宇都宮直子のレビュー一覧

  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    事件に関しては、その人の性別や年齢、生活環境によって、それぞれ違う感情を抱くと思う。
    りりちゃん自身の、りりちゃんだけの気持ち、というのが最後まで誰にもわからず、なんなら本人もよくわかってないのだろうと思った。
    彼女の言動は毎回、誰かが求めた(求めていると思う)モノを、彼女なりに受け取り、体現しているだけのような気がする。
    私が全部悪いわけじゃないと思うなら、それを突き通して欲しいとも思うのに、周囲の求めに応える言動はそうじゃない、ということだけはなぜか感じるから、その都度コロコロ変わっていく。変えざるを得ない。そうじゃないと自分が保てない。そんな印象を受けた。

    0
    2025年12月11日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    ページを進めるほどりりちゃんはつかみどころがなくなっていく。そんな感じがする。

    りりちゃんはめちゃくちゃ優秀な子だと思う。マニュアルは接客や営業の勘所をおさえていて詐欺ではなくビジネスに適用しても上手くいっただろうし、人の感情の機微を捉える天性の上手さもある。冒頭、不覚にも彼女を魅力的な人物と捉えてしまう。ただ読み進めていく中で、罪の意識の薄さや被害者への罪悪感のなさが明らかになるにつれ、彼女のことがよく分からなくなる。りりちゃんを演じているようでもあり、脊髄反射的なコミュニケーションをしているだけのようでもある。

    詐欺は悪いことだし、事件自体は孤独や疎外感を持った人たちの不運な出会いによ

    0
    2025年12月02日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    前に世間を騒がせた頂き女子・りりちゃん。逮捕までは知っていたものの、その後がどうなったのか気になって本書を手に取りました。

    読み進めていく中で強く感じたのは、りりちゃん自身に反省の色がほとんど見えないという点です。自分を義賊のような存在だと思い込み、都合よく正当化している姿は、まさに“詐欺師”そのものだと痛感しました。

    一方で、取材する筆者の心情の揺れ動きも丁寧に描かれています。序盤ではりりちゃんの独特の魅力に半ば取り込まれてしまう様子があり、終盤では距離を取りながらも冷静に向き合う姿勢へと変化していく。その対比が非常に印象的でした。

    そして結局、りりちゃんという人物を生んでしまったのは

    0
    2025年11月25日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    凄い本だった。「面白かった」と言うのは不謹慎かもしれないが、全く飽きずに最後まで引き込まれた。
    こういう犯罪を取材したノンフィクションを初めて読んだからでもあるけれど、ずっと見たことがないものを見ている、読んだことがないものを読んでいるという感覚が鮮烈にあった。
    「事実は小説よりも奇なり」を地で行っている。

    0
    2025年11月24日
  • 三國連太郎、彷徨う魂へ

    Posted by ブクログ

    どこか不気味で得体の知れない、掴みどころのない俳優だと思っていた。役を演じている時が虚で、素の自分が実だとしたら、この人の場合虚実が逆転し俳優三國連太郎こそが実で私生活ではその実のために安定を嫌い虚の世界に生きたのか。

    0
    2025年04月16日
  • アイスダンスを踊る

    Posted by ブクログ

    高橋大輔に乗っかった作品ではあるが、宇都宮さんのフィギュアに対する愛が表現されている。
    2025年に読むと、ブームをブームに終わらせなかった、日本フィギュアの力を感じることができる

    0
    2025年03月30日
  • ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    私はホストには通っていませんが、水商売をしています。否定されるのかと思いながら読んでいましたが、そんなこともなく、「ホス狂い」の女のコたちの言葉と著者の言葉で、自分を整えることが少しだけできました。

    0
    2024年01月26日
  • ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    693

    これ読んで今まで何でホストなんかにハマるの?みたいに面白おかしく思ってたんだけど、ホストにハマる女性は、普通に愛されてなかったりとか、中学生の頃に実のお父さんを探し続けて家出した子とか生い立ちがやっぱり普通じゃないんだよね。凄く可哀想だなと思った。子供の頃に普通に満たされていればこういうのにハマらなかったわけだから。私は子供にごく普通の愛を与えられなかった親を憎んだし、怒りを覚えた。

    ホストクラブって最初は破格に稼ぐ芸能界にいる女性たちが客だったんだけど、それに普通の稼ぎしかない客として一般の女性が入り込んだことによって、トーヨコ売春問題とかになったらしい。

    宇都宮直子
    ノンフィ

    0
    2023年12月25日
  • ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    自分の生活や常識とは違ってぶっ飛び過ぎてるホス狂サンたちをものすごい近い所から追ってくれていた。のですごい興味津々で読破出来た。
    歌舞伎町はうまくお金が回ってるんだなぁ、って感心した。
    欲望のままに動くホス狂サンたち。
    ある意味正直で真っ直ぐ。
    でも、、お金が足りないなら諦めなきゃ。
    足りないから風俗!って発想が理解出来ない。
    ホストクラブってお客のストレス発散かと思ってたけど、疑似恋愛と自己顕示欲を満たすために大金をつぎ込む場所だったんだ。。
    見栄を張りたい気持ちも分かるけど…うーん…
    家庭環境が悪い子もいれば、まともな子もホス狂になるのね。
    うーん…

    ホストを刺して、って事件のことも書か

    0
    2023年04月25日
  • ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    知らない世界を見ることができた一冊。
    「歌舞伎町は女の子の街」。若い頃の私が知っていた街とは、随分と変わったものだなと思った。

    「ホス狂い」の生き方を否定するつもりはないが、登場する女性たちに、何一つ共感することはできなかった。
    寧ろ、嫌悪感の方が強かった。

    そういう自分も、ホストクラブに行ったことはある。
    でも、席に着いてくれたホストの彼は、見た目だけでなく、中身もイマイチ。連れて行ってもらっておきながら何だけれど、つまらなかった。それ以来ホストクラブに行ったことはない。ニューハーフのショーパプの方がずっと楽しかった。

    某二世タレントがホストにハマって、AVにまで出演していたと話題にな

    0
    2022年10月13日
  • ホス狂い ~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~(小学館新書)

    Posted by ブクログ

    歌舞伎町に実際に居を構えて、歌舞伎町の中から取材した著者。最初は余所者として拒絶されていた著者だが、だんだんと歌舞伎町のホス狂と仲良くなっていく過程が面白い。

    なんで「人生を一変させるぐらいの額をホストに注ぎ込むのだろう」とずっと疑問に思っていた。それだけの額を出してホス狂さんは何を買いたかったんだろう。
    この本の最後で少しだけヒントが得られた。「アジール」。避難所・不可触領域を意味する言葉。歌舞伎町の中では、現実世界の自分とは切り離された「なりたかった”特別な”自分」になることができる。そして、ホストと自分だけという物語を紡ぐことができる。そのためなら全てを投げうってでもいい、という感じな

    0
    2022年10月10日
  • 羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程

    購入済み

    都築先生のアナザーストーリー

    羽生結弦選手のアナザーストーリーのように、いろんな方から話を聞いています。
    非常に苦労された方ですが、実を結んだことが素晴らしい。
    このメンタルと不屈の闘志を羽生選手が引き継いだように思いました。
    羽生選手も次代に引き継ぐことを意識した発言をされてきています。フィギュアスケート文化を更に根付かせることができますように。

    0
    2020年01月18日
  • だから猫と暮らしたい

    Posted by ブクログ

    ノンフィクション作家らしく淡々と親バカぶりをつづってます。文章の至る所でノンフィクション作家ならではの情報も詳しく書き込んであります。これが煩わしく感じる方もあるかもしれませんが、この文章運びが読みやすくつい何度も読み返してます。

    0
    2009年10月04日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    著者が異様なまでに、「りりちゃん」に迫っていく姿にある種の熱狂性を感じた。(著者自身の中では)被害者の声を聞くまでは、彼女の味方でいたい、と思っていたのではないだろうか?

    彼女を崇拝するコミュニティが存在していたことに驚かされた。

    「りりちゃん」という創られた偶像の型から抜け出せず、渡邊被告自身がモンスターになってしまったようにも見てとれる。

    ホス狂いの結果、彼らから身を守りながら戦う方法を見つけたヒーローであり、自分たちが被害者なのだから(その補償として)お金を「頂く」のは当然というように、詐欺自体の被害者を覆い隠しつつも、世間の声(関心)を少しでも動かしたのが「りりちゃん」の功績だと

    0
    2025年12月22日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    自分に振り向いてほしい、自分に執着してほしいという思いや、おぢたちへの処罰感情で罪が確定するまで、被害者への謝罪や罪の意識がなかったりりちゃん。

    前半はプロの記者、ノンフィクションライターとして、りりちゃんに取り込まれ、いつのまにか客観性を失っていく過程があり、被害者の取材を通して、俯瞰してこの事件をぶんせきしていて、ノンフィクションとしてとてもよかったです。

    0
    2025年12月21日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    おぢ=金出して若い女と性的関係になろうとする勘違いジジイ

    という偏見が私たちの中にある

    主語がでかかったですね!

    そういう偏見が私の中にはあった
    それは日本の性犯罪の高さやらSNSでの弱者男性の振る舞いにとか、男性自身が女性に形成させたもの、と言えばそれはそうなんだけど……
    とにかく、そういう考えのある人は読んだ方がいい

    本書は小説ではなくルポタージュなので、結論はみんなが知る通り、りりちゃんは懲役刑になっているし救いは全くない
    それでも、読んで良かったし読んで欲しい本だなと思う

    0
    2025年12月20日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本書を最後まで読んで、りりちゃんは結局自分の犯した罪について本当の意味で理解して反省はしていないのかなと感じた。
    自分の行いに対しての対価に被害者からお金を貰ったという感覚しかないのだと思う。
    ホストで売春を斡旋されそこで稼いだお金でまたホストに貢ぐ、りりちゃんはホストたちと同じことを被害者の方にしている。
    違いとしてはりりちゃんはホストたちに酷い扱いをされてもお金を貢ぐ。
    でもりりちゃんは被害者に甘い言葉を吐き奨んで助けてあげたい、お金はなくなるけどこの子を助けて良かったと思わせるため必要なら肉体関係も持つ。
    嘘をついて、結婚や同棲、将来を匂わせ金銭を騙し取っているので犯罪であることは間違い

    0
    2025年12月17日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    人は手に入らなかったもので出来ているとはまさにこの事では、と思ってしまう彼女の半生。そしてパーソナル・イズ・ポリティカルを実感する。
    作者は最初彼女に魅了されていくが、詐欺被害者と会う事でライターとしての本分に気がつく、心の揺れ動きが絶妙でした。本の構成としてもグッと転換してブーストかかって面白くなるのがグッド。


    最近ノンフィクションやルポルタージュが面白い!

    0
    2025年12月17日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    りりちゃん寄りに熱が入ってしまっている自覚を含めて、詳細に書かれていてとても面白かった。
    犯罪者になってしまった彼女だけでなく、彼女に関わる人たちや被害者にもインタビューしており、それぞれの立場での考えが聞けてよかった。

    勝手な憶測ではあるが、愛着障害によってアイデンティティの欠如が生じているのではないかと思った。
    他者からの評価を通してしか自分を理解できず、好意的な言葉を自分そのものと捉える一方で、否定的な評価には耳を塞いできたのではないか。
    その結果、「自分の罪が何か」を自分自身で導き出すことができないのでは…。

    虐待が及ぼす影響は本当に根深い。

    とはいえ、到底擁護できない話ではある

    0
    2025年12月08日
  • 渇愛 ~頂き女子りりちゃん~

    Posted by ブクログ

    事件は知っていたが、日常のニュースに紛れて、「ホスト遊びがしたくて詐欺をした女の子の事件」というざっくりとした事だけ。
    こうした取材内容をどこまで信じるかにもよるけど、リリちゃんはちゃんといろいろ考えてる子なんだな。ただ、善悪がわからなかっただけ。そう捉えてしまった。今は何を考えているのかも気になるところ。

    0
    2025年12月02日