七瀬晶のレビュー一覧
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サイバーミステリというジャンルを一冊丸ごと語り尽くした評論本。評論という体裁ではあるものの、サイバーミステリという単語に馴染みのない人間を想定して描かれているため、非常に分かりやすく、かつ興味を抱かせる内容となっている。特にSNSを一度でも使ったことの有る人間なら分かるであろうセキュリティの問題や、ネットで醸成される空気感や個の埋没化などは非常に共感を覚える部分であろう。当然、評論としても非常に面白く、サイバーミステリと従来のミステリで変化した部分や、サイバー空間におけるミステリの拡張性などの部分は興味深い内容になっている。特に、データ同定問題における、従来のミステリに比べて物的証拠の正誤を確
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Posted by ブクログ
シリーズ2作目の「百両の秘本」のほうを、たまたま書店で衝動買いしたら、こちらが1作目ということで急きょ手に入れました。こちらと先に出会っていたら、手に取っていなかったかも。この表紙もとてもかわいらしいのですけれど、インパクトという点で。
さて、物語は、表紙のイメージを快く裏切ってくれます。
本格的かつトラディショナルな時代小説を読んでいるかのような文体と、勧善懲悪のキャラクター設定。いかにも印象の悪そうな人が本当に悪いのは、読んでいて安心します。
お転婆なお姫様に、こっちまでハラハラさせられっぱなしでした。
時折、主語が判らなくなることもあったので、★一つ減らしました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ引き離されて育った、大名の双子の姫。一人はお姫様として屋敷の中で育ち、もう一人は吉原の廓の中で、禿をして育った。
武芸が達者な千代と、本が好きなおいち。性格も正反対な二人が、なんの運命の悪戯か、湯屋で入れ替わってしまったから、さあ大変。
お互いの抱える難題を解決せんと、周りの人々の助けも得ながら、奮闘する様を、時にコミカルに描く。
あんまり時代小説は読んだ事が無かったのですが、表紙も可愛いし、この頃、江戸時代の面白さが分かって来たので、読んでみました。
作者はこれまで、現代小説で活躍されて来た作家さんとのこと。専門的になりすぎず、詠みやすかったです。
おいちはこの1巻ではま -