小田中直樹のレビュー一覧

  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
     学校教育で教えられている歴史がどうして面白くない(と感じる人が多い)のかという疑問から始まり、19世紀のランケから始まる科学としての歴史学のいきさつを読みやすい構成で紹介した本です。歴史の本ではなく歴史学の本です。
     学説史を説明しながら「グローバル・ヒストリー」や「ジェンダー史」のようなトピック...続きを読む
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
    歴史学の歴史を概観しながら、「歴史って面白い?」という問いを考えていく本。歴史学の進化が必要だという著者の指摘に納得した。
  • 感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか ― 世界史のなかの病原体
    コロナの影響によりこの1年で世の中は変わってしまった。マスクをつけて外出し、食事の団らんはなくなり、友人との集まりは避けられるように。人間らしい活動が制限されているのだ。
    本書では、これまでの歴史における感染症をペスト、天然痘、コレラ、インフルと追いながら、当時の人々の生活や社会の変遷が描かれて...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    最近真面目に歴史の勉強を始めてからこっち、自分の中でぐるぐる渦巻いていた命題にたいして、数十年余分に行きてる先輩から分かりやすいビジョンを見せてもらえた、という感じでした。
    まだまだ勉強不足で批判的に評価できてるかは分からないけど、私にとってこの本は足がかりの一つとして充分すぎる素晴らしい本でした。...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
     名著級です。歴史を「学問」とするものは何か? 歴史学と歴史小説とはどこが違うのか? 歴史学は社会に何を貢献できるのか? そういう素朴にして巨大な疑問に正面から立ち向かった本。

     そもそも「歴史学は史実を明らかに出来るか」という疑問がある。現在から過去を推し量ることはどこまで可能か? 本当に正しい...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    歴史学のところを中国古典文学と変えて読めば、そのままわれわれの専門分野のこととして理解できます。ぜひ読んで下さい。
  • 歴史学ってなんだ?
    最近、あちこちで話題となっている歴史認識問題を易しく解説した本です。歴史学は暗記の学問だという思い込みをくつ返してくれるはずです。史学科に進学するまたは進学中の方は、ぜひ手に取ってみてください。

    (九州大学 大学院生)
  • 歴史学ってなんだ?
    ○歴史学ってなんだ?
      小田中 直樹 著   PHP新書



     タイトルを見て想像していたものよりずっと奥が深かった。(例えば構造主義だとか)


    そうか、そう単純な問題ではないのか。


    かなり考えさせられる本であった。
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
    歴史の教科書がなぜ面白くないのかという問いから始まり、ここ1世紀半余りの歴史学の歴史について語っていく本。
    この本を読んでみると、確かに私は歴史は好きだが歴史の授業にはあまり魅力を感じていなかったなと気がついた。
    正直学校での歴史は最後まで暗記科目としか認識していなかった。
    とはいえ、近年はその潮流...続きを読む
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
    歴史学が科学として認識される過程を詳細に記述した内容だが、知らない事項が満載で圧倒された.振り返ってみると、単純に事実を記憶してそれが歴史の勉強だと思っていたのは間違えないが、この本で展開される理論構築の過程は非常に新鮮だった.
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
    中高生でも少し背伸びをすれば読み通せる(さすがプリマー新書)なのだが、中高の先生がむしろ読むべき本かも、ということで読んでみました。
    高校「歴史総合」では歴史の見方を学ぶという意味合いが以前のカリキュラムより強いため、知っておかねばならないことが書かれているという意味で必携の書です。
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき
     「歴史総合」が始まるからか、歴史とは何か、歴史を学ぶとはどういうことかに関する本が目につく。
     本書もそのような一冊であるが、“プリマー新書“ということで、高校生を相手にするようななやさしい語り口。
    ページ数もさほど多くなく、とても読み易いが、その内容は濃い。

     ランケ流の近代歴史学=科学として...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    1963年生まれのフランス経済史を専門とする経済史学者・小田中直樹による2004年の著書。
    著者は本書の内容について、序章で、歴史学の意義とは何かという疑問に答えるべく、①歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか、②歴史を知ることは役に立つか、役に立つとすれば、どんなとき、どんなかたちで...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    歴史を学ぶ意味について、近年の研究の成果を取り入れつつ、簡便にまとめた入門書。あとがきで著者が触れているように、古典的名著が入手難であったり、文体が固く、専門外の読者には取りつきづらかったりするのに対し、内容が大分噛み砕かれており、歴史について生じ易い疑問である「史実は分かるか」「歴史は役に立つのか...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    「歴史学で本当に史実を明らかにできるのか?」「歴史学は本当に役に立つのか?」という、「なぜ歴史学を学ぶのか」を考えるにあたって出てくる疑問についてガッツリ書いてくださっている本。

    また、歴史教科書に対する批判もあり、「おおこの人もか!」と思ってしまった。ただ、小田中氏の場合は、倉山氏とはちょっと違...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    これはなかなかに興味深かった。学問としての歴史学を歴史小説から区別し、では如何に違うのかを紐解いていく。○○年に何があった、って授業で習うけど、果たしてそれは事実なのか、っていう疑問立てから学問が始まる。そこに至るまでに色々検証された結果が、現在一般に理解されている史実だろうから、それが簡単にひっく...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    何回か読み直しましたが、その都度考える機会をあたえてくれる是非ともお勧めしたい書籍です。あまりしないことですが、知人に何冊かお配りしました。
    かつて、大塚久雄、丸山眞男、内田義彦などが文化系大学入学者の登竜門でした。色々な著作を読み、ゼミなどで自分の専門分野を深めていくいくにつれて、これらの書かれた...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    他の新書に比べると平易な言葉と
    口語表現によって論理展開がなされる本書は
    とても理解しやすいものであった。

    歴史学ってなんだ?
    というタイトルからもあるように
    歴史学の入門書として良書を探していた著者が
    無いなら自分で書こうと至った作品

    歴史学の入門書ということもあり
    歴史学者が研究を行うプロセ...続きを読む
  • 歴史学ってなんだ?
    講義の参考図書で、最終レポートを書くのに読んだ。歴史を学ぶのって義務的だなと思ってたところがあったけど、ちょっと意識が変わったかも。またちゃんと歴史学ぼうと思った。
  • 歴史学ってなんだ?
    本書は「素人のための歴史学入門講座」(「内容紹介」より)と銘打っているように、歴史を専門的に学んだことのない人々-特に、歴史は“暗記”であり、社会の役に立たない“虚学”だと思っている人々に向けた一冊である。

    筆者が強調するのは、歴史学における“プロセス”の重要性である。それは、歴史家に必要な資質を...続きを読む