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自分の言葉で思考することを覚えた少女。迷いながらも1歩ずつ世界を広げていく――「ボクシング・デイ」それはクリスマスに1日遅れてプレゼントを開ける日。「ことばの教室」に通い始めた10歳の栞は、思うように言葉が出てこない。しあわせ、悲しみ、そんな言葉に想いを巡らす日々が訪れ、栞はいつしか滑らかな発音だけではない贈り物を手にしていた。<第18回椋鳩十児童文学賞受賞作品>
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Posted by ブクログ
10歳の日々の思い出。栞は「き」と「ち」の発音がうまくいかず、言葉を発することに苦手意識を持っていた。そんな栞が通うようになった「言葉の教室」。そこで佐山先生と過ごした時間は、栞にとってかけがえのないものとなっていた。 大きな事件は起こりません。でも小学4年生の子どもにとっては、その時その時が大き...続きを読むな出来事の連続なのです。 校庭のセコイヤの木が伐採されるという噂、スイミーの広場から聞こえてくるという声、運動場で拾った光る石(隕石?)、集めた空き缶のプルタブ、セコイヤ伐採反対の署名、そしてクリスマスの次の日に佐山先生から受け取った想い。 いつでも佐山先生は話を聞いてくれた。さあ考えてごらんと栞に問いかけた、そんな佐山先生との思い出。 クリスマスに1日遅れてプレゼントを開ける日ボクシング・デイ。全ての人にプレゼントを開ける権利がある。全ての子どもにプレゼントを渡すため先生になった。 しあわせや不幸の感覚は人それぞれ。佐山先生にありがとうを伝えるために思い起こされた10歳の日々。佐山先生の想いは読み手にも受け渡される。 読み終えた時に、胸の奥にすとんと温かいものが納まっています。
小学生の日常を淡々と綴っているが、すべての人が丁寧にことばを紡ぎだす。普通のひとの誰でもがすごした小学生時代のなにかしらの想いでに懐かしみを感じることと同じ感傷をさそう。何でもない終章に涙がこぼれる。あったかいよ。
小学校4年生の、「ことばの教室」に通う女の子のお話。主人公の視点から先生のことや友達のこと、学校のことが描かれていて、なんだか優しい気持ちになる本。 2012/5/2
夏休みや運動会などのふくらませがちな場面にほとんどふれることなく、これだけの分量を文体を狂わすことなく書きあげていて、ストーリーも無理なくまとまっていたので読みやすくはあった。ただ、無難に丁寧だという印象をうけ、著者の持ち味が最後まで見えてこなかった。 セコイア伐採の日まで、毎朝早起きをしたり著名運...続きを読む動をしたりと、栞のセコイアへの想いは日に日に強くなっていく。そのことを(佐山先生との交流とともに)ずっと重点において丁寧に書きすすめたわりに、セコイア伐採の場面から感じられるものがあまりにも少なかった。あっけなく伐採されたことが、そのまま文の短さにまでなってしまっているとしか僕には捉えられず、たとえば時間の経過の表現方法として著者がわざとそうしたのだとしても成功していないと思った。 僕がこの小説でいいと思ったのは、敦志くんと千晶くんという二人の男の子をしっかりと描き分け、物語のなかで(栞のなかでもそうかもしれないが)二人の役割分担がなされているところだ。敦志くんの思いがけない変化や、千晶くんのいつも変わらぬ温かいまなざしは、本文にははっきりと書かれていないが二人の友達が『異性』であることを栞が意識しはじめる予感があって、なかなかよかった。
のんびりとした田舎町の古きよき小学生の世界が描かれているし、世界観もお上品で、読んでいて気持ちの悪いものではなかった。でも、小学生がこんなに助詞の正しいきちんとした日本語を使うかなぁ?というところは大きく疑問を感じた。いろんな意味で、少し『遠い』な・・・と感じました。
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