P.L.トラヴァースのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
大人の常識からではなく自分の意思で言葉を発してくれる人って信頼できるし、それが自分の知らない知識をベースにした言動だったりすると、虜になってしまうよね。メアリー・ポピンズのことが大好きな子どもたちの気持ち、分かるな。
バートも、絵を描いて、「すごい!」って言ってるだけなんだけど、なにか肩書きだけで判断できない人間的な魅力を感じる。
日常のすぐ近くには不思議でいつもの常識が通じない世界があって、メアリー・ポピンズはそっちの世界の住人なのかもしれない。あるいは、彼女は「じぶんだけのおとぎの国」をしっかり持っているだけなのかも。
楽しいことを考えると浮くっていうのはピーターパンと似てるなって思った。「舞い上がる」っていう言葉もあるし、楽しいことを考えることは何か宙に浮くような気持ちのことを言うのかもしれない。
赤牛の月を飛び越える描写がとても幻想的。以下抜粋↓
たくさんの星が、大きな金のさらのように、まわりをまわってゆきましたが、やがて、目もくらむようにあかるくなると、月のつめたい光線がふりそそぐのを感じました。(中略)その星が消えていった闇のほうから、すばらしい音色の音楽がきこえてきて、それが空いちめんにひびくように思われました。
マイケルがどうしようもなく暴れ出したい気持ちを抑えられなかったあの日は、大きく成長する段階にあって不安定な時だったのかもしれない。不思議なコンパスで世界中を旅して、様々な人種・習慣を持った人々と出会う。ただ、マイケルが1人で回したらその土地の知らない人々が襲いかかってきた。成長するということは、無闇に色々なところに行ける能力を持つことではなく、自分で人脈を勝ち得ていくことと言えるのかもしれない。
そして、自分の無力さを実感した時に助けてくれた人こそ、本当に信頼できる人だと言えるのではないか。
鳥のおばさんは、鳥のさえずりのように決まり文句だけしか喋らないように聞こえているだけで、実は喋っているのではないか。鳥と話ができるメアリー・ポピンズや赤ちゃんは、その言葉を理解しているのでは。
コリーおばさんが星を一旦ジェーンとマイケルに渡したのは、ジンジャーパンで子どもたちを喜ばせてからじゃないと空に貼り付けた時に十分に輝かないからだろうか。
特別な魔力が宿る金曜日に不思議な店で買ったジンジャーパンの星が空の星になるという、なんとも夢のある話。
メアリー・ポピンズの誕生日と満月が重なった日、閉園後の動物園では、人と動物の立場が逆転する。キング・コブラの「たべることも、たべられることも、しょせんおなじことであるかもしれない。(中略)おなじ物質が、わたくしどもをつくりあげているのです(中略)すべて、おなじところにむかって、動いているのです。」というセリフは、全ては地球という生きものの一部なのだということを、違う言葉で的確に表した言葉だと思う。
オットセイの「いったい、いままで、だれひとり、おれが泳げるかどうか、考えてくれたやつはないんだぞ。」という言葉にはハッとさせられた。 -
Posted by ブクログ
*ディズニー映画のメリーポピンズが大好きだが原作は読んだことなかった。で、今度2014年3月公開のディズニー映画「ウォルト・ディズニーの約束」が、「メアリーポピンズ映画化」という出来事を題材にした映画だそうなので、その前に読んでおこうと思って入手。
*原作のメアリーポピンズは、無愛想で高慢ちきで自惚れや。子供にも厳しい。映画のジュリーアンドリュースもそういう演技はしているので、全く違うということはないけど、ちょっとびっくりするくらい、「よいおとな」らしくない。
*全然「いい人」っぽくないので、なぜ子供たちがメアリーにひかれるのか疑問に感じるが、そこがキモなので考えてみる。
(1)素敵な魔法の力のせい。世界中を自由に旅したり。空に金紙の星を貼ったり。
(2)メアリー自身が子供の心のままだから。人はみな赤ちゃんの頃には、鳥や風やお日様の言葉を理解しているが、歯が生え揃うころには忘れてしまう。でもメアリーポピンズだけは特別な人で、大人になった今もお日様たちと話ができる。というエピソードが印象的。
(3)相手が子供でも大人でも動物でもその他でも、自分の態度は変わらないよっていうのが、人としての魅力だとか?(2)とも通じるが。
*児童文学が久しぶりなせいか、正直、あんまり楽しめなかった。子供の頃読んでいたらわくわくしたかなあ。