小田中直樹のレビュー一覧

  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    文章が読みやすくて、かつ歴史学の歴史を大まかに把握できる点で、すごく優れた本だと思う。

    歴史学を専攻していない人、これからしようとする人、歴史学を学び始めた人、歴史学専攻の学部生あたりが読むと良い本だと思った。

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    2025年08月15日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    歴史が面白くない(と言われがち)のはなぜなのかということを切り口に、科学性、スケール(規模、範囲)、記憶との関係という3つのポイントに着目して、歴史学が科学として成立した19世紀のランケ以降の歴史学の歴史を概観。
    『歴史総合』の教科書の記述を糸口にして、歴史が面白くないことの背景に、現在も主流派をなすランケが確立した歴史学の実証主義、公文書至上主義、資料批判(その背景あるいは結果としての、記憶の排除、ナショナル・ヒストリー、欠如モデル)という中核的特徴があることを指摘し、その後、それを部分的に批判するアナール学派、労働史学、世界システム論、比較経済史学などの潮流が出てきたことを紹介している。そ

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    2024年05月12日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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     学校教育で教えられている歴史がどうして面白くない(と感じる人が多い)のかという疑問から始まり、19世紀のランケから始まる科学としての歴史学のいきさつを読みやすい構成で紹介した本です。歴史の本ではなく歴史学の本です。
     学説史を説明しながら「グローバル・ヒストリー」や「ジェンダー史」のようなトピックが自然と説明され、断片的に聞いたことがある考え方を歴史の流れの中に位置づけて理解できるようになりました。現代における歴史学の潮流をシンプルに大づかみに把握できるという意味で、『歴史学のトリセツ』というのは完璧なタイトルだなと思いました。
     個人的に面白いと感じたのは(特に20世紀以後の考え方において

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    2022年11月23日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    歴史学の歴史を概観しながら、「歴史って面白い?」という問いを考えていく本。歴史学の進化が必要だという著者の指摘に納得した。

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    2022年09月10日
  • 感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか ― 世界史のなかの病原体

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    コロナの影響によりこの1年で世の中は変わってしまった。マスクをつけて外出し、食事の団らんはなくなり、友人との集まりは避けられるように。人間らしい活動が制限されているのだ。
    本書では、これまでの歴史における感染症をペスト、天然痘、コレラ、インフルと追いながら、当時の人々の生活や社会の変遷が描かれている。歴史的な民族移動や戦争も大きく関係するようだ。
    終盤は抗菌剤の開発やエイズ、エボラなど最近話題の感染症も話題としながら、では感染症は本当に社会を変えるのかとも考察している。どのみち我々は未来に進むのだと。

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    2020年11月09日
  • 歴史学ってなんだ?

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    最近真面目に歴史の勉強を始めてからこっち、自分の中でぐるぐる渦巻いていた命題にたいして、数十年余分に行きてる先輩から分かりやすいビジョンを見せてもらえた、という感じでした。
    まだまだ勉強不足で批判的に評価できてるかは分からないけど、私にとってこの本は足がかりの一つとして充分すぎる素晴らしい本でした。
    出会えて良かったです。
    私が持っていた命題に対して私が想像してた落とし所以上に思考を提示してくれました。

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    2016年09月13日
  • 歴史学ってなんだ?

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     名著級です。歴史を「学問」とするものは何か? 歴史学と歴史小説とはどこが違うのか? 歴史学は社会に何を貢献できるのか? そういう素朴にして巨大な疑問に正面から立ち向かった本。

     そもそも「歴史学は史実を明らかに出来るか」という疑問がある。現在から過去を推し量ることはどこまで可能か? 本当に正しいことにたどり着けるのか? 本著は構造主義のインパクトも織り込んだ新しい解釈で、この疑問に立ち向かっている。
     さらに、「歴史がなんの役に立つのか?」という疑問についても真摯に追究している。「従軍慰安婦論争」を例に取り、「新自由主義史観」の主張なども交えて、「役に立つってどういうことなのか」という課題

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    2014年03月30日
  • 歴史学ってなんだ?

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    歴史学のところを中国古典文学と変えて読めば、そのままわれわれの専門分野のこととして理解できます。ぜひ読んで下さい。

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    2011年08月29日
  • 歴史学ってなんだ?

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    最近、あちこちで話題となっている歴史認識問題を易しく解説した本です。歴史学は暗記の学問だという思い込みをくつ返してくれるはずです。史学科に進学するまたは進学中の方は、ぜひ手に取ってみてください。

    (九州大学 大学院生)

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    2010年10月07日
  • 歴史学ってなんだ?

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    ○歴史学ってなんだ?
      小田中 直樹 著   PHP新書



     タイトルを見て想像していたものよりずっと奥が深かった。(例えば構造主義だとか)


    そうか、そう単純な問題ではないのか。


    かなり考えさせられる本であった。

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    2009年10月04日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    確かに歴史の教科書って、個人の記憶や感情と切り離されて書かれてるから面白く感じなかった…
    ランケ学派が今日までパラダイムの中心になってきたから
    言論学的転回の考え方や、それに対して歴史学者がどう抵抗したり受け入れてきたのかが、興味深かった。

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    2025年07月26日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    「歴史って何のために学ぶの?」「暗記ばっかりでつまんないよね」という世の中の大多数の人たちに向けて、歴史に対する興味を引き出し、歴史の見方を変えるきっかけを提供してくれる。

    初学者から歴史学に精通した読者まで、幅広い層に向けた内容となっており、歴史学の基本から最新の潮流までを網羅的に学ぶことができる。

    さすがはちくまプリマー新書で、誰が読んでも理解できるように平易な言葉と論理で語られており、全体構成がうまくまとめられている。
    読後は歴史学の辿ってきたストーリーを漠然とでも頭の中に思い描けるようになると思う。

    歴史学の道のりを広く浅く解説しているので、深掘りしたい分野があれば巻末の参考文献

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    2024年07月07日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    歴史の教科書がなぜ面白くないのかという問いから始まり、ここ1世紀半余りの歴史学の歴史について語っていく本。
    この本を読んでみると、確かに私は歴史は好きだが歴史の授業にはあまり魅力を感じていなかったなと気がついた。
    正直学校での歴史は最後まで暗記科目としか認識していなかった。
    とはいえ、近年はその潮流にも変化が見られつつあるらしく、将来の歴史学に期待したいと思える1冊だった。
    プリマー新書ということもあって、比較的読みやすい文章なので歴史学に興味がある中高生にも十分おすすめできる本。

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    2024年02月16日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    歴史学が科学として認識される過程を詳細に記述した内容だが、知らない事項が満載で圧倒された.振り返ってみると、単純に事実を記憶してそれが歴史の勉強だと思っていたのは間違えないが、この本で展開される理論構築の過程は非常に新鮮だった.

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    2023年05月04日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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    中高生でも少し背伸びをすれば読み通せる(さすがプリマー新書)なのだが、中高の先生がむしろ読むべき本かも、ということで読んでみました。
    高校「歴史総合」では歴史の見方を学ぶという意味合いが以前のカリキュラムより強いため、知っておかねばならないことが書かれているという意味で必携の書です。

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    2023年02月28日
  • 歴史学のトリセツ ──歴史の見方が変わるとき

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     「歴史総合」が始まるからか、歴史とは何か、歴史を学ぶとはどういうことかに関する本が目につく。
     本書もそのような一冊であるが、“プリマー新書“ということで、高校生を相手にするようななやさしい語り口。
    ページ数もさほど多くなく、とても読み易いが、その内容は濃い。

     ランケ流の近代歴史学=科学としての歴史学に対し、アナール学派、労働史学、世界システム論などの潮流が登場し、さらに言語論的転回とポスト・コロニアリズムの衝撃を経て、冷戦終結やグローバル化を背景として20/21世紀転換期には、記憶研究、グローバル・ヒストリー、パブリック・ヒストリーなど実践指向の強い新たな動きが出てきている。こうした大

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    2022年09月09日
  • 歴史学ってなんだ?

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    1963年生まれのフランス経済史を専門とする経済史学者・小田中直樹による2004年の著書。
    著者は本書の内容について、序章で、歴史学の意義とは何かという疑問に答えるべく、①歴史学は歴史上の事実である「史実」にアクセスできるか、②歴史を知ることは役に立つか、役に立つとすれば、どんなとき、どんなかたちで役に立つか、③そもそも歴史学とは何か、という三つの問題を取り上げるとすると同時に、本書の目的について、あとがきで、①歴史学について、なるべく体系的に基本的な知識を整理すること、つまり、歴史学の入門書として機能すること、②歴史にかかわる優れた啓蒙書を紹介するブック・ガイドとして機能すること、③歴史を考

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    2016年11月06日
  • 歴史学ってなんだ?

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    歴史を学ぶ意味について、近年の研究の成果を取り入れつつ、簡便にまとめた入門書。あとがきで著者が触れているように、古典的名著が入手難であったり、文体が固く、専門外の読者には取りつきづらかったりするのに対し、内容が大分噛み砕かれており、歴史について生じ易い疑問である「史実は分かるか」「歴史は役に立つのか」という二つの主題について理解しやすい。

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    2015年04月09日
  • 歴史学ってなんだ?

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    ネタバレ

    「歴史学で本当に史実を明らかにできるのか?」「歴史学は本当に役に立つのか?」という、「なぜ歴史学を学ぶのか」を考えるにあたって出てくる疑問についてガッツリ書いてくださっている本。

    また、歴史教科書に対する批判もあり、「おおこの人もか!」と思ってしまった。ただ、小田中氏の場合は、倉山氏とはちょっと違って、教科書と言うよりも、教科書にそういう書かせ方をするシステムが問題と言う言い方をされていて、私もむしろこっちが問題だろうなと思いました。

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    2014年08月05日
  • 歴史学ってなんだ?

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    これはなかなかに興味深かった。学問としての歴史学を歴史小説から区別し、では如何に違うのかを紐解いていく。○○年に何があった、って授業で習うけど、果たしてそれは事実なのか、っていう疑問立てから学問が始まる。そこに至るまでに色々検証された結果が、現在一般に理解されている史実だろうから、それが簡単にひっくり返ることはまああまりないだろうけど、それを細かく調べて検証し直すっていう部分に向く興味は、歴史好きの自分にも理解できるものでした。

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    2014年04月01日