松田卓也のレビュー一覧
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重力・遠心力・潮汐力に関する章は、いたって普通だ。高校で学んだ知識を元に落ち着いて考えたら分かる範囲ではないだろうか。
飛行機が飛ぶしくみについては、はっきりいって理解しかねた。実際に流体の方程式を計算してみないとちゃんとはわからんということだろう。「間違いだらけ」の原因は数式に関する素養がない素人にもわかるようにシンプルに解説するための「飛躍」から来ているのだろう。
曲がった川の内側に土砂が堆積していく理由についての章がなかなか面白かった。撹拌した湯のみの真ん中にお茶っ葉がたまる理由と同じ原理で解説できるらしい。この問題についてアインシュタインも論文を書いているということで驚いた。
電 -
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2045年問題(技術的特異点)をテーマにした本の中では解りやすくSF的分析からも熱い内容になっていました。
- 1章「コンピュータが人間を超える日」
「2001年宇宙の旅」「攻殻機動隊」「ターミネータ」「マトリックス」などのSF作品の説明を元に、それぞれの未来論に対しての親和性を説かれている。著者はそうとうSF作品が好きなんだろうなぁ。
- 2章 スーパーコンピュータの実力
0,1の2進数から始まるコンピュータの仕組みやプログラミング言語のヒストリーの説明など。
漠然としか知らなかったスパコンで使われるFlopsの意味などがわかり、教養に役立つ章。
昔の大型フレーム機に比べてスパコンがどの -
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ネタバレ技術的特異点
シンギュラリティ
2045年、遅くとも今世紀中には迎えるとされる、人類の知性をこえた人工知能の誕生。
そのとき、世界・人類はどうなるのか。
技術は指数関数的に進化しており、これまでSF染みて語られていたことが、近い未来として来ることが見え始めている。
ここから、さらにその進化の速度が早まると考えると、意識を持った人工知能が誕生することに対しても、違和感を感じない。
4つのパターン
人工知能によって人類が征服される
人工知能と一体になり、仮想空間の中で人類は生き続ける
人工知能によって人類の知能が拡張する
何も起きない
賛成しようと反対しようと、技術の進化は止まらないため、何 -
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確かブルーバックスでも読んだ記憶がある松田卓也先生の、洒脱な物理入門エッセー。
ネットやあまたの物理入門書に溢れる、もっともらしいけれど間違った説明「物理学の都市伝説を正す。その昔のロゲルギストの流れを汲むが、口調は甚だしく砕けて現代調。
(1)太陽にごみを捨てるのは無理
(2)ハンマー投げの選手から見て遠心力はない。
(3)潮汐力の説明は結構奥が深い
(4)飛行機が飛ぶのは翼後端がとんがっているから
(5)曲がった川が蛇行するのはエクマン層が関係している
(5)電流のエネルギーは電線でなく「場」で伝わっている
どれも、そう言われれば、というところかもしれないが、言われないと、わからないし間違 -
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ムーアの法則をあらゆる事象に適用できるとしたカーツワイルは2045年にコンピュータの能力が全人類を越えると考えた。スーパーコンピュータの歴史、SF、欧米の人工知能研究動向から未来を考える好著。
どうやら再び人工知能へ向けて、IBMのシナプス(SyNAPSE)計画、スイス連邦工科大学のブルー・ブレイン・プロジェクト(Blue Brain Project)などが動き出しているようです。
人工知能は80年代に国家プロジェクトでエキスパートシステムを目指し、AIブームもあったがその失敗とともにブームは去ってしまった。クラウド、モバイル、ビッグデータとの流れの中で、未来を予測するのが現実的になってき -
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購入済み
科学者に勧めたい本
潮力、遠心力、揚力など誤解が多い項目を詳しく説明している本。
物理学を習ったものでも大抵このような古典物理の問題を深く考えたことはない人は多いのでは。
故に科学分野の専門家こそ読んで今まで深く考えなかったことを考えて欲しい。
科学者に勧めたい本。 -
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このあと、世界の変化のピッチはどんどん上がる。好むと好まざるとを問わず、インターネットや電脳の発達に身を任せるしかないのではないか…一度水道や電気を覚えてしまったらそれらがない生活に戻れない。
もし、AIが自分の生活のかなりの部分を合理化してくれて、今私がいつもやらかすように、「買い物のし忘れ」「子供の学校の書類だし忘れ」「予定をきちんと立てる(気が付いたら連休直前)」というようなことを回避してくれるのなら、きっとその力を使うだろう。
IoTとかFinTech、クラウドやビッグデータまではどんどん時代が進んでいく。
その先は、ぴんとこないがAIが意思をもち、もし「人間に敵意を持った -
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試し読み
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SF映画の紹介からと難解なイメージの人工知能を話を柔らかく導入しつつ本題に入るもWebの記事などで読んだような内容が多いですが、とっつき易く広く網羅している良書です。
目新しい(単に私が知らなかっただけ)のは、パーム(Palm)というPDAで成功したジェフ・ホーキンスが提唱する大脳の構造や信号処理を模した生物学的アプローチで階層的時間記憶理論(Hierarchical Temporal Memory Theory = HTM理論)というのがあり、IBMもホーキンスと共同で研究所を開設したようです。
また、表題の「人類を超えるAIは日本から生まれる」の根拠は、コンピュータの消費電力あたりの性能を -
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試し読み
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Posted by ブクログ
ネタバレ技術的特異点(シンギュラリティ)について、コンピュータの進化の歴史や、SF・映画を紹介しながら書かれていて、非常に読みやすかったです。
非常にわかりやすく書かれているため、専門知識は必要ないが、他の書籍で人工知能やコンピュータの進化について知っている人には、多少退屈な部分もあるかと思います。
この本の関連書籍として、
(1)人工知能は人間を超えるか
(2)AIの衝撃 人工知能は人類の敵か
を読む方も多いと思いますが、まずは本書籍から読んで基本を抑えてから(1)や(2)を読むといいのではと思いました。
私は(1)と(2)を読んだ上で本書籍を読んだので、人工知能に関してはあまり新しい知識は得られ -
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乗数的に性能を増すコンピュータは2045年にその時点での全人類(約100億人)の計算能力を上回り、技術的特異点を迎え究極の人工知能(ゴッドライクマシン)が誕生する。以後、人類は技術的な発明や開発をすべてコンピュータ(人工知能)に委ねるようになり、人の仕事は奪われ、貧富の格差は増大する。特異点後のコンピュータは意思を持ち、次々とイノベーションを起こし、最終的に全人類の1兆の1兆倍計算能力が高まり、人類はおろか全宇宙を支配し、別の宇宙を作り出すことすら可能となる。人類は滅ぼされるかあるいは、思考するデータとなって肉体を捨て、コンピュータの中に取り込まれる、、と言った未来予測がカーツワイルやガリスな