伊藤氏貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
赤貧日記とあり、貧乏という視点から見た樋口一葉というテーマはあるものの、実質的には樋口一葉の評伝に近い。日付単位で年表を付記するほどなので、かなり細やかな作業である。
一葉はとても賢い子どもだったらしく、父親もその才気を伸ばそうと学校に通わせる。当時、女子の小学校進学率は五割にも満たなかったらしいが、一葉は母親によって退学させられる。当然だが、一葉の幸福を願ってのことである。女子にとっての教養は幸福の邪魔である、というのが当時の常識であり、先進的であった父も渋々納得する。それは、無教養でも一心不乱に樋口家の幸福を支えた母への優しさでもあった。
ともあれ、一葉の幼少期は裕福であり、教養も身に -
Posted by ブクログ
無理やり覚えさせられるのではなく、生徒自身の興味を引き出すことができるのは、教師やテキストではなく生徒自身が主役になれるからなんじゃないか、と思った。
感性はもって生まれたものではなく、育てることができるものであると証明している。中~高校生の授業がテーマの話なので、感性のやわらかい子どものうちに、と書いてあったが、大人でも感性を育てることは出来ると思う。自身が興味があることを徹底して調べること、その内容を議論すること、というのは、大人になったからこそやりたいと思った。
有識者が語り手の役割と随時の解説を担っていたが、どちらかというと解説はまた別枠でやって、地の文は語り手は出てこない方がまと -
Posted by ブクログ
まぁ、「東大合格率日本一」っていうのがあって、そこから導かれて、ものすごく外側から書かれた本だから、こんな感じなんだろうなぁ。
失敗には理由があるけど、成功にはたいした理由はないというのは、この手の本を読むときに、いつも心にとめておかなければならないことです。
もちろん、そこからなにも学ぶなという意味ではないけれど。
この物語の中での1番の奇跡は、エチ先生に、自由に精一杯やれる環境があり続けたということですよねぇ。学校では、昔から、「教科書教えろ問題」っていうのがありますから。
確か、裁判にもなったような気がします。
その環境をつくって維持していくことも、もちろん、その人の徳であったりす -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃイノベーティブでもクリエイティブでも無いが、うん、なるほど確かにコノ手の企図で編む本はアリだよな。そう深く頷きながら読み進める一冊。
云われてみればその通り。世に「一度死んだことのある人」など何処を探してもいやしない。つまり「死」を自らの体験を以て教えてくれる先人は誰も居ない。自ら考え、恐れ、悟り、備える以外に無いわけだ。その意を噛みしめながら読むことに、意味があるような気がした。
当方自身も例にもれず「死にたい」とふと思うことはゼロじゃない。でも、本書のような示唆を与えてくれる本を読むことで、自身に本当に必要なことは「死ぬ」ことではなく(今の困難や意に添わぬ状況に対し)「どう生き