枇谷玲子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うすうす気づいていたが、この本を読んで確信。
わたしはとても敏感な人である。
・寒さや隙間風に弱い
・ストレスがあるとすぐ病気になる
・小さい音が気になる(隣の部屋の足音とか話し声)
・匂いに敏感で苦手
・1人の時間が必要
・すぐに疲れてしまう
・一緒にいる人を楽しませなくてはならない
・自分はなんて退屈で陰鬱な人間なんだ
・努力しないと愛されない
これがHSP の特性と知って、心が軽くなった。
私は心が弱いわけでも、頭がおかしいわけでもない。
人より敏感なだけなんだ。
もちろんこれ以外にも項目もあって、あてはまらないこともある。
作者がデンマークの方なので文化の違いで参考になら -
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Posted by ブクログ
ネタバレノルウェー人の作家さんの作品でした。
詩的な文章、
徒歩旅行の旅日記みたいなところもあれば、
これまでの欧米作家の言葉を引き合いに出して思索したり、
そんな中で自分に対する問いかけが何度もなされ…
半分酔っているのかな、ノルウェー人は本当にアルコールをたくさん飲むという情景が思い浮かぶ、、、
そして孤独を愛しているようで寂しさとも無縁ではないような、
長い道のりはやっぱ誰かと歩くに越したことはない、みたいな話とか、
女性とのやり取りや、
職についていないことについて少し後ろめたくもそれで自由でいられるのだと言い聞かせるようなところも何度かあり。 -
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Posted by ブクログ
詩のようなエッセイのような、不思議で美しい文章。
自然の中を一人で歩きたくなる。
原文で読めたらさらに素敵なんだろうなあ。
それにしても、恐ろしく自由な徒歩旅行だ。
ときおり挟まれる、女性とのコミュニケーションが唐突に俗っぽくて、またいい。
ここがとても好き。
「理由は知らないが、上ることは、はじまりと同義なのかもしれない。何か新たなことのはじまりと。下りはより物悲しく、陰鬱だ。私達は終わりに似たものに向かって歩く。歩くことは、私達に死を思い出させるのだろう。上ることで、新たな可能性や新たな人生への期待が芽生えるのと同じように。」 p.202 -
Posted by ブクログ
恥に潜む恐怖が強烈なのは、脳の仕組みのせい。原始、群れからつまはじきにされるのは死を意味した。そのため、恥の反応に際しては、命を脅かされる恐怖を感じることがある。このことは、著者以外にも多くの人が言っていて、私も非常に説得力のある仮説の一つだと思っている。殺されるわけではないのに、ドキドキが止まらない。恐怖感や嫌悪感が静まらない。これらは全て脳による自動的に発動する現象であり、これをコントロールできないことが、多くの人の悩みだと思う。
この危険センサーは、群れからはぶかれても死にはしない現代においても、作動する。この誤作動は、自発性や行動力、我々の「勇気」に悪影響を与えている。でも、仕方ない -
Posted by ブクログ
妻に先立たれ恋人も失った中年男が、ノルウェーのフィヨルドを辿ってひたすら歩き続ける。若い頃から何度も徒歩旅行をくり返してきた著者自身を主人公に、記憶と現在を行き来しながら文学と恋愛と歩行を語る自伝的小説。
タイトルからずっと気になってた本なんだけど、完全に同テーマのソルニットを先に読んだせいでどうしても「マッチョだな〜〜〜!」と思わずにいられなかった。散歩中に見かけた高級車を買ってそのまま他国で乗り捨てた話とか、旅先でのさまざまなワンナイトの思い出とか、読んでてちょっと疲れるエピソードがハードボイルド風に語られるのだ。
なのにヘミングウェイが一度もでてこないのが不思議だった。ランボーについて -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本にあるように、若い頃は自分の過敏さや限界を分らず苦労してきました。
鬱になったりいろいろいろいろしてきて、散々自分と向き合って、自分の性質がわかってきたので、いまは断ることもできるし、大人数のところにはいかないし、1人の時間がなにより大事で周りもそれをわかってくれて(友人に「あの人は、人が増えたらふらっといなくなるから気にしないでいいよ」と周りに説明されてたのには笑いました)
マイペースに楽に生きていますが、そうだったなー、こんなことあったなー…とか思いながら読みました。
納得できるところが多い本でした。
内容メモ
・内向的な人はたわいもない雑談には緊張しますが、共通の話題を持つ相手と -
Posted by ブクログ
時々、歩いています。本当に、時々ですが。時間を作って仲間と20Kmを目安に朝から夕方まで、です。また,低山を登ったりもします。登山というより、歩くことの延長にあるよな時間です。そこには、話したり、黙ったり、考えたり、思い出したり、無意識になったり、椅子に座っていたりベッドに寝ていたりするのとは違う気持ち良さがあるから…だと思ってきました。たぶん、一歩一歩を積み重ねるリズムが脳をある状態にする、という連関があるのかもしれません。なので、本書は「歩くこと、または飼いならされずに詩的な人生を生きる術」はど真ん中タイトルでした。短い文章を積み重ねていく感じが、一歩一歩感を生み出し、それが現実描写だった
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Posted by ブクログ
ネタバレよもや2作続けての父親の狂気を題材とする物語を読むことになるとは。
デンマークのとある島のそのまた離島、”頭(ホーエド)”の奥地に世間から隠れるように暮らす一家。
クリスマスイブに父親のイェンスは娘リウの目の前で祖母を枕で窒息死させ、庭で焼いてしまう。
「闇は痛みを取り去るから大丈夫」と早速の狂気を見せつつもリウはそれをすっと受け入れている。
なんなの!?この不穏さ。
サイコファミリーの話か?と思うも、リウの反応は他者との関わりが極端にない世界で生きてきたが故の素直さによるもの。
父のイェンスが、これでもかというくらい心の平衡を失っていく物語。
どんなものにも価値があるという信念から、家 -
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