樫崎茜のレビュー一覧
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10歳の日々の思い出。栞は「き」と「ち」の発音がうまくいかず、言葉を発することに苦手意識を持っていた。そんな栞が通うようになった「言葉の教室」。そこで佐山先生と過ごした時間は、栞にとってかけがえのないものとなっていた。
大きな事件は起こりません。でも小学4年生の子どもにとっては、その時その時が大きな出来事の連続なのです。
校庭のセコイヤの木が伐採されるという噂、スイミーの広場から聞こえてくるという声、運動場で拾った光る石(隕石?)、集めた空き缶のプルタブ、セコイヤ伐採反対の署名、そしてクリスマスの次の日に佐山先生から受け取った想い。
いつでも佐山先生は話を聞いてくれた。さあ考えてごらんと栞に -
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中2の2学期。職場体験の受け入れ先が、希望していなかった県立自然史博物館になった5人は、全員別々の仕事を手伝うことになる。
理科の成績のあまりよろしくない多嶋育実は、魚類を受け持つことになったが、着任してすぐ連れて行かれた漁港で不思議な生態のミツクリエナガチョウチンアンコウと出会う。
古脊椎担当になった橋本恋歌は、遅刻してきた担当者と話すうち、化石が入っているかも知れないノジュールに関心を持つ。
博物館に全く関心のなかった5人が、それぞれの経験から一歩成長する姿を、5人が語るオムニバス形式で描く。
*******ここからはネタバレ*******
博物館の活動紹介のための教科書的な本 -
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博物館に職場体験に行った5人の中学生。博物館の裏方を知るにはわかりやすい。特別望んできたわけでもない中学生たち。博物館の仕事自体にも新しい発見の連続だったようだが、一緒に職場体験をした仲間たちの今まで知らなかった一面を発見できたことも大きな収穫だったようです。
自分が実際に職場体験の中学生と接したときの感想から言うと、この本に登場する中学生たちは、みんな積極的。ほとんどの中学生たちは、もじもじとしていて自分から質問してくる子は少なかった。ボランティア(学校の過程としての)で来てくれる高校生とも接したけれど、高校生くらいになればこの本の中学生くらいの反応はしてくれるけれども、職場体験で一律に課 -
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夏休みや運動会などのふくらませがちな場面にほとんどふれることなく、これだけの分量を文体を狂わすことなく書きあげていて、ストーリーも無理なくまとまっていたので読みやすくはあった。ただ、無難に丁寧だという印象をうけ、著者の持ち味が最後まで見えてこなかった。
セコイア伐採の日まで、毎朝早起きをしたり著名運動をしたりと、栞のセコイアへの想いは日に日に強くなっていく。そのことを(佐山先生との交流とともに)ずっと重点において丁寧に書きすすめたわりに、セコイア伐採の場面から感じられるものがあまりにも少なかった。あっけなく伐採されたことが、そのまま文の短さにまでなってしまっているとしか僕には捉えられず、たとえ