角岡伸彦のレビュー一覧

  • ふしぎな部落問題
    これまで茫洋とした輪郭でしか認識したことのなかった部落問題の今を非常にクリアに見ることができた。全国の被差別地域が第4章で紹介された大阪・北芝のような活発でポジティブな「おもしろ共同体」と同様の位置に辿り着けているわけではもちろんないだろう。益のない、もはや全く意味をなさない差別など1日も早く解消さ...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    『普段は気にしないが、ある場面で差別にぶつかる。そんな人々の日常を書きたいと思った――。』とあるように、「ムラ」に住んでいる人間から彼ら自身の生活の見た記録です。結構あっけらかんとして面白いのですが。

    僕はもともと北海道出身のなので、いわゆる『同和問題』というのは東京で暮らすまでは縁遠かったのです...続きを読む
  • とことん!部落問題
    『「差別の真相」、どこまで知ってますか?同和対策事業の変遷、潜在する「身元調査」、いまだに残る「恋愛・結婚・就職」(中略)』知らないことはたくさんありますね。

    こういう問題が比較的ないところで育った僕がこの問題を追うきっかけになったのは「ゴー宣」とベタといえばものすごくベタなんだけど。島崎藤村の『...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    現在の被差別がわかる
    大きく変化してきている
    部落差別がなくなるのはいいが、部落差別の存在を消してしまうのはいけない
    いま臭いものに蓋で消し去られようとしている
    今はよいが過去の差別の戦い、未来の差別の恐怖が残ってしまう
    真実を知り、そこから新たな道を創りだすことが重要だと感じた
    蓋をして、ことなか...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    良書。ちゃんとした知識を知らなければいけない。これはきちんと取材して、“今”を伝える。それと私は(部落差別とかは関係なく)、いじめを受けていたのですが、それほど酷いものではなかったので、何だか「部落に生まれながら差別は受けたことがない」著者と気持ちがダブってしょうがなかったです。中学生ですが……私の...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    大変なルポルタージュ・フィールドワークだと思うが、肩の力も抜けている。最近の事例なので、今この瞬間に読むことも大事。
  • 被差別部落の青春
    題名から、小説なのかなと思ったら、ルポタージュだった。筆者の経歴を見ると、同じ時期に同じ大学にいたことになる。本書を執筆するにあたり彼自身が部落出身であることをあかして、百人以上の人に取材をしたそうだ。

    僕自身も「部落問題」については何か釈然としない違和感を感じていたのだが、この本を読むことにより...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    「同和教育」手島先生
    の授業で読むように指定された本。

    被差別部落の現状が読めます。

    部落民であることを隠すのか隠さないのか。
    差別はまだあるのか。
    精肉場での仕事。
    被差別部落出身の若者の夢。
    家族の中での思いの違い。
    運動や支援をいつまでするべきか。
    食生活。教育問題。
    ・・・etc.

    2...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    本当に難しい問題だと思います。
    このまま自然に無くなってしまうのでしょうか…
    それでも差別自体は無くならないでしょうが・・・
  • 被差別部落の青春
    「部落”とは?」を分かり易く、しかもユーモアを交えながら描写していく筆者に脱帽。 その筆者自身も部落出身者でありながら殆ど差別らしい差別を受けず成長した為、被差別者による”生の声”に時々戸惑う場面も見られる。日本の”裏”の部分をいま白日の下へ、必読です。
  • 被差別部落の青春
    私の住む地域では、部落がありません。ですので去年関西地方に旅行に行くまではわからない事実でした。分からないというのは怖いことだということがわかった一冊。わかったからどうということもないのかもしれないけれど、わかろうとする気持ちは大切。
  • ふしぎな部落問題
    被差別部落をなくすのではなく、残したまま部落差別を伝えていくことこそ、差別をなくす方法。
    部落を隠したところで解決にはならない。
  • 被差別部落の青春
    感想
    つまらない現実はいつも中間にある。部落は非日常。そんなはずはない。人々は生活し笑い、差別を受ける。まずは知って考えるところから。
  • 被差別部落の青春
    面白かった。俺は東京都下で育って部落に接することも同和教育を受けることも無かったけど、部落差別についてはかなり早くから何かで読んで知っていた。しかし西日本ではこんな感じなんだなあと改めてびっくり。ムラ全体が差別されてひどい環境で市営住宅に建て替えられて安価で暮らして、とか何にも知らないもんな。なので...続きを読む
  • ふしぎな部落問題
    「差別をなくすための部落解放運動や同和対策事業が結果的には部落民を残すことになった」というパラドックス。
  • ふしぎな部落問題
    同和対策審議会が発足した年に生まれ、同和対策事業特別措置法が施行されたのは小学校3年生のとき。しかし、当時は学校で同和教育をなされず、同じ校区に被差別部落の友達がいたのに、その歴史、問題をろくに知らないでいた。部落の友達に対する教師を含めた大人たちの接し方に漠然と違和感を抱き、振り返れば明確な差別が...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    蔵書整理シリーズ
    被差別部落出身の著者が被差別部落について書いたルポルタージュ
    被差別部落の人にもいろいろな人がいて,いろいろな考え方があることを
    明らかにするいい本だと思います。
  • 被差別部落の青春
    この問題はやっぱり分かりにくい。

    なぜなら部落という場所が特定された途端にそれが差別に繋がっていくが、しかし部落がどこかということが分からなければ問題として顕在化してこない。意識されずに通り過ぎてしまう問題。

    しかし状況は徐々に改善されてきているようである。
    とにかく自分が差別しないように...続きを読む
  • 被差別部落の青春
    これまで読んだ部落関連の文章の中で、最も肩の力が抜けていて、最も部落の実態を率直に描写しているものだった。

    それだけに、これまでの印象とは全く違う一面を見ることができた気がする。

    そして、ある意味これまでの印象を裏付けられた部分もあった。

    他人に勧めたい本。
  • 被差別部落の青春
     著者の角岡さんは、元新聞記者であり、被差別部落の出身者。この本では、被差別部落出身の角岡さんが、被差別部落内外の人々に取材して、現代の部落の様子を描き、部落差別についての「悲観論」と「楽観論」の「間」を探ろうというもの。
     角岡さんの取材の結果を読んでいると、当たり前のことですが、“被差別部落の人...続きを読む