宇都宮直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『私は、”彼女は命あるまま戦場から脱出できたんだ“
と思った。収監されてしまえば、歌舞伎町からは強制的に引きはがされる。警察施設の中では看守の目もあり、そうそう簡単に命を落とすことはないだろう。つまり、彼女は「保護された」のだ。逮捕、そして収監という形ではあるがこのコは助かった、とさえ思った。』
(本文より)
この本は著者が「頂き女子りりちゃん」として世間を騒がせた事件(本名:渡邊真衣さん)を追ったノンフィクションだ
私も 当時、事件が取り上げられるニュースを何度もも見た記憶がある
しかし 事件というのは世の中で次から次に起こる
ひととき大騒ぎになっても 新しい事件が起これば
たちまちそれがフォーカスされる
その繰り返しで いつの間にか 取り上げられなくなった事件は記憶の奥まったところに追いやられることがしばしばだ
この本を手に取り 記憶の奥まったところから事件を思い出した
そして事件をさまざまな角度で見つめることが重要だと感じた
著者のように 事件の当事者に会って話を聞き、それを世に伝えることで
テレビやネットニュースでは知り得なかった部分があからさまにされることは 視野狭窄にならないためにも重要だと思う
この本を読み 自分を振り返る
まず 母である私はどうだったんだろう
それは 私にはわからない
それは 私の育てた子どもが感じること
では 私は子としてどうだったんだろう
白髪の出る年になっても 親の前ではいつまでも子なんだと今でも思う
大きくなった子の私は 今こそ 感謝の気持ちを大切に親孝行したいと思う
しかし 何をどうするのが親孝行なのだろう
そこからか‥
考えながら 進んでいきたい
受刑者の彼女が刑務所で過ごす人生と
私が生まれ育ったた町でゆったり過ごす人生は
遠く違うようで
そうでもない気持ちもする
人は間違いを犯すし
それを悔いる気持ちも芽生える
ある‥というより芽生える
芽生えるためには必要なものがたくさんあって
それが揃う環境にあるかどうかで
人生の岐路ができるんじゃないかな‥と感じた
自分を見つめる機会を与えてくれる本だった
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Posted by ブクログ
インタビューの相手が4人くらいしかいないのはSNSなどで女のコ(前編カタカナの「コ」)たちにコンタクトをとろうにも、スルーされたため。でもわりと深く話を聞いているようなので4人の話からでも実態が十分掴めるところはある。インタビューされていたYOUTUBERの「あおいちゃん」など情報発信している人が多いので、歌舞伎町のホスト遊びとはどういうものなのかということは、実は本を読まなくてもだいたいはわかる。
が、遊んでいる(数千万以上使うことを「遊び」と言っていいのかどうかは別として)人自らが、「歌舞伎町は薄いベールで何重にも覆われていて、私はその外に出てから初めて気がついた」という表現を使ってあの街の特殊さを語るところなどは、ルポならではの臨場感を感じる。
筆者曰く、それは湯船に使っている状態で、ぬるい湯から外に出るときは寒く感じるように、ホストの世界を出るときはそういう気分なんじゃないかと。また、歌舞伎町は物語を作りやすい街なんだろうとも書いていた。
多分ホスト遊びは推し活、課金して強くなるゲーム、疑似恋愛など色々な要素が詰まった依存性の高い「遊び」なんだろう。そこに「物語」をくっつければルポとして語れる話になる。が、それは全部後付けのもので、若い女が数千万も稼げるようなシステム、つまり売買春の文化とシステムがもともとそこにあるからこそホストビジネスが成り立つのだろう。しかしその金は自分の成功じゃなくて、推してるホストのため(というか店)のために消えていく。また、夜の街というのはセイフティネットの役割を果たしているところもあるので、はやりこれも若い子を救うシステムが他に存在しないということなんだろう。
私が経営者なら、男性向け風俗店とホストクラブを同時経営するだろう。動機を与えて女のコたちを働かせて、彼女たちの収入は全部ホストクラブで消費されるシステムにするのが一番いい。それも男や女の救済だと物語をくっつければ(女の子や男の子たちが、「歌舞伎町に救われた」というストーリー)、耳触りの良い話には聞こえるだろう。
・・・と読後にいろいろと考えてしまう、後味の悪いルポルタージュではあった。なのでルポとしては成功している方なのかな?と思う。 -
Posted by ブクログ
三國連太郎と言えば「釣りバカ日誌」のスーさん、アパレルブランドのパパスのモデルなんかもやっていた好々爺のイメージ。
しかし本を読むととんでも無い。貧困の幼少期。親父に殴られ家出をしてそのまま中国へ密航し放浪生活。徴兵されても終始反戦、厭戦的行動。戦後帰国して映画デビューするも5社協定を平気で破りしばらく業界から干される。私生活では取っ替え引っ替えの女性遍歴。監督との衝突は屁とも思わず、自分の演技哲学を曲げない頑固者。などなど、いい意味で自由な生き方を貫いた人だが、強烈なエゴイスト。
しかし周りは迷惑だったろうなぁ。過去の雑誌インタビューでも言うことが食い違い、どこまでが本当か嘘なのか分からない、と著者も書いている。普通の人では計り知れない掴みどころ無い人。文中にも「こういう俳優は2度と現れない」というのは本当そう思います。 -
Posted by ブクログ
自殺未遂事件、人妻、ユーチューバー…
ホストという金銭と飲酒の絡んだ疑似恋愛。
ホストに金を払う女性たちにとって、それはとても楽しそうだ。
だから、住む世界が違うな、と感じてしまう。
お姫様になりたい、誰かの特別になりたい、そんな思いは特別な人だけが持っているものではない。
担当のために何百万も使いたい、とか、一番にしたい、というのはなんとなく理解はできる。
私にも推しがいるからだ。
その違いは些末なのだろうが、私自身は、支えさせられるのはごめん被りたい……。
彼女たちが「沼る」のは簡単にいうなら承認欲求の問題だ。
支払った分の見返りがあるのが当たり前…なんだか薄氷の上にいるような居心地の悪い考え方だ。
人は自分の支払った対価分だけ返してくれるわけじゃなかろうに(それが悲劇につながることもあるのだが)。
ただ、そのような生き方をよしとするのも彼女たちの過去があってこそ。
行き着く先が決して明るくないとしても、
今日を生きるために安くないお金を払わなければいけないとしても、
それが世間からは正しいとは思われなくても、
本人が満足なら他人が口を出せるのは最低限。
良いものとは全く思わないが、批判するのも違う気がする。
一歩引いて見る、それがとりあえずの、私の付き合い方かな……。 -
Posted by ブクログ
歌舞伎町でのホスト刺傷事件から始まるノンフィクション。著者自ら歌舞伎町のアパホテルに住み、歌舞伎町の「内部」から、ホストの彼ら、ホス狂の彼女らを取材する。
しかし時には一晩で100万以上の大金を使い、たとえ喧嘩をしてもホストと姫という関係であれば、お金で関係は修復できる、時には刺されたことさえも売上のためにネタにする──という彼ら彼女らは、歌舞伎町とは物理的にも精神的にもかけ離れた私からは理解し難いものだった。
最終章に出てくる「エリカ」は語る。「歌舞伎町って、町全体にベリーダンスのベールみたいな薄い布が、2枚も3枚も覆ってるみたい」
たしかに、外にいては何となく「歌舞伎町」のイメージは掴めても内部のことはよくわからない。本書はそのベールを少しだけめくって、内部を見せてくれるもののように感じた。