J.L.ボルヘスのレビュー一覧

  • 詩という仕事について

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    読んでよかった。そして、再読すると思う。
    詩というものが何か、について明確な答えは示されていない。それでもボルヘスが抱く詩への想いを、直線的というか曲線的?何と言えば良いのか、、好きに筆を運んでいるように見えたけど、最後の最後に上から見たら何かの形に見えるみたいな。

    小学校低学年から詩については習うわけだけど、理解できない、どう読んだらいいかわからなくてこの歳まで来てしまった。
    暗喩などのテクニック的な話もあり、いやいや意味なんてないんだよ/わからなくてもいいんだよという話もあり。
    もっと気軽に、楽しんで、でも深く入り込んで詩を読んでみようと思った。

    私のような消費者でなく、創作者が読んだ方が気づきが多いんだろうなと思うなど。

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    2025年12月15日
  • 詩という仕事について

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    ボルヘスの思うところの、「詩」へ関わり方が簡潔に5回の講義で話されている。
    最後の章は本当に感動した。
    結局は、言葉というものは読む人や書く人それぞれの生き方に沿っていくものなんだなと。
    インドの人たちの歴史への捉え方も面白かった。
    言葉や時の流れ、過去と未来、現代といった空気のような存在で考えもしなかった事について、この本を読む前と後ではガラッとひっくり返された気分です。驚きの講義。

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    2025年08月26日
  • 詩という仕事について

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    隠喩にこそ言語の本質があるとでもいうように、その働きを矯めつ眇めつし見極めようとする。また物語の機能の根源には歴史性があるという風に、古典に幾度となく立ち返る。

    謎を提示する、と本人の言うとおり、議論は明晰ではあるけれどクリアカットな結論に落とし込むためになされてはおらず、一読して理解した気にはなれなかった。

    紹介される英語の詩がどれも素人目にも美しい

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    2023年03月19日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

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    美しい言葉、秩序立った言葉で、親密に語るボルヘス。
    著作はあんなにも中心のない、めまいのする、読み手などいない、一方的な印象なのに、語る言葉は明白で、揺らぎが少なく、対話的、了解的だ。

    以下、雑駁な印象記。
    書物(それを読む人はそれが書かれてから、その時までの全ての時間を読む)
    不死性(ソクラテスの最後)
    スヴェーデンボリ(神を、天国と地獄を明晰に書く)
    探偵小説(これには驚く。秩序のない時代に唯一の秩序が探偵小説)
    時間(無限の考察)

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    2019年07月26日
  • ブロディーの報告書

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    小説。
    乾き、こわばり、血の味、人間の体臭、闇。
    『伝奇集』とは違う作家が書いているようだ。
    現実を追究しているにもかかわらず、かえって現実から浮遊してしまう。

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    2025年07月22日
  • 七つの夜

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    エピローグと訳者あとがきがぬくもりに満ちていて、本文に接する姿勢が変わる。掟破りだとしても、これらを先に読むことをオススメする。

    語りかけるような講演集。きわめて個人的なようで、それでいて多くの人の心を動かすような。

    第4夜 仏教、第5夜 詩、第6夜 カバラが俄然面白かった。翻訳も良いのだろうが、読んでいて心地よく深淵に至る。第7夜 盲目について、はその極致だ。打ちのめされる名文だ。

    ・私も自分の運命が、何よりもまず文学的であると常に感じてきました。つまり私の身には悪いことはたくさん起きるが良いことは少ししか起きないだろうという気がしたのです。でもけっきょくのところ何もかも言葉に変わってしまうだろうということが常にわかっていた。とくに悪いことはそうなる、と。なぜなら幸福は何かに変える必要がない、つまり幸福はそれ自体が目的だからです。

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    2019年07月15日
  • 七つの夜

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    <神曲>を題材にはじまる七夜の講演録。ひとつひとつとても面白い。その話の内容、ものごとの感じ方、捉え方が詩的でとてもいい印象を受ける。読み通した時に感じたことは孤独ではない感じだった。

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    2017年12月18日
  • 詩という仕事について

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    ボルヘスによる詩に関する話。詩に対して共感できることがここにはある。詩のよさ本来の姿といってもいいと思う。ボルヘスが先導役ならきっと詩を書こうと思う人は増えると思うな。そんな気がした。

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    2017年12月18日
  • 七つの夜

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    第四夜 仏教
    矢とは「私」という概念であり、我々ん突き刺しているあらゆるものの概念である。我々は無意味な問題で時を無駄にしてはならない。〜宇宙は有限か無限か。ブッダは涅槃の後、生きているのか否か。そんなことはすべて意味がない。重要なのは、我々が自分に刺さっている矢を抜くことだ。それはつまり悪魔祓いであり、救済の法なのです。

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    2015年03月20日
  • 詩という仕事について

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    ボルヘスは決して多くのことを述べているわけではないが、示唆に富んだ事柄ばかりを述べるため、豊富に世界が拡大していく。
    ・生は詩から成る。
    ・リンゴと口の接触が必要。
    ・詩は一回限りの経験。
    ・書物は美の契機。
    ・詩とは何かを心得ているために定義できない。
    ・隠喩……人間は断定よりも暗示を信じる。
    ・数えられるパターンから無限に近い変奏。
    ・未来においては状況や歴史や詩人の名前や生涯よりも、美そのものに関心が向けられるかもしれない。
    ・日常的な言葉から、魔術的な源泉を、詩人は呼び出す。
    ・ストーリーは信じられないがキャラクター(存在そのもの)は信じられる。ドン・キホーテ。ホームズ。
    ・人間の一生は、自分が何者であるかを悟る一瞬につづめられる。→イエスにキスをするユダ。→裏切り者。
    ・言葉は共有する記憶を表す記号。→読み手に想像させようと努める。→一種の共同作業。

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    2012年10月25日
  • 詩という仕事について

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    詩論として、しごく面白い。
    詩という謎
    隠喩
    物語り
    言葉の調べと翻訳
    思考と詩
    詩人の信条
    目次だけでもワクワクしませんか。

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    2019年07月20日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

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    ベルグラーノ大学で行われたボルヘスの講演記録です。
    幻想的な小説で知られる著者の世界観と、脱帽するほどの知識量に圧倒されます。
    哲学的であり神学的であり、論理的・科学的でもある語りに魅力を感じました。
    また、ボルヘスの本を読みたくなる一冊。

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    2018年09月23日
  • ブロディーの報告書

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    様々な人物の末期(まつご)が淡々と叙述されていくところは
    山田風太郎『人間臨終図鑑』のようだ。
    表題作を除いては幻想的でもメタフィクショナルでもないが、
    我々と異なる時代、遠い場所に生まれて死んだ人たちの――
    恐らく多くは作者が
    実体験・聞き書きに尾鰭を付けたと思われるドラマが
    味わい深い。

    晩年、作風がアッサリしていったのは、
    視力の衰え(最終的に失明)から
    口述筆記に移行したことと関係があったのだろうか。

    以下、特に印象的な作品について。

    「じゃま者」
     ならず者が暮らす地域に住んでいたニルセン兄弟の逸話。
     彼らは一人の女を共有したが……。
     自ら招いた三角関係の無残な清算。

    「グアヤキル」
     それぞれが属するカテゴリの代表的人物である
     二人の交渉が全体の動向を左右する、
     連動して決定される様が象徴的に綴られ、
     ラテンアメリカ独立運動の立役者二人について語る
     二人の学者の論戦が描写されている。

    「マルコ福音書」
     医学生バルタサルは、いとこに誘われ田舎の農場へ。
     管理者らは無教養で他人に無関心だったが、
     バルタサルが文字を読めない一家のために
     読み聞かせを行なうと、
     彼らは聖書のマルコ福音書に耳を傾け……。
     皮肉で残酷な結末だが、
     不思議に乾いた笑いが込み上げてくる。

    「ブロディーの報告書」
     1839年刊『千一夜物語』第一巻に挟まれていた
     宣教師デイビッド・ブロディーの手稿を
     スペイン語に翻訳したという体裁のフィクション。
     後進地帯で伝道に従事したブロディーが見聞きした
     ヤフー族の特異な習俗について。
     これはいかにもボルヘスらしい面白さ。

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    2018年03月29日
  • 詩という仕事について

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    『7つの夜』もそうだったのだけど、ボルヘスの講演録は読んでいてものすごく心地良い。それは彼の書物に対する愛情、文化に対する敬意を言葉の端々から感じることができ、博覧強記なその知性が軽やかなステップを踏んで読み手を魅力するからだ。一言で表すならば、それは信愛なる美しさ。物語について、詩についての講演録である本作ではそんなボルヘスの美学が満遍なく語られながら、書物を超えた「言葉」が持つ美しさへとアクセスする。ボルヘスが盲目となりながらも書物へ、そして美しさへの敬意を失わなかった理由に触れることのできる一冊。

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    2013年09月28日
  • 七つの夜

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    1977年に77歳のボルヘスが語った、7つの主題についての講演録。圧倒的な知性と芳醇な感性が、丁寧な口調から滲み出ているその語り口がまずは心地よい。神曲や千一夜物語の楽しみ方を解説し、仏教やカバラといった非キリスト教を紹介しつつ悪夢や詩、盲目について語るそれは主題が相互に絡み合い、ボルヘスという一つの書物を形成する。書痴とは即ち書知の快楽を求める者を指すのだと言わんばかりに、晩年の肯定感に満ちた姿は何より魅力的である。ちなみに、彼の仏教観は鈴木大拙氏の言う「即非の論理」をかなり正確に理解したものだと思う。

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    2013年07月06日
  • ブロディーの報告書

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    マルコ福音書は外部の知識人/知性者を神=生贄とする原始宗教とキリスト教の関係性を描いているが他の作品でもみるね。ここまで書いてちょっと違うかもしれない

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    2012年08月06日
  • 七つの夜

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    1977年77歳の著者が7夜にわたって行った7つの講演—こんな煽られ方されたら、レジに直行する。

    と言いつつ、『砂の本』で初めてラテンアメリカ文学に触れたとき、あまり楽しめなかったと記憶している。難解というか何かノリきれないものがあったのだ。
    その後のボルヘス体験は、『幻獣事典』とアレックス・コックスが監督した映画版『デス&コンパス』を観たくらい。
    レビューするにあたり、試しに『砂の本』を引っぱり出してみたら、意外と平易な文章で驚いた。
    マルケスにどっぷりハマり、リョサやプイグにちょっと触れ、ボルへスがデビューさせたコルタサルに幻惑されたあとだからこそ、そう感じるのかもしれない。

    本書の中では「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「カバラ」が特に面白かった。“理解する”には自分の知識が足りな過ぎるけど、それでも楽しめる。
    これを機にボルへスの他作品に挑戦してみようと思う。以前から読みたかった「神曲」の方が先になりそうだけど(笑)

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    2012年05月30日
  • 七つの夜

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    7つの夜。神曲、悪夢、千一夜物語、仏教、詩について、カバラ、盲目について。この並びを見ただけでヨダレが出そうだと、思わず買ってしまった。

    中でも、「神曲」の夜は群を抜いていると思った。必ずいつか読もうと決意させるほどの、もうなんというか魔術的な魅力があって、それは例えば「仏教」の夜にはないものだ。ボルヘスという人の住処を感じる本だった。

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    2011年12月17日
  • 詩という仕事について

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    詩を中心とした文学論、という印象。大学の講義録なので語り口が易しく、読みやすかった。後半3章が特に興味深く読めた。
    しかし内容が理解しきれたわけではないので、折を見て要再読。

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    2011年10月16日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

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    本編は全129頁。1978年ブエノスアイレスの大学で行われた連続講義の記録。
    人に伝えるためにボルヘスを日本人で例えると誰になるのだろうと考えたが、うまく説明できず。ベクトルは違うけど立花隆?
    書物、不死性、エマヌエル・スヴェーデンボリ、探偵小説、時間 それぞれのテーマで横軸だけでなく縦横無尽に智の巨人が語ります。

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    2020年01月21日