ「まちのまとまり」をつくる
4.住宅の立地誘導のための実効性ある仕組みをつくる
5.今ある住宅・居住地の再生や更新を重視する
6.住宅の終末期への対応策を早急に構築する
7.もう一歩先の将来リスクを見極める

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2024年07月16日

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自分の住んでいる街の様子をずっと見ていて漠然と感じていたことをきっちり説明してもらった気分。このままでは絶対まずいことも、だからといってすぐ解決できる問題でないことも、

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2021年11月07日

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規制緩和による現代的なスプロールや住宅の供給過剰が、社会にとって中長期的にいかに悪影響になるかということを、一般読者向けにわかりやすく(ややセンセーショナルに)解説された本。
論文成果や自治体保有のデータに基づいて、誠実な著述がされているな、という印象でした。
当方は都市計画コンサルながら、住民活動的なまちづくり分野に関心が偏っており、土地利用計画分野の素養が薄かったため手に取りましたが、期待以上の勉強になりました。

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2020年05月05日

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住宅過剰社会の問題は影響範囲が広いので、皆が理解を深め議論しないといけないテーマですね。人ごとではあり得ません。

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2020年01月11日

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近所にも、空き家が以前より確実に増えているのに、なぜ貸し出しにならないのか...。

地方都市ですが、なぜ近隣には高層マンションが、次々と建つのか...。

そして出身の過疎地域へ帰省のたびに感じる、年々荒廃していく印象と、新たな道の駅などで、人の流れが生まれ、試行錯誤の自治体の奮闘ぶり...。

いろんな事を考えさせられました。
他の本の言葉になりますが「計画的に縮む」ことを、行政が主導で、少し強制的に行う必要があるのではないか、と感じます。

今後、水道網や送電、道路等、公共インフラの更新・維持に、莫大な時間と金額、労働力が必要になるのは目に見えていて、子どもたちの代に、莫大な負債を残すように感じます。

そこまでして、本当にその場所で暮らす必要があるのか、新たに住宅を建設して良いのか...。

最終章、7つの方策にまとまっています。

昨日のニュースで、所有者不明の不動産(土地)について、新たに有識者会議で検討され、来年度には方向性...とのこと。

人口減社会へ向けて、国も自治体も主導となり、上手くまとまり感のある街づくりに誘導しながら、計画的に縮む方向への誘導、今後も注目していきたいです。

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2017年09月13日

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都市計画・スプロール現象の話。住宅を無法図に建てると街を維持できなくなるよという内容。住宅の量、質、立地について問題点をまとめている。最終章には改善策も述べられていて問題だけを提起している本でない点が素晴らしい。

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2017年08月06日

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きわめて重要な視点だと思う。今トレンドとなっているコンパクトシティだのスマートシティだのは、開発屋、プラント屋、建設屋の視点で、かっこいいキーワードが乱立しているが、それ以前に、重要な問題がある。
それは、今後の急激な人口減、農業従事者の減少、イエや家系というコンセプトの溶解、インフラ整備原資の決定的な不足などを踏まえて、土地不動産市場を野放図な状態から救い出すこと。地域空間についての公共意識を喚起できるように、そして、将来に継承できる都市デザインへと収束させることを重視した国・地域の政策体系を整えることだ。

ところで、p133の水道管破裂事例にでてくる「湖西市」は、滋賀県ではなく、静岡県の間違いだと思われる。

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2018年10月19日

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過剰に住宅を供給することで回り続けることをやめられない社会。政策の問題はよく分かったけれど、個人としてはどうしたら良いのだろうか?

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2020年09月08日

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前半の内容は、マンションに住んでる方はこれから必ず起こる問題を説明してくれているので必読です。空き家問題は、行政・市町村の近視的な対応で起こった人為的問題だとよくわかる。
市街化調整区域や都市計画の規制緩和で人口密度が低くなり、道路・トンネル・橋・学校・ゴミ処理、回収・上下水道・電力・ガスなどのインフラ維持の財源が確保出来なくなり、持続不可能な街ができ、年金と同様に将来世代にツケを回すことになりつつある。
各市町村は持続可能なコンパクトシティへの立地誘導の政策や規制を行い、将来世代が困らない様にしていただきたい。

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2019年05月11日

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空き家増加が社会問題化しているのに新築が周辺でもどんどん建築されている。このような問題に都市計画、住宅政策といった視点から考察している一冊。事例を挙げて問題点を指摘し、最後には提案をしている。

特に災害が起きる可能性がある立地に住宅を新築できていまう現状に嘆息。報道でもよく見るがなぜこのような土地に家を構えたのか、というケースもよくある。一定程度行政が規制できるようにすべきと思う。

このような本を読んで国民の意識が変わっていくのが望ましいが、正直難しいと思うのでお上からの規制が必要だろうと思う。

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2019年01月15日

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人口は減少に転じているのに新築マンションラッシュとなっている不思議を解き明かす本。マンションが将来抱えるであろう各種問題にも言及していて勉強になる。中でもショックだったのは、相続放棄しても、相続予定遺産で何か問題あれば、その法的責任を相続放棄した人が取らなければいけないケースがあるとのこと。きちんと遺言を残して、然るべき人、遺産を集中する形で、相続放棄でない終わり方を考えておかなければならないと思った。

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2018年11月12日

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ネタバレ

「空き家問題」を耳にする機会は既に多くなっていて、ネットで検索すればその概要はすぐにヒットするようになってきた。
この本はネットでよく目にしてモヤモヤ何か不安な都市部の集合住宅の老朽化やタワマンに関わるもの、郊外のベッドタウンの空き家問題をまとめて頭にすることができる。
加えて、都市計画の規制緩和についても踏み込まれていて、問題が複雑にからまりあっていて簡単に解決できないことがよくわかる内容だった。
最後の方策については、世間の意識を高める、対応策を構築する、という具体案がはっきりしないまとめ方だったのが少し残念だったが、それだけ問題が複雑だということだと思う。一つ一つに言及すると、それだけで一冊ずつになりそうな…

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2018年02月26日

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この辺でもどんどん家が建ってていったい誰が住むんだろうと思うし、都会の真ん中の高層マンションとかも怖いなぁと思って見ていた。
はっきり、なぜ怖いのか、が書いてある。

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2017年12月09日

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後のことを考えない行政,儲け主義のデベロッパー,未来を棚上げにした都市計画に興味のない私達.特に老朽化したインフラのことを考えると,読んでいるだけで寒々しい気分になった.

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2017年05月20日

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高齢化社会になり、家余りと言われているこの頃、それでも何故に住宅は増えているのか?そこには、個人の欲望だけでなはく、社会全体の問題も含んでいる事実が。内容は少し専門的な部分もありますが、疑問だったことが細かく書かれている点は、読むだけでも大きな価値があると思います。住宅問題は今始まった事ではありませんが、これからもっと考えなければならない一つなのでは。

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2017年05月07日

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約十年前に書かれた本で、団塊世代が75歳になる2025年問題や東京オリンピックのことなどが将来の心配ごととして挙げられている。
よもやコロナこととかオリンピックが延期開催されるなど想像もできなかった時期。
タワマンが乱立し、億越えの販売に驚かない現実は、著者の想像以上かも。
中央区の人口増加も、確認したら著者の予想通り。
その後の実態はどうなのか気になる。

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2025年03月22日

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人口減社会においてなぜ新築住宅が建ち続けているのかという疑問から手に取った。住宅会社や政治家の近視眼的(かつ切実)な思惑が理由であるわけだが、この複雑に絡み合った要因をとりほぐしながら、よりベターな方向に物事を進めていく難しさを痛切に感じた。
「7世代先のことを考えよ」というネイティブアメリカンの教えを思い出すとともに、自らも経済主義に溺れる感覚に染まっていないかハッとさせられた。

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

現代日本において無秩序に建てられ続ける住宅群、超高層マンション。空き家が増えているにも関わらず何故建てられ続けるのかという解説と、都市計画法等の法律や地方自治体の考え方や姿勢への問題提起、改善方策を示した一冊。

都市部では空き家がどんどん増えているにも関わらず法規制の緩和や企業、地権者の思惑から郊外に新築住宅が建てられ続け、都市部でも一定の地域に超高層マンションが建てられ続ける。そのことによりインフラへ等への問題が出てきて効率の悪い街が出来上がる。例えば無秩序に郊外に住宅が広がっていった場合には公共下水道、電気、ガス、ゴミ収集、学校、病院、橋などの公共施設のメンテナンスなど対応しなければならない範囲がどんどん広がっていってしまう。地方都市郊外の市町村では人口が増えれば税収が増してその街が豊かになるという考えのもと周りの市町村から人口を奪うような形で市街化調整区域での法的緩和を行なっている。それらの緩和をやめない限りは今後も調整区域に住宅は建て続けられるだろう。

都市部に一極集中で超高層マンションが乱立した場合にはそのエリアのみ小学生の数が一気に増えてキャパオーバーになって増設したり、駅のホームが混雑しすぎるなど諸問題が起こってくる。
これらが問題なのは高度経済成長きなどとは違い今は人口減少社会なのに、という点である。インフラや施設は徐々に不要となっていく時代にむしろそれらを拡大しなければ成り立たないというのは都市計画がうまく機能していないとも言える。
また、超高層マンションに代表される分譲マンション自体にも問題がある。分譲マンションは管理会社があるわけではなく居住者同士のコミュニティーによって成り立っている。こうしたマンションの終末期のことを考えると解体する、建て替えをするとして一体誰がそれらの費用を出すのか、等の問題も出てくる。そのような問題を抱えたマンションを何も考えずに作り続けるというのはいかがなものかと筆者は訴えている。

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2022年09月14日

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2019.08.20 ショッキングな内容。わかってはいるが、改めて突きつけられるとかなり焦る。このままでは都市は崩壊してしまう。厳しい現実だ。

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2019年08月20日

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タイトル通り
東京の湾岸部、地方の農地などの規制緩和のために無秩序に建設される住宅
地方で自動車がないとアクセス不能な住宅地が住民の世代交代が進まずゴーストタウン化する
空き家には4種類ある「賃貸空き家」「売却用空き家」「二次的空き家(セカンドハウス用)」「その他空き家」。この内の「その他空き家」が多いと問題になる。
戸建の場合、駅から近い場所に「その他空き家」が結構多くある。
都市計画が建築規制と連動したいないため、あるいは都市計画がない地域が多いため、危険地域にも家が建てられ、スプロール化が止まらない。

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2019年05月25日

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一旦返却、2017年12月に読み終わった。日本の未来は今から考えておかないとかなり危険。問題を先送りにしている気がしてならない。不動産屋も建設会社も食べていくためには今儲けないとしょうがないという理論。

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2019年01月20日

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 都内に住んでいると分からないが、地方都市では車が無いと生活できない。
 では公共交通機関はないのかというと、大体のところはバスが走っている。
 しかしながら、たいてい誰も乗っていない。
 公共交通機関が撤退していったとき、車があるから大丈夫だといつまで言っていられるのか。

 本書は住宅過剰社会の末路というサブタイトルが付いている。
 少子高齢化で人口減少の未来は確定しているのに、住宅の新規着工件数が増えている。
 これは、ホント酷い話だと思う。
 特に、相続税圧縮の話に乗ってサブリースで田舎の畑にアパート建てちゃうっていう話は。
 駅からも、市街地からも遠い田舎に次々に着工するアパート群。
 いったい、誰が住むんだよって。

 都内タワーマンションとか、それにオリンピックで施設も税金投入していろいろ作るけどさ。
 それを10年、20年、ずっと先に果たしてそれレガシー(遺産)って言えるの?負債じゃなくて。
 
 水道も、道路も、公共交通機関も、インフラ崩壊が現実味を帯びているのに、近視眼的利己的な開発に待ったをかけなくていいのか。
 都市計画には長期的視野と、行動できる決断力を持った人材が必要だ。

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2018年03月10日

Posted by ブクログ

まず、タワマンは買うな(古くなったときどうする、合意形成がまず不可能)。あと、空き家が増えていくのに、なぜこれまで宅地ではなかった場所に新築の家がどんどん建つのか、の理由を分かりやすく解説。日本人の新築びいきだけじゃなくて、制度的にその方が断然ラクになっている現状がある、と。

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2018年02月05日

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既に世帯数以上の住宅があるのに、基盤が十分に整っていない区域でも新築住宅が作り続けられる。活断層の真上でも住宅建築を禁止できない。人口減少社会で、住宅だけでなく街のインフラも維持・更新が必要なことを意識せよ。将来世代にツケを残すな。

規制緩和をあっというまに営業にしてしまう情報の速さ。クルマや健脚といった住むためのパワーも、一世代だけの住宅だとだんだんと失われていくのに。

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2017年11月25日

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ネタバレ

出典が出ているのがありがたい。私的そのものはそれほど新しくもないけれど。団地の建て替え話とか見ている人を探していこう。

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2017年11月01日

Posted by ブクログ

超高層マンションは不良ストック化する

人口市場主義で、市街化調整区域の規制緩和が進んだ

サブリース会社は指定のリフォーム会社でリフォームをしなければ契約解除される

羽生市
神戸市亀鶴団地
群馬県みどり市

駅に近いほど空き家が多い

実家の相続放棄でも相続財産管理人が必要

住宅誘導区域を決め
今ある住宅の更新を優先する
空き家の優良賃貸化

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2017年06月19日

Posted by ブクログ

TVやチラシ広告をみて「いいなあ」とため息をつくタワーマンション
でも恐ろしいことになるかも
「空き家」と不動産屋さんの看板がかかる家がものすごく増えた
でも新しいマンション一戸建てはどんどん増える
おかしいよね
住宅過剰社会
数値とか具体的に書かれていてかなり難しかったけれどなるほどと思うことが多かった
自分の住む地域に関心を持つことなんだね
大事なことは
≪ 人が減り 空き家ばかりの 町になり ≫

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2017年05月24日

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都市計画と住宅政策の不整合。近隣自治体間の人口の奪い合い。やはり、人口減社会に向けてもっとしっかりしたグランドデザインを作り、強い規制を行うべきだと思う。
タワマンが50年後にどうなるのか、非常に心配だ。宅地価格の下落が駅近隣まで及べば、住宅の再生が行われるようになるのではないか。
やはり歳をとったら、駅近の中古マンションに住むことにしよう!

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2017年04月21日

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・空き家のタイプ4類型:賃貸空き家、売却用空き家、二次的住宅、その他空き家
・2023年には5戸に1戸、2033年には3戸に1戸が空き家
・全国の空き家の52.4%(429万戸)が賃貸住宅。サブリース

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2017年04月17日

Posted by ブクログ

「人口減少社会」なのに「住宅過剰社会」というのは確かに不思議である。今後、空き家は増えて、住環境もおいていく。その現実を突きつけられる。このような社会の中で、いかに生きていくべきか、を考えさせられる。

そのためには、自分たちの無関心もやめるべきだし、行政の都市計画・住宅政策も転換して行かねばならない。いずれにせよ、最近、この「住」という話題には関心があり、もっと学ぶ必要性を感じている。

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2017年04月05日

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