一條次郎のレビュー一覧

  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

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    表紙のかわいさにひかれて購入したら、なかなかに切れ味鋭い世界観で抉られた。

    マフィアのボスのペットだったヒョウアザラシのヒョーは、マフィアが殲滅させられたのを機に、それまでの不自由のない幸福な暮らしから一転、環境破壊が極まり、荒廃した世界を彷徨うことになる。

    普段見ないふりをしているが、すぐ近くにある世界からじっと覗き込まれているようでぞっとする。
    辛辣な内容ながら、巧みな文章力とヒョーのキャラクターの魅力で、重くなりすぎず読み進めることがき、個性的な世界を堪能した。

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    2025年04月02日
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

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    いきなり飼い主を失ってしまってアザラシのヒョーはどうなるんだろうと、続きが気になり一気に読んでしまった。ら
    独特の描写も好きだった。
    環境問題を提起している。

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    2025年03月26日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    表紙と帯文句に惹かれて手に取った1冊。

    不思議なお話しでした。
    読んでいてこのジャンルはなんなのだろうと。
    ただたまにはこんな風によく分からない本を読むのもいいなと感じました。

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    2025年02月25日
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

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    表紙のアザラシがかわいいと思い買ったが、思いのほかハードボイルドな感じの話だった。アザラシはかわいいが。荒廃した世界の中邪悪な資本主義に翻弄されるアザラシ。環境問題などに対する風刺などがかなり直接的に盛り込まれているが独特のワードセンスやオフビートなノリで説教臭さはそこまで感じない。この世界そのものがアザラシの彷徨う不条理な街とそう変わりはないのではないかと思わされる。アザラシはとにかくかわいい。

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    2024年12月15日
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    相変わらず、意味不明なことが次から次へと起こり、想像を超えるなんて言葉ではとても表せられない。
    この意味不明さが、なんとも言えず、大好物なのだが、この本においては、胸に突き刺さるような考えさせられるような気分にさせられるのもこの本の良さなんて思ってしまう。

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    2024年12月01日
  • チェレンコフの眠り(新潮文庫)

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    〈「映画なんてどうでもいいさ。百年後だって見れるんだからな。その気になればいつでもだ。人類が滅亡してものこってるんじゃないのか。あんなのはただの人工的な光の明滅だ。わざわざ見る気もせんよ。だが、おまえは世界だ。人間たちは世界を見ずにスクリーンばかり見てるがな。真の世界が映ってるとでもおもわされてるんだろうな」〉

     悪名高きマフィアのボス、シベリアーリョ・ヘヘヘノヴィチ・チェレンコフは殺された。武装警官隊の銃弾を全身に浴びて。オウムガイの密漁が原因だ。生き延びたペット、アザラシのヒョーはチェレンコフの亡霊(?)の言葉に従うように、誕生日にボスから貰ったアザラシ専用座席のあるゴルフカートに乗り、

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    2024年10月31日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    やる事が全部裏目に出てしまうスパイの物語。
    自分がやっていることへの正しさと自信について葛藤を重ねる主人公の姿がとても印象的。出てくるキャラクターも憎めないキャラばかり。
    世の中のことがこのくらい気楽に考えられればなと思った。

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    2024年08月25日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    伏線かと思っていたものは伏線ではなかった。小説たるもの、張られた伏線は回収されるものだという先入観があった。次から次へと描かれる不可解な現象は、それ自身で完結しているもので、特に他の現象と何か関係があるわけでもなかったような気がする。とりあえず、よくわからなかったが、わかるわからないとかそういうことではないのかもしれない。その中でもなんとか掴むことができたのは、自我とは何か、自分とは何か。何が自分を自分たらしめているのか。現実は思ったよりも不確実で説明できないよってことなのかな。読んでいる間は、没入感があって楽しかったけど、読み終わったあとは夢から覚めた後にも近いような感覚で、急に自分がいた世

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    2024年03月10日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    「市長を暗殺しにこの街へやってきたのに、そのかれと友だちになってしまった……。」
    この最初の一文で、「え、どういうこと?」と引き込まれてから、最後までずっと「え、どういうこと?」という展開が続く。
    こんな適当な小説はなかなかお目にかかれない!そのくらい面白かった。

    主人公は73歳のおじいちゃんスパイ。初めての指令が市長暗殺。そしてダンスが得意。
    この時点ですでに面白いのだけど、さらになぜか自分がスパイであることが街中に知れ渡り、奇天烈な言動をする人たちの騒動に巻き込まれてしまう。
    主人公も、読者である私も、常に?マークを頭に浮かべながら、怒涛の意味不明な展開に飲み込まれていく快感。これぞ小説

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    2024年01月30日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    前回の長編「レプリカたちの夜」よりもかなり読みやすくなった気がする。前回は話が何処に向かっているのか分からない怖い程の闇を覗いた感じやったけど、今回はそういう恐怖は感じず、まだ安心して(?)最高にぶっ飛んだ感を楽しむことができた。

    幼少の頃からスパイの英才教育を受けた73歳のスパイが初任務で市長を暗殺しようとして、友達になってしまうというふざけたストーリー。暴動のくだりなんかはホントにどうやってこの話終わるの大丈夫かなと不安になったけど、あんなにカオスだったのに結局殆ど誰も死なないハッピーエンドになのが良い。「ニホーン国」とか「ロッキン肺炎ブギウギ流感」とか「フリースタイルオクラホマミキサー

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    2024年01月18日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    どういう内容だったか説明しづらいけど、あっという間に読み終わり、「なんじゃこりゃ」と思ってしまう作品。読み終わっても内容がよくわからない。作者が、どういう意図があって、どのように考えながら執筆をしたのかすごく気になる。こんなにスラスラ読めた本は久しぶりだった。
    これを是非アニメ化してほしい。すごく面白そう。

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    2024年01月16日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    先が気になって読む!って本ではないけれど、不思議な世界観と、へんてこな登場人物にクスクス笑えて、楽しかった。
    外国のすかんとしたコメディ映画を見てる感じ。
    音楽も盛りだくさんだし映像で観たいって思うシーンがいっぱいあった。
    爺さんの主人公でこれはすごいー。

    まあ、相性はあるからダメな人も多そうだけど。

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    2024年01月10日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    なんかはちゃめちゃなんだけど、ついて行けなくなるようなぶっ飛びでもなくて、一緒にはちゃめちゃを楽しめた。
    高齢の「最終兵器」のスパイ。本人は、それまで温存されていたと信じて疑わないのだけれど!読んでる側は、そうじゃないだろうな…と思いつつ、ルーキーさんの奮闘を応援してた。

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    2023年11月28日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    ジャケットとタイトルに惹かれて…
    何という世界や?
    何か意味不明な感じはするけど、
    ミステリー大賞とったらしい。
    ミステリーちゃうと思う。
    SF?ファンタジー?
    ん…分からん。
    不思議な作品。

    自分が自分だけなんて、ほんとにそうなんか?
    ホントに人間なんか?
    自分?
    それって、何で分かるの?
    100文字以内で答えてみよ!

    …ごめんなさい…分かりません…

    もう悩まんと、日々、精進しながら生きていきます!
    こんなん悩み出したら、キリないし…
    病む…
    自我崩壊しそうな作品。



    まぁ、崩壊してもええけど。
    代わりいるし

    …怖わ…

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    2023年11月07日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    男より女が強い作品はいいぞ

    本作を一言で表すならなんじゃこりゃ(笑)
    しかし非常にテンポがよろしく痛快
    数々の参考文献のリストが裏打ちするように
    本作には相当な準備と推敲を重ねたのだろうが
    しかし結果として載せられている文章は大胆

    実に大胆に軽やかに情景を心情を台詞を回していく
    そしてスルスルと次の場面へと移っていく

    でも強引でもない
    不思議だけど不快感はない
    きっと、この作者特有の文章力がなかったら
    それだけでこの作品は破綻していたはずだ

    それほど文章力には天性の魅力を感じた

    なによりキャラクター達の台詞回しがいい
    どのキャラクターも下手にアニメ臭くない、
    真の意味で言葉選びの差異

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    2023年10月14日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    ネタバレ

    SFでありファンタジーでありミステリーではない。小説でしか感じ得ない全くの別世界に飛ばされる感覚を存分に楽しめる。

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    2023年10月13日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

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    面白かった。
    ミステリー小説というか、SFでもあり、ふぁんたじーでもあり、ホラーでもある。
    世にも奇妙な物語に近しいものを感じる。
    訳がわからないけどすいすい読める。ただ好き嫌い分かれそうな作品だと思った。私は好き。

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    2023年08月18日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    すっごい評価悪くてびっくりしたけどわたし的には面白かった!
    最初からシチュエーションや言い回しがアタオカ!そんでほぼ全てがあり得ない設定でニヤニヤしたりツッコミ入れて笑っちゃったりするくらい!笑
    ただ後半あたりからその面白さに拍車がかかり、更にぶっ飛んで訳わからなくなるから付いていけなくなってちょっと置いてかれてつまらなさを感じたのは事実、、、。
    全体通して頭おかしいけどしっかり伏線回収して気持ち良くなる部分があったのは良かった!
    最後の伊坂幸太郎さんとのトーク、語り口調になってて読みやすかったしまじで面白かった!

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    2023年04月03日
  • ざんねんなスパイ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ミスタービーンぽくてお茶目なおじいちゃん。
    『彼』を『かれ』と書いてみたり、漢字でもいいところが平仮名で書かれていて気になったけど意図は全然わからない笑。小説ならではの表現の仕方ってことなんだろうけど、一條先生がなんとなくそうしたのかなとか勝手に考えたりして個人的には面白い作品でした。ダンスシーンとかミスタービーンしか思い浮かばなかった笑

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    2023年02月11日
  • レプリカたちの夜(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    難解でした、意味がわからなくても面白い感覚が良かったです。小山田浩子さんのような作風です、好きな方はハマると思います。

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    2023年02月10日