鈴木哲也のレビュー一覧
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堤清二が作り上げたセゾングループ。
最終的に収益化に成功し、帝国を反映させることはできなかったものの、時代の最先端を直走り、今でも残る企業を複数立ち上げたとんでもないグループ。
西武百貨店を皮切りに、西友、ロフト、無印良品、ファミリーマート、クレディセゾンと、今でも別法人の傘下で日本を支える企業が多数ある。
吉野家も一時、この傘下にあり当時のこのグループの実力には脱帽の思い。
このグループを率いた堤清二。彼の数奇な運命はメディアの格好の餌食ではありながらも、根本にあるのは反体制。常に自らに対するアンチテーゼを探しながら、新しいものを作り出し続ける。
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Posted by ブクログ
無印良品やロフトなど現在でも業界のトップを走るブランドを数々立ち上げたセゾングループの堤清二氏の半生や功績について関わりのあった関係者の取材などを通して書かれた一冊。
大資本家の一族として生まれ、父も経営者というなかで無印良品やロフト、パルコといった斬新なブランドを次々に誕生させ、画期的な戦略で他とは一線を画したルーツには父や異母弟との確執が大きく影響していると本書を読んで感じました。
高度経済成長がひと段落し、国民が充実したライフスタイルを求めていることを察知し、様々なブランドを作っていった時代を読む眼は読んでいて何度も凄いと感じました。
80年代にキャッチーなコピーで当時の小売業界では他とは一線を画した戦略を打ったり、一軒の店舗から街の空間を作ったりと一族の中で異色の存在となるべく奮闘してきた堤氏の姿は印象に残りました。
本書を読んで、自身の消費の先を読む感覚で今の時代も存在感を放つブランドを多く作ってきた堤イズムの浸透している後継者たちがどのような道を進んでいくのか楽しみになるとともに堤氏が歩んできた足跡を辿ることでこれからの小売業界や経済界についてのヒントが詰まっているとも感じた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
「商売を通して、生活や文化を作ることに貢献する」という小売業の醍醐味ややりがいといったものを改めて考えさせられた。
無印、西武だけでなくチケットセゾン、J-WAVE、パルコ、クレディセゾン、このあたりが面白かったな。
無印良品とは、消費者の自由を確保すること
生活の要求の多様性、意義のある生活を送りたいという願望、生活の知恵を得たいという願い、そういう人々の要求に応えるように売場が作られ、商品が提供されているということ
自分の頭でものを考え、判断することが質販店なのである
米国の様子を見ていると、その地域に住んでいる人に合わせて品ぞろえを変えている。その変え方がチェーンオペレーションのスピリットになっているという感じがする
ノーアイデアでなんとかするというのは、みっともないんですよ
資本の論理と人間の論理の間にあるという「マージナル産業論」
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Posted by ブクログ
アベノミクスも株価にしか影響を与えず「失われた20年」は「失われた30年」にならんとしている今、では「失われていなかった時代」、いや「得ようとしていた時代」を確かめてみたい、ということで80年代を考える読書が続いています。そこには80年「じぶん新発見」81年「不思議、大好き」82年「おいしい生活」という糸井重里のコピーで突然、地上に現れたセゾン文化という大河が滔々と流れているのです。そしてその源流としての堤清二という変わった経営者に興味を惹かれて「闘争と叙情」「ユートピアの消滅」「わが記憶、わが記録」などを読み続けているのでいるので、新聞広告の「これはおもしろいぞ。糸井重里」の惹句で即読み。とても読みやすいので、堤清二入門書として最適かも。わかりやすくしている分、あるいは著者がビジネス誌の編集者である分、堤清二のモヤモヤ感が消えていて「未来を予見していた経営者」の魅力が今ひとつ伝わっていないような気もしました。ただ、堤清二にしろ辻井喬にしろ自分で書いた本では明確に指摘されていない、父 堤康次郎が軽井沢開発で文化をテーマに推進した手法との再帰性は、発見でした。働き方改革、データサイエンス、生産性が語られる現在、堤清二の説明の出来ないようなモヤモヤ感をどうアップデートするか?が大きなテーマになると思っています。