角岡伸彦のレビュー一覧
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同和対策審議会が発足した年に生まれ、同和対策事業特別措置法が施行されたのは小学校3年生のとき。しかし、当時は学校で同和教育をなされず、同じ校区に被差別部落の友達がいたのに、その歴史、問題をろくに知らないでいた。部落の友達に対する教師を含めた大人たちの接し方に漠然と違和感を抱き、振り返れば明確な差別があった。隣席の女の子に、君の家も学校から距離はあるけど僕の家より随分近いよと彼女の町名を口にしたら、泣いて帰ってしまったのには面食らった。橋下徹氏に関する記事問題の取り上げ方は執拗過ぎるが、部落問題に対してどう向き合っていくのかを示唆してくれる。被差別者の人たち自身も、これまでの施策から脱皮せんと歩
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本書は作家の角岡伸彦氏が実際に介助者として、あるいは取材者として27年もの間関わり続けた障害者運動団体「青い芝の会」を通して、あるがままの生」という遠大なテーマに挑んだ本格ノンフィクションです。
僕は著者の角岡伸彦氏が書くノンフィクションの世界が大好きで、今まで、彼の書いた本はすべて読んできました。この本は彼自身が介護者として、時に取材者として27年間もの間、関わり続けた「青い芝の会」という障害者の運動団体の軌跡についてのルポルタージュです。
一読をさせていただいて、筆者が彼らにありのままに、そして真摯に向き合ったということが窺えて、ものすごく分厚くて骨が折れるものでしたが、福祉関係の仕 -
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脳性まひ者の団体「青い芝の会」を取材したドキュメント。
役所を占拠、路線バスを占拠、こんな過激な障害者運動があったなんて知りませんでした。
面白いのはリーダーのふたり。
一人は何か発案しては他人に丸投げ。周囲はその無計画無責任を詰りながら、見放すことは出来ず、結果として企画が進んでいく。
もう一人は自分一人でできるのは「ホー」(yesの意味)という発語だけなのに、皆に担がれ運ばれるリーダー。
人は、完璧である必要などさらさらなく、自分の差し出せるものを差し出し、補い合って社会を作っていくものだと改めて思います。
だかたこそ、社会に差し出せるものがない(ように見える)障害者、作中の言葉でいえば「 -
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著者の角岡さんは、元新聞記者であり、被差別部落の出身者。この本では、被差別部落出身の角岡さんが、被差別部落内外の人々に取材して、現代の部落の様子を描き、部落差別についての「悲観論」と「楽観論」の「間」を探ろうというもの。
角岡さんの取材の結果を読んでいると、当たり前のことですが、“被差別部落の人々も普通の人と変わらないな”ということを改めて意識します。今でもネットで“部落”などと検索すると部落差別をする人がいるようです。部落差別する人は、“自分と変わらない”ということを意識していないのではないでしょうか。
もう少し他の面も取材して欲しいと思うところもありましたが、この著者でなくては取材で -
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「同和と銀行」のあとに読む/ 小西邦彦は殺しの軍団柳川一門であった、とは銀行の方に書いてあっただろうか?/ 柳川組四天王であった金田組では下っ端、しかし部落出身であることから金田から解同飛鳥地区の支部長に推される/ 作中でも書かれるが、大きな権力を持つまでには「〝あの〟柳川一門金田組構成員」であったという目に見えぬ威力が必ずあったと/ 金田に金を吸われ続けた小西は、金田が死に組が解散することで呪縛から逃れたが、その嫌ったバックボーンで立場を作ったのは事実じゃないかと、このくだりは銀行にはなかった気がする/ 銀行の方では小西の情の厚い部分が多く書かれたが、こちらは少しドライか/ ヤクザ絡みの記述
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先に読んだ「同和と銀行」でも疑問だった、そもそも部落解放運動とは何を目標にしていた活動なのか、ということ。
私が小学校の道徳の授業で受けた同和教育や「部落解放」という本来の意味では、部落というレッテルそのものが無くなり、人びとがその身分から解放されることを目指していたのではないか。
しかし、雇用の平等や地域の活性化ならわかるが、差別を盾に行き過ぎた優遇措置にばかり特化してしまい、行政も大手銀行もそれを利用して美味い汁を吸っていた。
差別からの解放というのは「底辺から頂上へ」ではなく「全てをフラットに」であるべきだ。
悪人の面も善人の面もあると書かれた小西の人物像だったが、私には悪人としか思え -
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まんまだけど肉羊羹みたいな一冊。これはムラの産物だから食えない、食いたくないっていうイメージから、食べ物そのものが嫌悪感を持たれてしまっている(ちなみに肉羊羹はまずい)
福島よりの北関東生まれなので、部落差別を本当に意識したのは四国高知に赴任した25歳の時、結婚したいのに親に反対されてる先輩に出会った。隣の徳島に遊びにいったら県庁前にでかでかと看板掲げてあるし、自分にとっては異国だった。
読んでて確かになーと感じたのは、
①地名全てが部落だとみんな決めつけている
②部落内でもかなりの格差がある
①は横井の例。東横井と西横井とあるけど、奈良の横井はYouTubeで動画も上がってるし、全体が