野上弥生子のレビュー一覧
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19世紀の米作家トマス・ブルフィンチによる神話入門書。1913年の翻訳時には、夏目漱石が序文を寄せている。
Wikipediaによると、翻訳者の野上弥生子は夏目漱石の門下生と結婚した縁から作家デビューし、1985年に99歳で亡くなるまで文壇で長く活躍したとのこと。っ全然存じませんでしたスミマセン。原書が1855年、その翻訳が1913年で、その後改訳で手を入れられているとはいえ、さすがに古めかしい雰囲気の漂う本書。しかし手にとってみると、文章自体は読みにくくはない。ただ翻訳はいいとして、やはりギリシャ神話は人物名が多すぎて、ある程度知っていないと読む進むのはなかなか大変。とはいえ、結局読まない -
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本書は野上弥生子女史の訳書なのだが単行本として世に出たのが1913年である。百年以上前の本なのだ。序文は夏目漱石、いやはや凄い時代のものだ。
約450頁あるので時間はかかったが、ですます調なので読みやすい方ではないかと思われる。ギリシア神話が影響を与えた例は挙げたらキリがないが、絵画や文学のみならず、ポップカルチャーの方面で言えばゲームとかアニメとか、この頃は競馬の競走馬名などにもその影響が見える。サートゥルナーリアの意味を初めて知ったりとかエトセトラエトセトラ。そういったものの元ネタ、きちんと言えば由来を知れることは実に楽しいことだ。
注釈が付されていないように、そう難しいものではない -
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ネタバレ教養として読書。原書は1885年出版で日本語訳の改版が1978年。神話という特性上現代で目新しい発見もないためこの本が今でもギリシア神話の古典の地位を占めているということだろうか。文体は古い感じがするが読みにくさはない。ギリシア神話を万遍なく記していると言えそう。既に知っている有名な話は詳細まで知ることができたし、知らなかった話にも興味深いものがたくさんあった。挿絵が全くないのが玉に傷。文字からの想像では世界観がうまく再現できない。絵画や彫刻などがさらに良かった。人物名がとにかく多くて認識するのが大変。重要な人物は太字にするなどして一回しか出てこない人物とは差別化するともっと分かりやすかった
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ギリシア神話を知るために、もっとも適切な一冊ではないでしょうか。
子ども向けの世界の神話伝説を集めた本を読んで興味ひかれていた。
中学生ぐらいになって、これを読み始めて、さらにいろいろ知った。
最低限のストーリーが理解できる。
かなり細かなことまで概略がつかめるのではないでしょうか。
以降、何回読んだだろうか。
エピソードや名前なんかはすぐ忘れてしまうので、今でもときどきひもといている。
いつまでたっても必需品。
記述はたんたんとしている。その分、自分の想像力を働かせやすい。
少年期の豊かな想像力にはちょうど良かった。
そして、基本文献としてなによりいいのは、(おそらくはかなり)網羅的と -
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いや~、久々だったということもあるし、文体がある意味で若干古め・・・・なので読み応えがありました!(笑) 最初に夏目漱石が書いたいわゆる序文があるんだけど、それに至っては旧漢字は多いは旧かなづかいは連発されているは、文体は格調高いはで正直昨今の安易(?)な日本語で書かれた本を読みつけている今の KiKi ではついていけないんじゃないかと、自分で思いついたこの暴挙(!)に怖気づいてしまったぐらいです。
まあ、本文の方も今では日常的には使われなくなった言葉や「岩波文庫でしかお目にかかることが少なくなった漢字」もそれなりに多いんだけど、それでも物語が物語なので楽しく読むことができました。 巻末 -
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古代人の知識や思想を知るために読んだので、その目的は達成されたように思う。
1つ1つのエピソードはムラはあるけどさほど長くなく、その代わり話数が多くて網羅されているので、全体像を理解するのに役立った。
ギリシア・ローマ神話がメインで、おまけのようにインド神話、ゾロアスター教、エジプト神話、北欧神話、それにケルト人のドルイドについて少しずつ追加されている。
早とちりで恋人たちすぐ死ぬな~とか、竜宮城の玉手箱的な、「絶対○○しちゃいけないよ」という約束はすぐみんな簡単に破るな~とか、テンプレ的なオチが多いのは興味深い。
バウキスとピレモンの話は一風変わっているが、キリスト教につながる教訓がある。