鈴木哲也のレビュー一覧
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1.地方ではあまりみませんが、東京にいけば必ず見ると言って良いほどの有名会社のことなので、なんとなく面白そうと思って買いました。
2.セゾングループを一から作り上げ、日本を代表する企業に成長させた堤清二社長の経営者としての道のりを記しています。現代の小売業はセブンとイオンの二強ですが、セゾンとの違いは、専門店を新しく生み出していないことです。2つ企業は、自社内でいかに大きくしていくかと言うスタンスです。しかし、セゾンは堤社長が部下にアイデアを投げ、それを具現化し、専門店として成長させていくスタンスです。この違いは組織風土の形成に大きな役割を与えています。いわゆる大企業病を撤廃し、常に斬新なアイデアとフットワークの軽い企業を維持したかったのだと思ってます。一般的な大企業の社長とは考えが違い、組織風土を積極的に変える姿勢が強く見えます。
3.堤社長の常に先を見る目はどうやったら養っていけるのだろうと考えながら読んでいました。かといってこれから売れるものだけに焦点を絞るのではなく、自分が魅力的だと思う要素をしっかり入れつつ、部下に会社を立ち上げるようにしています。
また、親戚達への反骨精神からセゾンの躍進を成し遂げてきた面もあり、楽しく読めるようにもなっています。やはり、他人よりも何倍もの努力を積み重ねた結果が惜しみなく出されているのだと思います。 -
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偉大な経営者! 何より創造的-日本にはいないタイプ
新しい業態を次々に創造-文化が中軸 未来先取り
①商品よりライフスタイルを売る
②モノ消費からコト消費へ
③店をつくるのではなく、街をつくる
「セゾン文化」
西武百貨店 PARCO 無印良品 ファミリーマート
主人公はヒト
しかし晩年は「資産バブル」銀行債務に押し潰された
弟の堤義明と父への対抗心が深入りさせ過ぎたのか
本来は、金のボリュームに価値を見出す経営者ではない
現代の閉塞感にこそ彼の存在が求められるがいない
脱収益至上主義・資本第一主義には「彼の文化主義」
彼の存在は早過ぎたのだろうか? 2020/04/30 -
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西武百貨店を足がかりに、無印良品、パルコ、ロフトから吉野家に至るまで、日本の流通業に大きな足跡を遺したセゾングループ。総帥だった堤清二氏の生き様を、様々な関係者のインタビューで再検証したドキュメンタリータッチの一冊だ。
なぜ無印良品が生まれたのか、なぜ電車もないつくばに西武百貨店ができたのか、なぜ吉野家を引き受けたのか。
セゾングループというとバブル崩壊後の経営危機、そしてグループ解体というところに注目が集まりがちだが、一つ一つのエピソードを目の当たりにすると、セゾングループが世に問うたことが、時代の先を行き過ぎたということに気がつく。「もし」が禁句なのは承知しているが、今なら受け入れられたものもあったように感じた。
マーケティングの教科書としても読めるし、日本の産業史としても人物史としても読める。私にとって、ここ10年で一番の本だった。 -
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セゾングループ発の某企業を傘下に収める会社に勤めており、会社から勧められて購入しましたが、正直、非常に面白い本でした!80年代後半生まれの私はセゾン全盛期を知らなかったので、西武とパルコ、Family Mart以外にも、無印良品、ロフト、JWAVEがセゾングループ発だったことは全く知らず、これだけの専門店企業群をセゾンが生み出していたことは驚きでしたし、糸井重里さんをはじめ、多彩なクリエイターとキラキラした広告を作っていたことも知りませんでした。今の日本の消費文化の源流の一つを間違いなくセゾングループが作ったと感じました。経営者としては賛否両論な部分もあるかもしれませんが、熱量があり生粋の文化人であった堤氏のような方の下で一度働いてみたかったなぁと思います。
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私の青春時代、西友の中に普通に無印があって、一人暮らしを始めた私に母「無印でいいから必要なものを買いなさい」なんて言ってたっけ。今では国民の大多数が認めるライフスタイルブランドになっているけども。
無印にしてもロフトやパルコにしても、商品を通して国民のくらしを変容させるビジョンに共感するし、そこは軽井沢などをリゾート地にして中流階級の余暇を変えた堤康次郎にも通じているような気がします。
無印が最近調子いいみたいだけど、そういえば昔ダイエーの中に入ってたドムドムも最近話題になってきてるよなー。なんて気になってダイエーグループの現在も調べてみたらセゾンより全国に展開していたし(解体も半端ないけど)、セゾンの堤氏とダイエーの中内氏の思想なんかを比べてみるのも面白そう。
それにしても、強い哲学とビジョンを持ち、バイアスブレイクを意識し行き過ぎた資本主義や高級志向を疑い否定する堤氏のスタイル。現代においても必要になってくる姿勢を社員にも示してしたにもかかわらず、イエスマンは必ず発生したり、買収するしないゲームになったりで、やっぱり規模が大きくなると経営ってむずかしくなるよな...という諸行無常感を感じたりします。(今でも拡大し続けているイオンやファストリはホントすごい)セゾンは財務管理に問題があったのでは...という見方もある。 -
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部長からいただいた。
抗生剤のせいで、頭がぼーっとすることもあり、思ったより時間がかかったけど、これはたしかに色々と歴史の教訓が見つかりそうな会社だ。
・反体制
・自己矛盾
・理想主義(文化の発信)
・効率性一辺倒ではない、人間重視の世界観
・先見性、優れた構想力
・事業管理への関心の低さ(事業立ち上げに比重)
・ゆるい規律(ファミマとセブン)
・オーナー一族
・不動産投資、大型開発(結果的にこれがとどめ)
・多様な事業会社
・専門店に生き続けるセゾンDNA
・次世代経営者がたくさん育った(忘れてはならない堤の足跡by著者)
・努力を重ねた人
・裸の王様は避けられず(監査を活用してください) -
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セゾングループを作った堤清二についての本。
弱小百貨店で、ラーメン百貨店と当時いわれていた赤字の西武百貨店を任せられながら、様々な文化的なコンセプトを発案し無印良品、、パルコ、ロフト、ファミリーマートとブランドを作り、セゾングループを成長させた。
だが、バブル崩壊と共に、セゾングループは解体していく。
何十年も前から「モノではなくコト」を優先していた先見性に驚く。
そのための、文化的なコンセプトの発案、それを現実にする推進力がすごい。
ただ、本文に記載さているように、自分の案が実現されてしまうと興味がなくなってしまう。なので企業としての採算の確保部分がどうしても甘くなる。
高度経済成長、バブルと皆が豊かになることが、世界が豊かになる事態にはとてもフィットしたやり方だが、経済成長がゆるくなると精緻な経営が企業の基礎体力維持のために必要になってくる。
アイデアを出しながらどんどん推進していく堤さんの帝国の中で、お目付け役の大番頭のように企業の屋台骨をしっかり安定させる人間がいればよかったのかなとも思う。
堤さんの権力が絶大すぎて忖度や根回しによる決断の遅れなど、大企業病的な性質も現れる。
どこの企業も成長期が終わり安定してくると陥る状態だろう。
百貨店が苦戦を強いられる中、今までの百貨店の歴史を振り返り、社会の変遷に対しての栄枯盛衰が分かる部分も面白かった。 -
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物心がついたときには丁度バブル経済が破綻しかけていた自身にとって、セゾングループという存在は一種の謎めいた企業体であった。セゾングループが、なぜ企業体としての経済成長と同時に、ある種の文化的爛熟さを提示することができたのか。それが私にとっての謎であった。例えば、中学生のときから私が愛聴してきた日本が誇る作曲家である武満徹。彼の生涯を追うときに、セゾングループが主催した事業「MUSIC TODAY」の存在は欠かせない。その支援は、いわゆる企業メセナ・CSRといったものとは違う立ち位置に感じられていた。
その答えは、セゾングループのドンたる堤清二に迫る他ない。本書は長らくセゾングループを日経の記者として取材した著者によるルポルタージュである。
本書の問題提起は、バブルの最中で不動産等の過剰投資によりセゾングループを崩壊に追い込んだ堤清二の負の側面ではなく、正の側面を照射しようとする点にある。例えばその正の側面とは、無印良品、パルコ、ロフト、ファミリーマートといった今でも別資本の元で活躍を続ける種々の企業体の創出。また、美術・アート・コンサート等のいわゆる”コト消費”の先駆け。こうした観点から、関係者のインタビューを元に本書では堤清二に思想を明らかにしようとする。
時間が経つことで負の側面がマイルドになり、それまでは隠れていた正の側面が浮かび上がってくるということは往々にしてある。歴史的再評価とでも言おうか、本書を読んで堤清二の生き方は十分それに見合うものであるということを実感した。 -
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西武百貨店、クレディセゾン、良品計画、ファミリーマート、ロフト、パルコ、吉野家、西友、といった企業が1つのグループから生み出されたと言われてもピンとこない人がいるかもしれない。
外資のや他社傘下に入った企業もあるが、今もなお日本のマーケットを牽引する専門店が綺羅星のように存在するグループ。
それを作り上げた堤清二氏。
バブル崩壊とともに経済界から姿を消したと記憶していたが、こんな風に世の中を、未来を見ていた人なんだと初めて知った。
物を売るという商売ではなく、ライフスタイルを提案するという事に重きを置き、その実現のために自身の人生を賭けた。今の世を見ているとどのように感じられただろうか。
私自身もこれから先の10年、20年を見据えて、世の中の役に立つ事ができるだろうか、そんなことを実現したいと考える上で非常に参考となった気がする。
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ネタバレセゾンって大学に入ったときに絶好調だったから、もう本当に完成されたものだと思ってたけどそんなことなかったんだね。藤沢のlibroでテニスボーイの憂鬱のサイン本を買ったことを覚えているし、本のレイアウトの感じもうっすら覚えてる。駒沢大学にもあったよね。こんなところで大丈夫かなーと思ってたら大丈夫じゃなかったんだけど。あと、セゾン美術館のクリムトとかね。あれ、すごかったな。ニューアカのねじろの池袋にはあまり行ったことがなかったけど。クアトロはクラウドベリージャムとか見た。それからPHATか。でも、どんなに文化的に優れていても、どんなにかっこよくても、続かなくっちゃいけないんだよね。ということを自分への戒めとして読みました。
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隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に基づいて解説している。
瀬川さんの論稿は、自らの記者としての失敗経験をもとに、記者としてどのように専門家への取材に臨むべきか、専門家としてどのように記者からの取材に臨むべきかの提案を記載している。
その他たくさんの著者による論稿があるが、誰がどのような視点で稿を寄せているのかを、冒頭でまとめておいてもらえるとより読みやすい。書名になってる「『専門家』とは誰か」からは若干距離がある議論をしている著者もいくらか見られたので、それぞれがどのようなスタンスで議論しているのかが明確になると、より立体的な内容になるのかな、と感じた。