J.L.ボルヘスのレビュー一覧

  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    ボルヘスの思うところの、「詩」へ関わり方が簡潔に5回の講義で話されている。
    最後の章は本当に感動した。
    結局は、言葉というものは読む人や書く人それぞれの生き方に沿っていくものなんだなと。
    インドの人たちの歴史への捉え方も面白かった。
    言葉や時の流れ、過去と未来、現代といった空気のような存在で考えもしなかった事について、この本を読む前と後ではガラッとひっくり返された気分です。驚きの講義。

    0
    2025年08月26日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    隠喩にこそ言語の本質があるとでもいうように、その働きを矯めつ眇めつし見極めようとする。また物語の機能の根源には歴史性があるという風に、古典に幾度となく立ち返る。

    謎を提示する、と本人の言うとおり、議論は明晰ではあるけれどクリアカットな結論に落とし込むためになされてはおらず、一読して理解した気にはなれなかった。

    紹介される英語の詩がどれも素人目にも美しい

    0
    2023年03月19日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

    Posted by ブクログ

    美しい言葉、秩序立った言葉で、親密に語るボルヘス。
    著作はあんなにも中心のない、めまいのする、読み手などいない、一方的な印象なのに、語る言葉は明白で、揺らぎが少なく、対話的、了解的だ。

    以下、雑駁な印象記。
    書物(それを読む人はそれが書かれてから、その時までの全ての時間を読む)
    不死性(ソクラテスの最後)
    スヴェーデンボリ(神を、天国と地獄を明晰に書く)
    探偵小説(これには驚く。秩序のない時代に唯一の秩序が探偵小説)
    時間(無限の考察)

    0
    2019年07月26日
  • ブロディーの報告書

    Posted by ブクログ

    小説。
    乾き、こわばり、血の味、人間の体臭、闇。
    『伝奇集』とは違う作家が書いているようだ。
    現実を追究しているにもかかわらず、かえって現実から浮遊してしまう。

    0
    2025年07月22日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    エピローグと訳者あとがきがぬくもりに満ちていて、本文に接する姿勢が変わる。掟破りだとしても、これらを先に読むことをオススメする。

    語りかけるような講演集。きわめて個人的なようで、それでいて多くの人の心を動かすような。

    第4夜 仏教、第5夜 詩、第6夜 カバラが俄然面白かった。翻訳も良いのだろうが、読んでいて心地よく深淵に至る。第7夜 盲目について、はその極致だ。打ちのめされる名文だ。

    ・私も自分の運命が、何よりもまず文学的であると常に感じてきました。つまり私の身には悪いことはたくさん起きるが良いことは少ししか起きないだろうという気がしたのです。でもけっきょくのところ何もかも言葉に変わって

    0
    2019年07月15日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    <神曲>を題材にはじまる七夜の講演録。ひとつひとつとても面白い。その話の内容、ものごとの感じ方、捉え方が詩的でとてもいい印象を受ける。読み通した時に感じたことは孤独ではない感じだった。

    0
    2017年12月18日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    ボルヘスによる詩に関する話。詩に対して共感できることがここにはある。詩のよさ本来の姿といってもいいと思う。ボルヘスが先導役ならきっと詩を書こうと思う人は増えると思うな。そんな気がした。

    0
    2017年12月18日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    第四夜 仏教
    矢とは「私」という概念であり、我々ん突き刺しているあらゆるものの概念である。我々は無意味な問題で時を無駄にしてはならない。〜宇宙は有限か無限か。ブッダは涅槃の後、生きているのか否か。そんなことはすべて意味がない。重要なのは、我々が自分に刺さっている矢を抜くことだ。それはつまり悪魔祓いであり、救済の法なのです。

    0
    2015年03月20日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    ボルヘスは決して多くのことを述べているわけではないが、示唆に富んだ事柄ばかりを述べるため、豊富に世界が拡大していく。
    ・生は詩から成る。
    ・リンゴと口の接触が必要。
    ・詩は一回限りの経験。
    ・書物は美の契機。
    ・詩とは何かを心得ているために定義できない。
    ・隠喩……人間は断定よりも暗示を信じる。
    ・数えられるパターンから無限に近い変奏。
    ・未来においては状況や歴史や詩人の名前や生涯よりも、美そのものに関心が向けられるかもしれない。
    ・日常的な言葉から、魔術的な源泉を、詩人は呼び出す。
    ・ストーリーは信じられないがキャラクター(存在そのもの)は信じられる。ドン・キホーテ。ホームズ。
    ・人間の一生

    0
    2012年10月25日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    詩論として、しごく面白い。
    詩という謎
    隠喩
    物語り
    言葉の調べと翻訳
    思考と詩
    詩人の信条
    目次だけでもワクワクしませんか。

    0
    2019年07月20日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

    Posted by ブクログ

    ベルグラーノ大学で行われたボルヘスの講演記録です。
    幻想的な小説で知られる著者の世界観と、脱帽するほどの知識量に圧倒されます。
    哲学的であり神学的であり、論理的・科学的でもある語りに魅力を感じました。
    また、ボルヘスの本を読みたくなる一冊。

    0
    2018年09月23日
  • ブロディーの報告書

    Posted by ブクログ

    様々な人物の末期(まつご)が淡々と叙述されていくところは
    山田風太郎『人間臨終図鑑』のようだ。
    表題作を除いては幻想的でもメタフィクショナルでもないが、
    我々と異なる時代、遠い場所に生まれて死んだ人たちの――
    恐らく多くは作者が
    実体験・聞き書きに尾鰭を付けたと思われるドラマが
    味わい深い。

    晩年、作風がアッサリしていったのは、
    視力の衰え(最終的に失明)から
    口述筆記に移行したことと関係があったのだろうか。

    以下、特に印象的な作品について。

    「じゃま者」
     ならず者が暮らす地域に住んでいたニルセン兄弟の逸話。
     彼らは一人の女を共有したが……。
     自ら招いた三角関係の無残な清算。

    0
    2018年03月29日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    『7つの夜』もそうだったのだけど、ボルヘスの講演録は読んでいてものすごく心地良い。それは彼の書物に対する愛情、文化に対する敬意を言葉の端々から感じることができ、博覧強記なその知性が軽やかなステップを踏んで読み手を魅力するからだ。一言で表すならば、それは信愛なる美しさ。物語について、詩についての講演録である本作ではそんなボルヘスの美学が満遍なく語られながら、書物を超えた「言葉」が持つ美しさへとアクセスする。ボルヘスが盲目となりながらも書物へ、そして美しさへの敬意を失わなかった理由に触れることのできる一冊。

    0
    2013年09月28日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    1977年に77歳のボルヘスが語った、7つの主題についての講演録。圧倒的な知性と芳醇な感性が、丁寧な口調から滲み出ているその語り口がまずは心地よい。神曲や千一夜物語の楽しみ方を解説し、仏教やカバラといった非キリスト教を紹介しつつ悪夢や詩、盲目について語るそれは主題が相互に絡み合い、ボルヘスという一つの書物を形成する。書痴とは即ち書知の快楽を求める者を指すのだと言わんばかりに、晩年の肯定感に満ちた姿は何より魅力的である。ちなみに、彼の仏教観は鈴木大拙氏の言う「即非の論理」をかなり正確に理解したものだと思う。

    0
    2013年07月06日
  • ブロディーの報告書

    Posted by ブクログ

    マルコ福音書は外部の知識人/知性者を神=生贄とする原始宗教とキリスト教の関係性を描いているが他の作品でもみるね。ここまで書いてちょっと違うかもしれない

    0
    2012年08月06日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    1977年77歳の著者が7夜にわたって行った7つの講演—こんな煽られ方されたら、レジに直行する。

    と言いつつ、『砂の本』で初めてラテンアメリカ文学に触れたとき、あまり楽しめなかったと記憶している。難解というか何かノリきれないものがあったのだ。
    その後のボルヘス体験は、『幻獣事典』とアレックス・コックスが監督した映画版『デス&コンパス』を観たくらい。
    レビューするにあたり、試しに『砂の本』を引っぱり出してみたら、意外と平易な文章で驚いた。
    マルケスにどっぷりハマり、リョサやプイグにちょっと触れ、ボルへスがデビューさせたコルタサルに幻惑されたあとだからこそ、そう感じるのかもしれない。

    本書の中

    0
    2012年05月30日
  • 七つの夜

    Posted by ブクログ

    7つの夜。神曲、悪夢、千一夜物語、仏教、詩について、カバラ、盲目について。この並びを見ただけでヨダレが出そうだと、思わず買ってしまった。

    中でも、「神曲」の夜は群を抜いていると思った。必ずいつか読もうと決意させるほどの、もうなんというか魔術的な魅力があって、それは例えば「仏教」の夜にはないものだ。ボルヘスという人の住処を感じる本だった。

    0
    2011年12月17日
  • 詩という仕事について

    Posted by ブクログ

    詩を中心とした文学論、という印象。大学の講義録なので語り口が易しく、読みやすかった。後半3章が特に興味深く読めた。
    しかし内容が理解しきれたわけではないので、折を見て要再読。

    0
    2011年10月16日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

    Posted by ブクログ

    本編は全129頁。1978年ブエノスアイレスの大学で行われた連続講義の記録。
    人に伝えるためにボルヘスを日本人で例えると誰になるのだろうと考えたが、うまく説明できず。ベクトルは違うけど立花隆?
    書物、不死性、エマヌエル・スヴェーデンボリ、探偵小説、時間 それぞれのテーマで横軸だけでなく縦横無尽に智の巨人が語ります。

    0
    2020年01月21日
  • 語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか

    Posted by ブクログ

    ボルヘスの講演集、1978年ベルグラーノ大学にて。


    □ 「書物」

    情報とは、何か或る即物的な目的に従属しその目的に奉仕することだけが求められる手段としての知識でしかない。しかし書物は、単に情報を伝達する媒体なのではなく、それ自体として独立した意義をもつ存在なのだということ。単なる媒体以上である本の存在理由、それは本の「物質」性、その「物質」としての存在感、の内に在る何かではないか。以下は、「物質」としての本の魅力を表現した最も詩的で美しい文句であると思う。

    「私は今でも目が見えるようなふりをして、本を買い込み、家じゅうを本で埋め尽くしています。先だっても、一九六六年版のブロックハウスの

    0
    2019年07月27日