一條次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙の可愛らしさと帯にある江國香織の「なんでチャーミングな一冊。」という言葉に惹かれて買ってしまったけれど、私にはちょっと…でした。いわゆる玄人受けする作品なんだと思う…
飼い主のマフィアが暗殺されたので暮らしていた屋敷を出てゆくヒョウアザラシのヒョー。街は放射能で汚染され海はゴミだらけ、食べ物も飲み物も今とはまるで違ってしまった世界(三葉虫とか食べるのよ!)をヒョーが流離う不条理小説。
あらすじを説明するだけでも訳がわからないんだけど読んでても訳がわからない。世界の汚染具合、暴力や生物の死の軽さ、ふざけているのか真面目なのかわからない筆致など、とにかく何もかもがしっくりこなくて掻痒感がある。解説を読むとプロの作家さんたちは皆絶賛なのだけれど、私は思い切り素人なので具合が悪くなりそうだった。
ただ一つ言えるのが世界観や作風が唯一無二であるということ。
そして生と死の曖昧さや、食べ物として登場する三葉虫などのグロテスクな喋る生物、暴力の軽々しさ、破壊され尽くした世界のディストピア感など、何が自分の地雷なのかをまざまざと考えさせられた。ここまで面白く読めなかった作品には最近出会ってないので貴重な体験でした… -
Posted by ブクログ
『レプリカたちの夜』
第二回 新潮ミステリー大賞
一條次郎さん はじめまして♪ です。
とても不思議な読後感。
個人的にはとても好きな作品です。
読もうと思った決め手は
帯の伊坂幸太郎さんのお言葉
『とにかくこの小説を世に出すべきだと思いました。ミステリーかどうか、そんなことはどうでもいいなぁ、と感じるほど僕はこの作品を気に入っています。』って書いてあったの。
あとは表紙。一條次郎さんの4冊出てる文庫本
すべての装丁デザインが木原未沙紀さんの装画
ねっ素敵でしょ❤️
物語は…
動物たちの精巧なレプリカを製造している
「株式会社トーヨー」の品質管理部で働く
往本くんが深夜シロクマを目撃するところから
始まるの。翌日、シロクマを見たことを皆に
話すんだけど信じてもらえない。
しかし…やがて彼は工場長に呼びだされ、
シロクマがどうやらスパイであるらしいと聞かされ、秘密裡に調査するよう命じられる。
って感じで進むんだけど…
なんか世界観がすごいなぁ
SFなのかファンタジーなのか…
怖い部分もあるし…
ミステリーとは違う気がするんだけど…
とても楽しめました♪
ただ…
あんなに年末年末って
頑張ってきたのに。
クリスマスの日に…コロナになってしまったの。
今も熱が下がらず…
ちゃんと…
マスクだってしてたでしょーーーが!!
そんな時に読んでいたから…
少しちんぷんかんぷんかも。
ごめんねごめんね〜
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Posted by ブクログ
この著者の名前は知らなかったけど評者の名を見てひさしぶりに書店でジャケ買い。
マフィアのペットとして可愛がられていたヒョウアザラシの〈ヒョー〉は、飼い主であったチェレンコフの亡霊に促されて、外の世界に足を踏み出すことに。オウムガイを屠殺する奴隷労働や、音楽も絵もすべてをカネに換算する資本家たちの手から逃げ出し、マイクロプラスチックのために死体すら海に沈むことのない荒廃しきった世界を彷徨いながら、ヒョーはしだいに、自分こそがすべての死の原因ではないのかという思いに囚われていく。だが剥製にされたチーターの〈ヒョー〉に海の向こうにある故郷に誘われても、動物園で生まれたアザラシの〈ヒョー〉には帰るべき自然はないのだ。できることといえば欲と放射能にまみれたこの世界をぶざまに這い転げまわることだけ。死体だけが耳を傾ける歌をうたいながら…
終末観あふれる物語ながら語り口は一貫して童話のようでさらりと読める。もっともすでに北野勇作のようなSF作家もいるのだから個人的にはもっと毒があってもいいような気もしましたが。
それにしても解説を読んでうんざりさせられたのは小説が社会問題を扱うことに対する文壇の自己検閲だ。山本賞選考委員の今野敏が環境問題への意識が鼻につくと述べてたり、解説の大森望がいやあくまで環境問題は背景でみたいな擁護を述べたりとか、ほんとに馬鹿げてる。世界がここまで壊れてるというのに、「箱入り娘」のお坊ちゃんアザラシはどっちかしらね。 -
Posted by ブクログ
ミステリーかどうかと聞かれたらミステリーではないような、
でも確かに最大の「謎」がこの本には詰まっています。
なんならこの本自体が「謎」です。
そしてそれを解決できるかは読み手の私達次第。
倫理的、哲学的、夢と現実の間。
本物と偽物(レプリカ)の見分け方…
遠い昔の時間軸の話かと思いきや
遥か先の未来の事のような話。
なんならパラレルワールドなんじゃないか。
自分が今どこにいるか、何者なのか…
何を言ってるかって?
私にもわからないのです。
そう、わけがわからないのです。この作品は。
ただあまりの勢いと混乱で一気に読んでしまいます。
勢いよく駆け抜けて一体何だったんだと考える魅力的な作品。
考える事がお好きな方、あえて難しい事がお好きな方、
不思議な世界に迷い込みたい方、おすすめです。