久慈光久のレビュー一覧
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独立の4巻。
血と魂で勝ち取った独立。安っぽく魂とか使いたくはないのですが、自分たちの生まれ育った地を、自分たちのもとに取り戻すために、関わったすべての人々が命を擲つことを拒絶しなかった、という覚悟と執念を思うと、彼らを動かしたものは魂だったのではないか、と思ってしまいます。
多くの先達のもとに勝ち取った自らの国。
多くの時が過ぎても、いまだに他の国の侵略を許さず、独立を守り続けている誇り高さは、歴史としての重さはもちろんのこと、過去の出来事として肌感覚で感じているからでしょうね。圧政と服従の辛酸と、独立のための犠牲と尊厳を。
決戦となったモルガンテンの戦い。
「狼の口」の名付けをさらにこ -
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陥落の3巻。戦が終わり、復讐本懐を遂げ、明日を生きる為の宴が始まる。
狼の口陥落までが物語だと思っていたのですが、その後日談まで書くようです。というか、歴史的には後日談の方が重大な出来事らしい。「狼の口」というエンタメとして焦点をザンクト・ゴッドハルト峠の攻防に当てたということでしょうね。
死に覚えという言葉。これが残酷なまでに当てはまってしまう砦内の攻防。どこまでも反乱軍の命を奪い取るために作られた砦。多くの同胞の命を使いたどり着いた敵の本丸。それでもヴォルフラムを倒すためには、さらに多くの命を必要としてしまう。
数えきれないほどの犠牲を経て、ついにたどり着いたヴォルフラムとの決戦。
彼 -
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狼の口攻略のため、今日も多くの勇者が屍を積み上げ続けてゆく。アルベルトとバルバラの兄妹もその一つ。彼らの犠牲の上に、ヴァルターの潜入が成功します。
これをもって、ついに狼の口攻略作戦の開始。
多くの犠牲を払って、ついに辿り着いた攻略作戦。それでもまだ、彼ら反乱軍の前に立ちはだかるのは狼の口とヴォルフラム。内外からの挟撃で簡単に陥ちるような砦であるなら、ここまでの物語は生まれてはこない。
その裏付けとなる伝承が挟まれているのも興趣が尽きません。第12話。
攻略中にも多くの戦士・勇者たちが生まれ活躍し消えてゆく。どこまでも飽くことなく飲み込み続ける狼の口と、ヴォルフラムの暗黒とその深淵。陥落と -
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「鋼鉄の薔薇」で知った久慈光久さんの作品ということで購入。
14世紀初頭のアルプス。オーストリア帝国からの独立を目指す森林三邦の民衆の歴史を描く作品。
もう第一話から予想を裏切られるので、ぐいぐい引き込まれてしまう。てっきりリーゼとゲオルグの二人が、主人公として物語を牽引してゆくのかなと思っていたら、関所の強大さを示すための要素の一つでしかなかったとは。その後も、多くの独立・反攻を企図する人々が、関所に挑み跳ね返されてゆく。
関所の主のヴォルフラムが狡猾で残忍。そしてそこに感じているであろう愉悦が、関所の強大さに黒さを足して、実物以上に圧迫脅迫感を増してゆく。それでも、挑み続ける人々の強さ。 -
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騎士ブラッドを主人公に薔薇戦争を描く「鋼鐡の薔薇」。薔薇戦争という文言は知ってはいるけど中身までは知らないので、ほぼほぼ予備知識がない状態です。
薔薇戦争って、白薔薇と赤薔薇の一族のイングランドの覇権戦争だよね。それを漫画化したなんて読みたくなるじゃあないか。
といった程度です。学校の授業で習ったぐらいでしょうか。
わくわくして読み出した1巻。物語を彩るであろう主役級の人物紹介でした。まだまだ序章なんでしょう。
ジェイク・ザ・スティールアームが、かっこよ過ぎて非常に良い。
戦い方と性格が彼が一本気であることを証明していて良いです。とにかく清々しい。騎士から連想される、理想を求めるがゆえの -
旧作が販売停止されてがっかり
傑作だけど読むのが辛い面もあるので
気力のある時にじっくり購読してたのだけど
6巻まで購読しいよいよクライマックスところでいきなり販売停止になった(他社の告知を見ると7/19付けで停止の模様)
本棚も別れてしまうしなにより表紙が統一感無くなるのが嫌
それほど過去の作品でもないのに本当にこういうのはやめてほしい。
同じ出版社なのになぜ電子版の併売はできないのか…
せめて停止が確定した時点で既存購入者に通知は入れられなかったのか
必要のないお勧め情報はうっとうしいくらい通知してくるくせに
ちなみにいまのところ(2巻まで)revised editionは1冊に旧版2冊分収録のようです。