あらすじ
2045年にコンピュータの能力が人類を超えるという説がある。
実際に、近年のコンピュータの進化はその説に沿っており、またいま欧米では人工知能開発に一層の拍車がかかっている。 意識を備えたコンピュータが人類を支配するという映画『マトリックス』などのようなSFの世界が、現実になるかもしれないのだ。
コンピュータと人類の未来を展望する。
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Posted by ブクログ
2016/05/04
シンギュラリティ信者ではあるが、その良い面と悪い面の両面から論じられており大変参考にある。
具体的に知性を持った人工知能ってどういったもので、今どの段階まで出来てるのかは他の本を当たる必要がある。
Posted by ブクログ
2045年問題(技術的特異点)をテーマにした本の中では解りやすくSF的分析からも熱い内容になっていました。
- 1章「コンピュータが人間を超える日」
「2001年宇宙の旅」「攻殻機動隊」「ターミネータ」「マトリックス」などのSF作品の説明を元に、それぞれの未来論に対しての親和性を説かれている。著者はそうとうSF作品が好きなんだろうなぁ。
- 2章 スーパーコンピュータの実力
0,1の2進数から始まるコンピュータの仕組みやプログラミング言語のヒストリーの説明など。
漠然としか知らなかったスパコンで使われるFlopsの意味などがわかり、教養に役立つ章。
昔の大型フレーム機に比べてスパコンがどのように便利になりまた役立っているかとか。
コンピュータの進化の比較。
- 3章 インターフェイスの最先端
40年前の汎用機時代の紙テープインターフェースと、現在のLeapMotionやKinectを始めとする、ボディインターフェースとの比較と進化について。
その他、映画マイノリティ・リポートに登場するインターフェースの時代はすぐそこまで来ている。とか、ここまで現状でも十分に進化しているインターフェースについての説明。
- 4章 人工知能開発の最前線
ここから本書の本題に近づく人工知能の歴史とこれからについて。人間の脳の仕組みをブレークアウトさせたヒューマンブレインプロジェクトやIBMのシナプス計画についてだが、本書説明されている通り新たなパターン認識とノイマン型コンピュータの融合によって頭脳革命が起きることは間違いないと思った。
「イミテーションゲーム」で一躍注目されるようになったアラン・チューリングの話題も少しだけ出てきます。
- 5章 コンピュータと人類の未来
カーツワイルが提唱する3つの将来の技術進歩、遺伝子工学、ナノテクノロジー、ロボットについて書かれています。
この章は特にSF色が強くて熱く面白い。
コンピュータの中に入り込む「マインドアップローディング」、全宇宙がコンピュータになってしまう「宇宙の覚醒」、コンピュータを創りだした人類が神になる「人類半知半能の神」について著者の意見を交えて考察します。
ビッグバンから光の速さまで出し語ったと思えば、荒唐無稽な神の話にまで発展し、冷静に考えるとトンデモ論について語っているのだが、真面目にSFの世界を語ることの意義!を感じました。そしてワクワクした。
- 6章 コンピュータが仕事を奪う
6章は一気に現実に戻され5章からのギャップが激しい。
ボット作成できるプログラマーやマネジメンtの業務のトップと、家庭の掃除、家事、マッサージ師、美容師などのボトム以外の仕事は近い将来コンピュータにとって代わられるという話。
生き抜く術として、今後格差が開くだろう、4つのディバイド(格差)を徹底的に学ぶ必要があるということ。
それらはデジタル・ディバイド、インフォメーション・ディバイド、イングリッシュ・ディバイド、メディアリテラシー。
英語勉強せねば。。
- 7章 人工知能開発の真意
最後は5章との対比で、そんなSFな未来は実現しないという希望?の章。この章を最後に持ってくることで30年間人工知能を研究し続けてきた筆者がどの未来を望むべきなのか?というジレンマを感じた。
生態系のロトカ=ヴォルテラの方程式を例に、人間とロボットの関係を代入しカオスな将来は来ないと説いてます。
最後にこれからの政治に対して著者の妄想である「ビッグブラザー」について感銘を受けました。
1万項目辺りから国民の総幸福度と数値化する関数を作って、コンピュータに判断してもらう政治。今やどの道どの政党が政権を取り改革をしたところで、毎日のように国会デモ活動が起き、立場の違い上反対する人は必ずでる。
ならばマクロな目で見て国民の幸福度が最大になるような革命をしてもらえば良いじゃないか。という話。
アニメサイコパスのシビュラシステムに似てるが、面白い発想を持っている著者だと思った。
…ら、著者1943年生まれなのですね。。
発想が柔軟なのでてっきり40歳未満くらいの方なのかと思っていただけあってびっくりしました。
先日、ソフトバンクからコンシューマ用にpepperくんが発売されました。本書を読んで、このソフトバンクの発表が人類の終わりの始まりの第一歩なのかもしれない…。と考えてしまいました。
Posted by ブクログ
技術的特異点
シンギュラリティ
2045年、遅くとも今世紀中には迎えるとされる、人類の知性をこえた人工知能の誕生。
そのとき、世界・人類はどうなるのか。
技術は指数関数的に進化しており、これまでSF染みて語られていたことが、近い未来として来ることが見え始めている。
ここから、さらにその進化の速度が早まると考えると、意識を持った人工知能が誕生することに対しても、違和感を感じない。
4つのパターン
人工知能によって人類が征服される
人工知能と一体になり、仮想空間の中で人類は生き続ける
人工知能によって人類の知能が拡張する
何も起きない
賛成しようと反対しようと、技術の進化は止まらないため、何を信じて行動するのかが重要なのかな。
Posted by ブクログ
これは面白い!のと同時に、ワクワクもするし恐ろしさも感じる。
SFの世界が自分が生きている間に現実化するワクワク感と、人類が滅亡に向かっているのではないかという恐怖感。
将来的に安泰な職業は、トップとボトム。トップの仕事とは、ボットを作るようなコンピュータプログラマや、企業のトップマネジメントなど。ボトムの仕事とは、家庭の掃除や家事、マッサージ師、美容師などロボットにできないか、ロボットにやってほしくないと感じる仕事。
さて、俺はどちらを選択すべきか。後者をマネジメントする生き方が向いている気がするなー。
Posted by ブクログ
人間の知能を超えるということは、人間が思いもつかなかった行動をする可能性があるということである。
よって、人間を支配するコンピューターが出現する可能性がある。
強い人工知能とは、意識を持った人工知能。
恐竜の時代から人間の時代になったように、人間の時代が終わるのは、コンピューターのせいかもしれない。
Posted by ブクログ
ムーアの法則をあらゆる事象に適用できるとしたカーツワイルは2045年にコンピュータの能力が全人類を越えると考えた。スーパーコンピュータの歴史、SF、欧米の人工知能研究動向から未来を考える好著。
どうやら再び人工知能へ向けて、IBMのシナプス(SyNAPSE)計画、スイス連邦工科大学のブルー・ブレイン・プロジェクト(Blue Brain Project)などが動き出しているようです。
人工知能は80年代に国家プロジェクトでエキスパートシステムを目指し、AIブームもあったがその失敗とともにブームは去ってしまった。クラウド、モバイル、ビッグデータとの流れの中で、未来を予測するのが現実的になってきた今こそエキスパートシステムであり、AI(人工知能)ではないだろうか。
Posted by ブクログ
2045年にAIの能力が人類を凌駕し、それが世の中にどのような影響を及ぼすかを記した一冊。
決して遠くない近未来のこととして、非常に勉強になった。
Posted by ブクログ
機械と人間に関する諸問題の現状を垣間見たくて読んだ。なってみないとわからないと同時に問題がつまるところ経済的枠組みと哲学的、思想的問題を孕んでいることが感じられたように思う。
Posted by ブクログ
このあと、世界の変化のピッチはどんどん上がる。好むと好まざるとを問わず、インターネットや電脳の発達に身を任せるしかないのではないか…一度水道や電気を覚えてしまったらそれらがない生活に戻れない。
もし、AIが自分の生活のかなりの部分を合理化してくれて、今私がいつもやらかすように、「買い物のし忘れ」「子供の学校の書類だし忘れ」「予定をきちんと立てる(気が付いたら連休直前)」というようなことを回避してくれるのなら、きっとその力を使うだろう。
IoTとかFinTech、クラウドやビッグデータまではどんどん時代が進んでいく。
その先は、ぴんとこないがAIが意思をもち、もし「人間に敵意を持ったら?」というのが大きなテーマになってくるのだろう。
Posted by ブクログ
技術的特異点(シンギュラリティ)について、コンピュータの進化の歴史や、SF・映画を紹介しながら書かれていて、非常に読みやすかったです。
非常にわかりやすく書かれているため、専門知識は必要ないが、他の書籍で人工知能やコンピュータの進化について知っている人には、多少退屈な部分もあるかと思います。
この本の関連書籍として、
(1)人工知能は人間を超えるか
(2)AIの衝撃 人工知能は人類の敵か
を読む方も多いと思いますが、まずは本書籍から読んで基本を抑えてから(1)や(2)を読むといいのではと思いました。
私は(1)と(2)を読んだ上で本書籍を読んだので、人工知能に関してはあまり新しい知識は得られませんでしたが、後半の著者の意見を明確に述べている部分は痛快で、なかなか読み応えがありました。
結局、技術がどれだけ発展しようと、いい方向に行くか、悪い方向に行くかは人間の理性次第という結論ネガティブに見える結論ながらもどこか前向きで、変化を楽しめというメッセージには好感が持てました。
Posted by ブクログ
レイ・カーツワイル:
2045年問題; 2045年に技術的特異点に達する。
コンピュータの能力が人類を上回る。
特異点; singularity ; アインシュタインの一般相対性理論や数学の概念
カーツワイル以前に、技術的特異点についての発言を残しているのは、1960年代に活躍したイギリスの数学者I.J.グッド。
Posted by ブクログ
乗数的に性能を増すコンピュータは2045年にその時点での全人類(約100億人)の計算能力を上回り、技術的特異点を迎え究極の人工知能(ゴッドライクマシン)が誕生する。以後、人類は技術的な発明や開発をすべてコンピュータ(人工知能)に委ねるようになり、人の仕事は奪われ、貧富の格差は増大する。特異点後のコンピュータは意思を持ち、次々とイノベーションを起こし、最終的に全人類の1兆の1兆倍計算能力が高まり、人類はおろか全宇宙を支配し、別の宇宙を作り出すことすら可能となる。人類は滅ぼされるかあるいは、思考するデータとなって肉体を捨て、コンピュータの中に取り込まれる、、と言った未来予測がカーツワイルやガリスなどの一流の科学者なされている。これが荒唐無稽な話ではないことが、最近の科学的成果(たとえばgoogleのネコ)や学会における論争(たとえば強い人工知能VS弱い人工知能、宇宙主義VS地球主義)でにわかに現実味を帯びることとなり、これらとんでもない科学的状況とと我々はどう向き合っていくべきかについて、同じく科学者である作者が考察した本。
難しい科学的なことを平易な文章で書いてあり、読みやすく実に興味深い。しかも、この本ではメドウス、ローマクラブの予測する有名な"成長の限界"にもキチンと触れ、その悲観予測通りに進んでいる現在であればこそ、上記のような究極の人工知能の開発が文明収縮を超えるイノベーションにつながるのではないか?とも説いている。
これらの文脈は遠い未来の話ではなく、自分も辛うじて生きられるかもしれない21世紀後半には大半が判明してしまう近未来の科学的予測であるので、どうなるか実に興味深い。健康でいて、見届けることにしよう!
Posted by ブクログ
コンピュータ側からのブレインサイエンスの実態をSF映画の内容を用いながら解説。そしてこの分野の世界的な競争が起きていることに日本がとても鈍感であることに警鐘を鳴らしている。とても刺激的内容であった。特異点大学なるものがあることを知り、興味を持った。
Posted by ブクログ
カーツワイルの「収穫加速の法則」に従えば、このままテクノロジーが加速的発達を遂げて2045年には人類を凌ぐコンピューターが出現する。これを「2045年問題」と呼ぶ。
最近、耳にすることが多くなった「2045年問題」の入門書として購入。興味深く読んだ。
ただ、よくわからないのは「知性」というものの取り扱い方。「知性」とは目に見えるものでもなければ実在するものでもない。養老猛司先生の著書に出てくる比喩だが……心臓をいくら解剖しても「循環器」というものは出てこない。なぜなら、循環器とは機能だからだ。肛門も同じである。お尻の穴の周りの皮膚のことを肛門と勘違いしがちだが、あれは肛門ではない……
つまり、知性というのもひとつの機能である。この機能の一部分を我々はコンピューターに依存している。例えば計算や検索をパソコンにさせているように。
我々は自分自身の「知性」すら把握できていない。この状態でそもそも2045年問題を理解できるのか?という根本的な疑問だけが残った。
付け加えるならば、私の中にも「2045年問題」に対する漠然とした不安がある。ならば、私は何を恐れているのだろう。
それはパラダイムシフトに対する恐れなのだろうか。
かつて鉄道が初めて敷設される地域には、激烈な反対運動が起きたという。今から見れば笑い話だが、当人たちは必死だったろう。「今間にないもの」で「生活や考え方を根本から変えてしまうようなもの」に対して、人々は恐怖をいだくのは当然なのだ。
2045年問題もその類なのだろうか。
Posted by ブクログ
5章『コンピュータと人類の未来』の節『宇宙が覚醒する』で、
「彼は、人間がコンピュータに入り込んでしまうばかりでなく、地球がすべてコンピュータ化すると予測します。そして、やがて太陽系全部がコンピュータになり、その次には銀河系すべてが (中略) このようなイメージは、私の知るかぎりどんなSF作品にも描かれていません。カーツワイルの独創だといってよいでしょう。」
とあるが、アイザック・アシモフの『ファウンデーションの彼方へ』に出てくるガイアはこれ系ではないかな。
Posted by ブクログ
新たな知性が人類を超える・・・
そのはじまりが2045年、人工知能が全人類の知性を超える年である。
本書ではこのコンピュータが人類を超えるということについて語っており、人工知能とはどういうものか?ということやその進化のもたらす未来を紹介しています。
著者の研究や意見というよりは、カーツワイル氏など2045年問題の論者の意見を紹介していくという感じです。
著者は、欧米ではこの問題は真剣にろんじられているが、日本では全く話題にならないことに対する警鐘をならしている。
目の前のことだけでなく、起こりうることに真剣に目を向けよと。今世紀中にこの大変革はおこるのだからと。
SF好きはぜひ読んでみたほうがいいです。
Posted by ブクログ
マトリックス、攻学機動隊、電脳コイルなどの世界は現実化できる?
ターミネーターみたいなことが起きるのでは。。。それらを想像させる読み物です。
SF好きにはアツイですねぇ!
Posted by ブクログ
コンピュータを取り巻く技術が今後どのように進化していくかについて,専門家が大変わかりやすく解説.
専門用語がチンプンカンプンの文系でも理解できる日本語で書かれてあり,ぜひおすすめしたい.
特に興味を引くのは,6章の「コンピュータが仕事を奪う」である.生活が便利になるというのはありがたいが,職のパイをコンピュータと奪い合うことになろうとは…
Posted by ブクログ
攻殻機動隊にあるような、人体の機械化とネットとの接続。ターミネーターにあるような、機械が意識を持って人間を排除し始める世界。人間の総体を、コンピュータが超え、独自の進化を始めるのが2045年と言われている。特異点を超えるとき。それを超えなくても、コンピュータは秒進月歩の勢いで進化し、我々人間にしか無理だと思われていた仕事の分野に進出し、人間の仕事を奪っていく、間近の未来。
SFはすでにSFではなく、そのような時代に自分たちはどういう風に生きていくべきか、真剣に考えさせられる一冊。
それ以前に、この世界は進歩と成長を止めることになるかもしれない。永遠の成長などありえない。
しかしそれにしても、どちらに転んでも、人間にとって、今日と同じ明日はありえない。平穏で退屈な毎日は、もう終わったのだろう。
Posted by ブクログ
「コンピュータが人類を超える日」という副題。
本書では2045年(2099年という学者もいるそうだが)にコンピュータが人類の知能を超えるという予測と、それが起こった場合の影響を考察している一冊である。
しかし、そもそもコンピュータの知能とは何だろうか。本書がそれに回答しているのは、本書の後半であり、読み手にとってはイライラします。
だって、本書の前半では、計算のスピード=知能の高さという説明が100ページ続くのですもの。
スーパーコンピュータといわず、一般の家庭用のPCでも今はCPUクロック数が2GHz程度あるのだから、1秒間に10^9回程度計算ができるわけだ。
つまり、人間が10秒に1回程度とすると、PCは人間と比較して10^10倍知能が高くなるというロジック。
少し考えればわかるが、それは知性とはいわない。
計算能力に物を言わせ、人間よりも計算が早く頭が良いでしょ、というのは違う。
一般には、PCの知性とは、Alan Mathison TuringのいわゆるTuringテストをパスできることを判断基準として使用するのが普通であり、必ずしも計算能力は必要ではないように思える。
本書では、むしろ過去の研究結果と現在の進捗を説明して、2045年にはこれくらいの能力までになるでしょう、というやや消化不良気味の説明。
さらに一歩進んで、計算にものをいわせるPCではなく、知性をPCに持たせるための具体的な研究状況と課題を詳細に説明し、それを踏まえ、2045年に人間以上の知性を持ったPCが誕生したときに我々の生活にどのような影響を与えるのかを考察してほしい。
前者は、ニューラルネットワークによる実装という古典的な方法を簡単に説明するだけで、冗談だろうと思ってしまいます。
後者は、ロボットが仕事を奪うとかこれもありきたりなことしか書いていないです。
もう少し、実現可能性と実現した場合の影響評価をまとめて欲しかったです。
しかし、PCの知性とはという問題意識を提起する上では良い一冊であると思う。
Posted by ブクログ
2001年宇宙の旅、ターミネーター、マトリックス等の「コンピューターが人類を支配する系」映画を例にしながらの解説。2045年くらいにはコンピューターがそこまでいく(自らの意思を持つ)ことになってもふしぎではないそうだ。
Posted by ブクログ
2045年コンピュータは人間を超えるらしい。アメリカのシナプス計画、ヨーロッパのヒューマンブレインプロジェクトなど、人間のシナプスをシミュレートするアプローチの人工知能計画が進んでいる。それらがうまくいけば、2045年に、人間を超える知能が誕生するそうだ。若干、SFチックであるものの、前半は最先端の技術をわかりやすく紹介する科学入門、中間は、人工知能の話、後半は若干宗教がかるので?だが、全体的には、なるほど!これが平積みされる本なんだ!と思った。
Posted by ブクログ
コンピューターが進化した世界を描いている映画として、「2001年宇宙の旅」「攻殻機動隊」「ターミネーター」「マトリックス」を紹介している。
コンピューター化が進むことによって生産性が上がるが、格差が拡大して大半の人々は貧しくなる。社会主義的な再配分の政策が必要だという主張もある(マーティン・フォード)。
「成長の限界」は、ライオンとシマウマの関係を表すロトカ=ヴォルテラの方程式を人間と資源に当てはめたもの。1970〜2000年のデータを使った2008年の検証では、最初に計算したモデルと驚くほど一致した。用いた方程式はカオスではないため、条件が多少違っていても結果は大きく変化しない。「成長の限界」の重要なポイントは、現在の科学技術文明が石油や鉱物資源などの再生不可能資源に立脚していることを明らかにしたこと。
アメリカでは、兵士の補償額が高額になっているため、兵器をロボット化している。無人飛行機を自動化する研究も進められている。
未来のシナリオとして、意識を持った人工知能が人間を支配する、意識をコンピュータにアップロードして肉体を失った人類がコンピュータの中で生き続ける、コンピュータが人間の知能を増強した明るい寝たきり生活を上げている。
<考察>
論議はあっても人工知能の開発は進むだろうが、問題なのは出力インターフェイスであると理解した。その意味で、兵器のロボット化を進めているのは、ロボットに人間を支配させる道を開いていることにほかならないように思う。核兵器が冷戦と人類滅亡の危機を招いたように、人工知能を持った兵器が新たな軍拡競争を招き、新たな危機に追い込むように思えてならない。
Posted by ブクログ
最後はちょっと退屈に感じたが、全体的には楽しめた。
話しが被っていると感じたところがあり、繰り返すのであれば言い回しを考えたりして欲しいと感じた。
内容としてはどこまで信じるかは自分次第。
これから来るであろう未来を少し知ることができ
自分の能力を高めていかないと、勝ち残っていくことが困難になると感じた。
英語を趣味で勉強しているが、続けるべきだと改めて感じた。
途中途中に出てくる映画を観たくなったので、折をみて観ていこう。
以下抜粋
英語とコンピューターが、これからの社会を生き抜く「生きる力」になるのです。
Posted by ブクログ
このままの速度で上昇カーブを描きながらコンピュータが進化していくと、
人工知能は2045年に人類すべての知能を超えることになる、という、
レイ・カーツワイルというMIT卒業の発明家で企業家の人の未来予測を主軸として、
コンピュータと人類の関係の今後を考える本です。
著者はSFに詳しい宇宙物理学者で神戸大学名誉教授の方でした。
コンピュータの進歩はユートピアを招くかディストピアを招くか?
どうも、進化した人工知能は、人類に隷属することなく、
その優れた知性によって、人類を敵視しせん滅してしまう可能性があるとのこと。
このあたりは、ディストピアSF小説から多大な影響を受けているなあという
印象を受けましたが、だからといって、そんな可能性はさらさらないと
一方的に否定することは難しくもあります。
環境を破壊したり、戦争したり、人類が人類程度の知能でもって
やっていることは危なっかしくてしょうがない、と
人類以上の知能を持つ人工知能は考えるかもしれない。
そして、『ターミネーター』のスカイネットのように反乱を起こすことだって
考えられるというわけです。
また、進化した人工知能との共存の道はどうなるか、という可能性についても、
いくつかの方向が示されていました。
なかには『マトリックス』のように、意識をコンピュータ内に取り込んで、
仮想現実内で生きる存在になるという見通しも。
これは、「シミュレーション現実」というそうです。
ところで、本当に近い未来、それは5年後だとか10年後だとかで考えてみて、
コンピュータの進歩による人類への影響はあるのでしょうか。
それについては、大きくあるだろうということでした。
どんどん、人間の仕事をコンピュータが取って代わるようになる、と、
現在でも100万人規模のiPhoneなどの工場がロボットを採用して、
雇用人数を半減させるという話なども併せて載っていました。
中間的な職業の求人の無さはますます増えていくだろうとのことです。
社長やその取り巻きの高度な技術を必要とする職業や、
ロボットが得意ではない家事などの労働、介護などの「気持ち」を使う仕事は
生き残っていくとは言われていました。
工場勤務だとか、オフィスでの仕事だとか、そういうのはどんどん減っていくと
考えられるということでした。
どれだけの規模でそうなっていくかはわかりませんが、
傾向としては間違いないのではないかと、僕も考えたところです。
と、暗い話ばかりになりますが、本書のトーンとしては落ち着いていて、
危機をあおることもありません。
あとがきでは「明るい気持ちでいましょう」などと書かれているくらい。
現在、アメリカでは国防相が主導してシナプス計画を、
EUでは10年1000億円規模でヒューマン・ブレイン・プロジェクトを始めました。
脳を解明しコンピュータで再現するおおきな計画がすでに発動されているのです。
これらがもたらすものの行き着く先がどうなるのか、
本書で読んできたことなどを踏まえるとけっこう不安もあります。
しかし、きっと打開策や共存策はあるはず・・・。
そんなわけで、頭の隅っこででもいいからこういう案件を置いておいて、
それでいて各々みんなが自助努力と利他の精神で意識を変えていければ、
それが未来に繋がっていくのではないかと考えるところでした。
わかりにくいまとめですが、すべての道はローマに通ずということで。
Posted by ブクログ
AI将棋本「米長名人」、「アルゴリズムが世界を支配する」に続き3冊目の人口知能関連本。
丁寧な内容で、初学者向け。
けれど読み物としては前二つが面白ろすぎたために、少し見劣る。
Posted by ブクログ
コンピューターが能力を向上し続ける結果、2045年あるいは21世紀後半に、全人類の知能の総和を上回り、それ以降の将来は予測がつかなくなる、という説があり、それを説明した書。
ただ、多くのページは、ITの今後の発展予測を書いており、2045年の問題を論じているのは主に5章あたり。おもしろかったのは、その5章と、その後の社会を考察した7章。7章では、そもそもコンピュータ-がそこまで発展するほど経済は発展できないという暗い未来の予測も語られている。技術的な章よりもおもしろかった。
さっくり通勤電車2往復くらいで読めた。
Posted by ブクログ
<読む前>
2045年問題って初めて聞いた。
業界的に近いこともあって、一般的に言われていることなのか、2045年問題とは何かを知り、(何かわかんないけど)起きると仮定した場合の自分の業界・会社の向くべき方向を思考することが目的。