神里達博のレビュー一覧

  • 没落する文明

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    ネタバレ

    縦(時間軸)に横(位置)に広範囲に渡って展開。東日本大震災は歴史上大きな転換点となっていることが分かる。

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    2017年12月27日
  • 文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか

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    本屋でパラパラめくって気になって買ってみてよかった。今年読んだノンフィクションのなかで今のところ一番面白い。
    ただ、どんな内容の本かと問われると難しい。実際、このタイトルと帯で本の内容を想定すると科学と歴史についての本なんだろなぁ、というくらいだ。あと、ある程度、教養があった方が間違いなく楽しめるほんでもある。(特に科学哲学、科学史あたりの知識)

    タイトル通り、今は時代の節目なのか、という問いを中心に話は進むが、オリンピックの話、地震の話、音楽を含むコピペ文化の話、江戸の経済の話と、話題だけ見ると?しか浮かばないだろう。

    個人的に面白かったのが、申の巻の芸術は文明を先駆けるの話。音楽などい

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    2015年05月21日
  • 没落する文明

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    難しいかなと思ったけど読みやすい。震災以降の日本の行く末を歴史や哲学を用いて考察している。おもしろい。

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    2013年05月14日
  • 没落する文明

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    ネタバレ

    自然環境やエネルギーの観点から社会や文明の成立を考えることが主要テーマとなっています。内容を少し挙げると、、、

    ・日本人は地震や火山噴火といった大災害が所与の条件である場所で暮らしており、天災が時の権力や社会体制を破壊或いは卑小化してきたという側面がある(日本の中央政府は古来意外に弱い)。
    ・天災と付き合ううちに、人間が作ってきたものは必ず壊れるという意識が醸成されてきたとも考えられ、これが「無責任の体系」(責任の所在があいまい、問題になりにくい)を形成してきたのではないかと推論。
    ・人類にとって定住による農耕開始が人類史における最大の革命(「農耕⇒定住」ではなく「定住⇒農耕」の順で、実は当

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    2012年07月23日
  • 没落する文明

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    ○日本では決定が特定の人間やグルー ブによって明示的になされないので、責任ということもなかなか問題になりません。
    ○日本には予期せぬ災害によって社会体制を切り替えるような文化的なDNA
    がある。自然災害が権力の代わりになってしまっている。日本には自然主義的アナーキズムみたいなDNAがある。
    ○現場主義の極端な例が日本社会を破壊するトリガーをひいたケースも多いのではいか。
    ○福祉政策のために国家が権力を行使するという事に対しても否認するけいこうが比較的強い。
    ○自己責任の観念が日本社会ではものすごく強い。

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    2012年03月02日
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために

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    コロナ禍が本格化した2020年に編集された本。日本社会にある様々な「リスク」の背景と、それにどう向き合うべきかを説いている、新聞の社説集のようなテイスト。

    あとがきで「リスク」という言葉のいい日本語訳が無く、それゆえに日本人はこのリスクという概念に向き合いきれてないのではという疑問が呈されている。その反動として日本語で広がったのが安全安心だ、とも。言い得て妙な感じを受ける。

    技術の発展で様々な便利と快楽を享受できると同時に新たな危険(リスク)も生じる。平和慣れしすぎてそのことに蓋をしてしまい、安全安心を当たり前に捉えすぎてワガママな国民性になってやしないか。そしてそれが積み重なった結果が「

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    2024年07月06日
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために

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    朝日新聞で掲載されてきたコラム「月刊安心新聞」を分野ごとに並べ直して纏めた一冊。感染症、自然災害、ネット社会、食の安全などなどリスクや安全・安心に関わる様々なテーマを取り上げている。コラム集なのでどの項目も4ページで纏まっており読みやすい。安心やリスクについて考える際に非常に役に立つ本である。高校生や大学生が時事問題を学ぶためにも大いに役立つのではないだろうか。

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    2021年02月23日
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために

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    朝日新聞の記事で読んだ記憶のあるものもかなりあったが、このようにまとめて読めるのも楽しめる.リスクという観点から「感染症のリスク」「自然災害と地球環境のリスク」「新技術とネットワーク世界」「市民生活の安全安心安心」「時代の節目を読む」と分類していたのは、読者としては捉えやすい構成だと感じた.”安全安心”は全く違う概念を似たような言葉の連続で、あたかもリスクを考慮していますよ というお題目になっている.これはいつも気になっていたが、p250で出てきたので安心した.

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    2020年11月02日
  • 文明探偵の冒険 今は時代の節目なのか

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     時代の節目と入った何を持ってそういうのか。今まで思ったこともなかったのでこの本を読んで衝撃を受けた。一風変わったテーマを取り上げているのが今回の本。

     「今日の運勢」人気の謎では、「暦」同様、依存することによって自分で何をするか決断する負担が減る。その一方で責任を他者にゆだねることにもなると指摘している。

     「ぐるなび」のようなグルメサイトがよく利用される理由も、他人の意見を参考にしてできるだけ「ハズレ」と言う要素を排除して、楽に決断したいという心理が透けて見える。

     「やっぱり予知できないのか」では、地震の予知が話題になっている。よく週刊誌でいつ頃地震が起こる可能性が高いと言う特集を

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    2015年06月16日
  • 没落する文明

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    エネルギーのポテンシャルを使い果たすと文明は失速する。あたらしいテクノロジーが出てこなければブレークスルーもない。そうするとしばらくは停滞する、というか没落する。そして日本は古くから災害で攪乱されて変化を起こしてきた。となればいまは、まさにそんなときではないか。傘を発明したから天気を気にする必要が出た。何かを発明すれば事故も同時に発明することになる。バブル的マインドの人には到底受け入れられない話ばかりかもしれないが、僕はこの没落という転換におおいに希望を持つのです。

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    2013年08月28日
  • 没落する文明

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    資本主義は成長をし続ける宿命にある。
    資本主義を加速させようとする人はそのことをよく理解している。
    そしてそれに異を唱える人をナイーヴのように評価する。

    しかし実のどころナイーヴなのは無批判に資本主義に乗っかったままの人だったりする。

    資本主義は構造的に早晩限界を迎えることを理解していないのだ。

    本書は論点も整理されており資本主義がなぜ、そしてどう限界を迎えるのかを理解する手助けになる。

    確かに資本主義は恐ろしい加速度をつけて疾走している巨大なシステムだ。簡単にはとめることはできない。そしてとめることが正しいこととも思えない。

    しかしその先を見据えるためにはきちっとその限界を理解して

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    2013年01月10日
  • 没落する文明

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    3.11に起きた地震と大津波は、私たちの生活が自然環境という、人間の力ではどうにもならない条件のもとでかろうじて成り立っていることを再認識させた。
    国家と資本主義の構造を原理的に問い直してきた哲学者 萱野稔人と、リスクと社会の相互作用を論じてきた科学史者 神里達博が、天災、テクノロジーなどについて、対談形式で新しいビジョンを提示する。
    個々人の競争や責任でリスクを回避しようとすることの限界について、再度考える必要がある。

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    2012年12月23日
  • 没落する文明

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    対談本なのですっと読み切れてしまうがなかなか面白い指摘が多い
    長いスパンで日本史(といっても有史より前も含むが)を見ると大災害が歴史的変換点の起点になっている、ということか。
    日本では革命の代わりに大災害が起こっている感じが近いのか。
    大災害にさらされてきた日本人はその無力感により基本的に反権力であるとの指摘が結構説得力があった。
    それと何故アジアの人口密度が高いかについての指摘で単位面積当たりの米と小麦の収穫量(カロリーベース)が6倍あるとの指摘もおもしろい。
    もう一つ、4大文明のうち中国文明を除く3つは滅亡したがこれの原因は資源収奪のための自然破壊(森林伐採)による砂漠化が原因との指摘に納

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    2012年10月30日
  • 没落する文明

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    地震や火山活動、台風などによって日本の統治システムが瓦解していくことは、実は珍しいことではない。江戸幕府が倒れたのも、黒船よりも安政の大地震によって既存の統治機構の信頼性が揺らいだからと言われている。

    果たして、東日本大震災後の日本社会はどうだろうか。誰も今の政府の言うことなんか信じちゃいない。それでも世の中を覆う漠然とした不安に、我々は向き合っていかなければいけないのだ。

    文明論においても、経済成長という幻想は戦後のたった40年程度のものであると結論づけている。それでも現代社会は、経済成長という至上目的を守るために、年間3万人もの自殺者を生み、数十年後には空き家率が40%に達するというの

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    2012年07月31日
  • 没落する文明

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    景気循環だとか、資本主義の限界だとか言われている今日この頃ですが、
    そんなスケールの話ではなく、
    今の化石燃料をベースとした文明の終わりを
    我々は、今まさに経験しているのだということを、
    萱野氏と神里氏が対談で確認している。

    萱野氏の超マクロな視点と
    神里氏の科学史的視点が、
    今まさに転換点であることを示していくのが、
    逐一納得させられる。

    多くの人は、この転換点を生きることは、
    不安に思うだろう。
    だが、それはこの上のない経験なのだ。
    道を誤らないように適切に判断して、
    行く末を見届けたいと思う。

    自分が生きてる内に大転換できるかどうかは、
    わからないが、
    子供たちが、路頭に迷わないよ

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    2012年06月17日
  • 没落する文明

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    ⒊11をモチーフに成長社会から縮小社会へ。徳川幕府の始まりも同じであるが、いろんな意味でのエネルギー転換を拡張から別の方向へ持って行くことで新たな文明を作り得る、拡大することが必ずしもよいことではないと説いてます。

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    2012年04月08日
  • 「専門家」とは誰か

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    専門家とジャーナリズムの比較等があった。討論ではなく大学の研究者がそれぞれの専門において専門家について述べたものである。
     学生にとってはあまり役に立つものではないような気がする。

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    2023年01月10日
  • 「専門家」とは誰か

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    隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
    隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に基づいて解説している。
    瀬川さんの論稿は、自らの記者としての失敗経験をもとに、記者としてどのように専門家への取材に臨むべきか、専門家としてどのように記者からの取材に臨むべきかの提案を記載している。

    その他たくさんの著者による論稿があるが、誰がどのような視点で稿を寄せているのかを、冒頭でまとめておい

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    2023年01月05日
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために

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    コラムという枠組みによる読みやすさと、企画趣旨としての一種の提言を落とし所にしている小気味よさはあるので、更に深く学ぶきっかけとしては。

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    2022年08月15日
  • リスクの正体 不安の時代を生き抜くために

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    仕事上のリスクにどのように対応すればよいかというヒントになると良いかなと思って購入した本。

    豚コレラ、火山、外交、マスコミ、水源など、新型コロナ以外についても、様々なことについて考えさせられた。

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    2022年02月27日