宇都宮直子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前に世間を騒がせた頂き女子・りりちゃん。逮捕までは知っていたものの、その後がどうなったのか気になって本書を手に取りました。
読み進めていく中で強く感じたのは、りりちゃん自身に反省の色がほとんど見えないという点です。自分を義賊のような存在だと思い込み、都合よく正当化している姿は、まさに“詐欺師”そのものだと痛感しました。
一方で、取材する筆者の心情の揺れ動きも丁寧に描かれています。序盤ではりりちゃんの独特の魅力に半ば取り込まれてしまう様子があり、終盤では距離を取りながらも冷静に向き合う姿勢へと変化していく。その対比が非常に印象的でした。
そして結局、りりちゃんという人物を生んでしまったのは -
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これ読んで今まで何でホストなんかにハマるの?みたいに面白おかしく思ってたんだけど、ホストにハマる女性は、普通に愛されてなかったりとか、中学生の頃に実のお父さんを探し続けて家出した子とか生い立ちがやっぱり普通じゃないんだよね。凄く可哀想だなと思った。子供の頃に普通に満たされていればこういうのにハマらなかったわけだから。私は子供にごく普通の愛を与えられなかった親を憎んだし、怒りを覚えた。
ホストクラブって最初は破格に稼ぐ芸能界にいる女性たちが客だったんだけど、それに普通の稼ぎしかない客として一般の女性が入り込んだことによって、トーヨコ売春問題とかになったらしい。
宇都宮直子
ノンフィ -
Posted by ブクログ
自分の生活や常識とは違ってぶっ飛び過ぎてるホス狂サンたちをものすごい近い所から追ってくれていた。のですごい興味津々で読破出来た。
歌舞伎町はうまくお金が回ってるんだなぁ、って感心した。
欲望のままに動くホス狂サンたち。
ある意味正直で真っ直ぐ。
でも、、お金が足りないなら諦めなきゃ。
足りないから風俗!って発想が理解出来ない。
ホストクラブってお客のストレス発散かと思ってたけど、疑似恋愛と自己顕示欲を満たすために大金をつぎ込む場所だったんだ。。
見栄を張りたい気持ちも分かるけど…うーん…
家庭環境が悪い子もいれば、まともな子もホス狂になるのね。
うーん…
ホストを刺して、って事件のことも書か -
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知らない世界を見ることができた一冊。
「歌舞伎町は女の子の街」。若い頃の私が知っていた街とは、随分と変わったものだなと思った。
「ホス狂い」の生き方を否定するつもりはないが、登場する女性たちに、何一つ共感することはできなかった。
寧ろ、嫌悪感の方が強かった。
そういう自分も、ホストクラブに行ったことはある。
でも、席に着いてくれたホストの彼は、見た目だけでなく、中身もイマイチ。連れて行ってもらっておきながら何だけれど、つまらなかった。それ以来ホストクラブに行ったことはない。ニューハーフのショーパプの方がずっと楽しかった。
某二世タレントがホストにハマって、AVにまで出演していたと話題にな -
Posted by ブクログ
歌舞伎町に実際に居を構えて、歌舞伎町の中から取材した著者。最初は余所者として拒絶されていた著者だが、だんだんと歌舞伎町のホス狂と仲良くなっていく過程が面白い。
なんで「人生を一変させるぐらいの額をホストに注ぎ込むのだろう」とずっと疑問に思っていた。それだけの額を出してホス狂さんは何を買いたかったんだろう。
この本の最後で少しだけヒントが得られた。「アジール」。避難所・不可触領域を意味する言葉。歌舞伎町の中では、現実世界の自分とは切り離された「なりたかった”特別な”自分」になることができる。そして、ホストと自分だけという物語を紡ぐことができる。そのためなら全てを投げうってでもいい、という感じな -
購入済み
都築先生のアナザーストーリー
羽生結弦選手のアナザーストーリーのように、いろんな方から話を聞いています。
非常に苦労された方ですが、実を結んだことが素晴らしい。
このメンタルと不屈の闘志を羽生選手が引き継いだように思いました。
羽生選手も次代に引き継ぐことを意識した発言をされてきています。フィギュアスケート文化を更に根付かせることができますように。 -
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頂き女子りりちゃんは一体何を考え、なぜ詐欺をしたのか、を取材した記者によるノンフィクション。
ノンフィクションなのに読み応えがあった。
事件自体はもちろん知っていたが、渡邊受刑者(りりちゃん)についてはよく知らなかった。
彼女との面会や手紙のやり取り、周辺にいる歌舞伎町関係者や母親、詐欺被害者の男性への取材を通してりりちゃんに迫っていくという内容。
途中、取材のはずが気付けばりりちゃんにのめり込んでしまう記者の姿がリアルだった。
私が感じたのは、りりちゃんというのは中身のない人間だったんだろうなということ。
だからこそホストクラブにお金を注ぎ込み、女の子達に尊敬されることでしか、自分を肯定 -
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紡がれる言葉だけを信じていたら、真実には辿り着けないんじゃないかと。りりちゃんのような子たちに必要なのは愛でもお金でもなく、まともなカウンセリングやセラピーによる気づきだと感じてる。(過去を洗いざらい話させたり、薬だけで改善する代物ではなく)
複雑性PTSDやトラウマを解消せずに彼ら彼女らの言葉を信用しても意味がないよ。生き延びるために必要だったスキルが犯罪に役立ってしまっただけ。それらを断罪しても意味がない。してしまったことの反省をさせるのもナンセンス。サバイヴするためにやっていることを反省させるなんて、シマウマを食べたライオンになぜ草食動物を殺したんですか?と聞いてるようなもの。
自分 -
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私は憤りを感じた。
誰が悪いのか?
私は社会だと思う。
すべての人間が加担しているのだと思う。
私はりりちゃんのいた世界をほんの少しだけ覗いたことがあるので、この本に書いてあることに目新しさを感じない。
この世界で当たり前のように生きている誰かの息遣いを知っている。
この世界をただ檻の中だと思い、無邪気に面白いと思うだけで本を閉じる人間を、私は軽蔑する。
この事件を機に、ホストクラブへの規制が厳しくなった。
それで本当に良くなったの?
んなわけない。
またホストとホス狂いとおじを生むことは変わらない。
りりちゃんがいなくなった歌舞伎町はりりちゃんがいなくなっただけの歌舞伎町で、今日も誰かの -
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愛とは、与えられるものではなく、
欠けた部分にしみ込む“渇き”そのものではないか。
”頂き女子”として世間から注目を集めた一人の女性”頂き女子”りりちゃんこと渡邊真衣被告、彼女はいったい何故事件を起こしてしまったのか……。
本書は、そんな人間の奥に潜む欲求を、
静かでありながら切実な筆致で描き出した物語だ。
登場人物たちは皆、何かを求めている。
癒し、承認、記憶、触れられること、あるいは許されること。
その渇きは荒々しいものではなく、
乾いた大地がゆっくりと水を吸い込むように、
ひっそりと、しかしどうしようもない強さでこちらの心を揺さぶってくる。
本作が優れているのは、
「愛」と「依存」 -
Posted by ブクログ
りりちゃんのことはYouTubeのコレコレの動画で知っており、時間の問題でいずれ逮捕されるのではないかと言われていたので、その逮捕後の様子や裁判の模様を知ることができた。大体のニュースは逮捕された後の様子は報道されず、知る術がない中、その後が気になっていたのでありがたい。
りりちゃんを知った当初は、何億ものお金を被害者からどんな風に巻き取っていたんだ?と自分とはかけ離れた世界のように感じ理解できなかったが、マニュアルの存在や面会や文通を重ねるうちにりりちゃんにのめり込む著者の様子からりりちゃんの人を惹きつける天性の能力を感じた。
最後の方では、りりちゃんの危うさにより被害者救済がなくなったり