小田中直樹のレビュー一覧

  • 歴史学ってなんだ?

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    何回か読み直しましたが、その都度考える機会をあたえてくれる是非ともお勧めしたい書籍です。あまりしないことですが、知人に何冊かお配りしました。
    かつて、大塚久雄、丸山眞男、内田義彦などが文化系大学入学者の登竜門でした。色々な著作を読み、ゼミなどで自分の専門分野を深めていくいくにつれて、これらの書かれた啓蒙書の意味などがわかってきたように思われます。本書はいきなり理解できます。
    本書は、タイトルのように歴史学とはいったいどういうものであるのか、あらねばならないのかを解説しています。だが、深いですね。社会、人文科学というものは科学たりえるのかという考察をしています。言葉の定義づけもしっかりされていて

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    2014年02月10日
  • 歴史学ってなんだ?

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    他の新書に比べると平易な言葉と
    口語表現によって論理展開がなされる本書は
    とても理解しやすいものであった。

    歴史学ってなんだ?
    というタイトルからもあるように
    歴史学の入門書として良書を探していた著者が
    無いなら自分で書こうと至った作品

    歴史学の入門書ということもあり
    歴史学者が研究を行うプロセスを
    より具体的に説明しようという姿勢が見て取れた。

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    2012年07月15日
  • 歴史学ってなんだ?

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    講義の参考図書で、最終レポートを書くのに読んだ。歴史を学ぶのって義務的だなと思ってたところがあったけど、ちょっと意識が変わったかも。またちゃんと歴史学ぼうと思った。

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    2012年03月08日
  • 歴史学ってなんだ?

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    本書は「素人のための歴史学入門講座」(「内容紹介」より)と銘打っているように、歴史を専門的に学んだことのない人々-特に、歴史は“暗記”であり、社会の役に立たない“虚学”だと思っている人々に向けた一冊である。

    筆者が強調するのは、歴史学における“プロセス”の重要性である。それは、歴史家に必要な資質を「疑い、ためらい、行ったり来たりすること」(p.151)だと規定していることからも分かるだろう。つまり、教科書の記述(解釈)を暗記することが重要なのではなく、むしろ、その解釈を疑い、史料を通じて「より正しい解釈」を導き出す営みこそが、歴史学の本髄であると指摘する。さらに言えば、与えられた前提を疑い、

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    2012年01月26日
  • 歴史学ってなんだ?

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    高校の教科書を見て、「歴史は何の役に立つのだろう」と思った人向けの本。


    歴史学は過去の真実(史実)を明らかにする学問である。


    そして、史実という事物の根源を知ることで、その問題に定義づけをすることができる。


    物事を考える際には先ず問題を意識する必要があるが、その問題の定義づけをするのに歴史は非常に役立つのである。

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    2011年11月30日
  • 歴史学ってなんだ?

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    「なぜ歴史を学ばなければならないのか」という問いは,多く聞かれる。筆者は歴史学がこれまで歩んだ経緯を示し,その存在意義を述べている。
    歴史学が史料批判を通じ「より正しい解釈」に至ることの営みであることは,説得力がある。

    近年の教科書問題にも通じ,その解決にも寄与する書だと思う。

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    2011年09月24日
  • 歴史学ってなんだ?

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    この本では三つの問題を考えています。
    ①史実はわかるか?


    ②昔のことを知って社会の役に立つか?

    ③そもそも歴史学とは何か?


    みんなで検討し、より正しいものを選び取っていく。現在の段階で最善を尽くし、史実をより正しく認識し、解釈し、よりよい歴史像を構築するべきことを考える。しかし将来どう評価されるかはわからない。
    直接に社会の役に立とうとするのではなく、真実性を経由したうえで社会の役に立とうとすること。集団的な愛エンティティや記憶に介入しようとするのではなく、個人の日常生活に役立つ知識を提供しようとすること。役に立つはずだ。

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    2011年07月01日
  • 歴史学ってなんだ?

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    とっても読みやすい入門書☆

    Q史実を明らかにできるか
    Q歴史学は社会の役に立つか
    を軸に綴られている。

    結論も納得w。


    でも、歴史学ってより全ての学問に通じる結論だと思う。
    社会科学、人文科学、自然科学…
    曖昧さを肯定するには??的な。

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    2009年10月14日
  • 歴史学ってなんだ?

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    歴史学の概説書として最適。内容もそれほど難しいことが書いてあるわけではないのでサクサク読み進めることが出来ます。世間の評判も高い一冊です。

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    2009年10月04日
  • 歴史学ってなんだ?

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    歴史学は「史実を明らかにできるか」「社会の役に立つか」という二つの疑問に迫る。前者の問いの答えには結構納得させられる。歴史書と歴史小説の違いなども興味深い話題だ。

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    2014年02月19日
  • 歴史学ってなんだ?

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    歴史学という学問のあり方を考察。歴史教科書問題や戦争認識問題に対するスタンスの参考になりますね。もちろん批判は大事だけれど、その土台作りには最適な本だと思う。

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    2009年10月04日
  • フランス現代史

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    フランスの戦後史を概観する本。ただ、少し専門的な内容で、一般人にはとっつきづらい。フランス史を学ぶ学生にはちょうどいいかもしれない。

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    2023年02月02日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    歴史はつまらないという人は残念ながら多いらしい。歴史っていうと勉強ってかんじで課題本出なければ読んでいなかった。事実に面白いがいるのか。記憶だと事実といえるのかな?など考えた。ソシュールやジェンダーの話もでてきます。

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    2022年12月28日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    僕らが普段認識している歴史ってのは、ランケ学派によるもので「実証主義」「公文書至上主義」「資料批判」で成立しているのだそうだ。歴史を社会科学にするために必要なプロセスだったらしい。確かに。
    ところが「公文書」ってやつは、客観的なものでなく主観的なものに過ぎない。時の政府の都合に合わせて編纂されるし、極端な場合は過去の文書を書き換えたりもする。だからこそ「資料批判」が大切なわけだけど、これって解釈次第だよね。やっぱり自然科学のようにはいかないよね。

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    2022年11月04日
  • 感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか ― 世界史のなかの病原体

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    いろいろな感染症についてさらりと学ぶにはよいかも。
    社会にパンデミックがどのように影響を与えたのか、その影響はパンデミック後の社会を変えたのか?いくつかの事例があっておもしろい。

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    2021年06月19日
  • 感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか ― 世界史のなかの病原体

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    過去に起こった感染症がどの様に起こり、世界がどう変わってきたかをまとめた本。
    感染症の専門家では無い経済学研究科教授が、歴史学者としてまとめ上げた本。
    感染症の歴史を理解するには良いと思う。

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    2020年09月13日
  • 感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか ― 世界史のなかの病原体

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    スペイン風邪がやはりいちばん興味深かった。
    過去の感染症は、それぞれの時代の社会と深くつながって今があることがよく分かった。
    数年先にどんな時代になっているのか、その先の歴史が作られる中に自分がいるのだと実感する。

    この感染症の歴史があっても、結局は見えない敵と同じことを繰り返し、そして忘れて、また新たなウィルスや細菌がやってくる。

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    2020年09月04日
  • フランス現代史

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    「フランスは分裂と統合の弁証法」のプロセスを生きている、と著者が言います。フランス革命をはじめとして、フランスは近現代の歴史の中で、幾度も国内での対立を統合する新しい力が生まれて、新しいフランスが生まれてくる、と。

    フランスの特徴として良く上げられるディリシズム(国家介入主義)、テクノクラートによる政治・経済界の支配、失業や移民問題が、第二次世界大戦後の時間軸に沿って明快に解説されています。

    またフランスの現在の政治状況を、a) 親欧州/経済自由主義とその反対および b)親移民受入/文化多元主義とその反対という2つのベクトルにより分類しています。環境など他にもベクトルはあるのでしょうが、フ

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    2019年04月21日
  • 歴史学ってなんだ?

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    分かりやすい言葉で書かれた歴史学の入門書です。

    そもそも歴史学とは何かという問いを立てるのであれば当然、史実の認識可能性についての議論に立ち入らなければなりません。本書でも、構造主義の源泉となったソシュールの言語論以降、私たちは歴史をあるがままに認識することができるのか、という深刻な問いにさらされたことに言及されています。さらに、上野千鶴子が構築主義の立場から従軍慰安婦論争に参戦した経緯などの例をあげて、歴史学者はどのようにして「史実」にアクセスできるのかという問題が、単なる歴史哲学上の理論的な問題にとどまらず、アクチュアルな意味を帯びた問題であることが浮き彫りにされています。

    ただし著者

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    2015年07月09日
  • 歴史学ってなんだ?

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    再読です。授業を始めるにあたって、まさに「歴史学ってなんだ?」という確認がしたかったので、本棚から引っ張り出して来ました。著者は世界史が専門。いくつか具体例をあげながら、歴史を学び、伝えていく意義を模索します。答えは、①真実はわからないが、各自が真実だと思うことを持ち寄って、その納得点を見いだすこと ②①を踏まえて、個人の日常生活に役立つ知識を提供すること
    だと言います。
    再読なので飛ばし読みですが、そのままは使わずに、頭のなかでまとめ直して授業に臨みたいと思います。

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    2015年04月06日