菅野完のレビュー一覧

  • 陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点

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    陰謀論が排外主義と結びつくことの恐ろしさを改めて感じた。サブカル界隈から飛び出した陰謀論が排外主義を帯びて政治化し、各種の「解体デモ」などの形で実社会に多大な影響を及ぼすようになった。

    本書では複数の「陰謀論ウォッチャー」が寄稿しており、どれも興味深い。

    とくに、陰謀論を推し活の観点から分析した山崎リュウキチ氏の論考は、とても鋭いものだった。陰謀論者にとってみれば、陰謀論は現実社会の二次創作だというのである。だとすれば、「それは間違っている」と指摘しても効果がないのは当然である。

    また、藤倉喜郎氏によれば今の陰謀論は陰謀論ですらなく、単なるデマや差別であるという。「意見や立場の違い」では

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    2025年12月22日
  • 陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点

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    暗澹たる気持ちになるが、「日本社会の現在地点」を知る上で、良書である。

    「新しい戦前」とも言われる現在。
    わたしが恐怖を感じているのは、無謀なアジア・太平洋戦争時において、国民の99.9%が、戦争に賛同、もしくは追随していたという事実だ。

    戦争反対の声を上げた人々の記録は、限りなくゼロに近い。
    彼ら、彼女らは、近隣から虐められ、職場から追放され、家族から見放されたであろう。
    そして、警察にしょっ引かれ、女性にいたっては署内でレイプされたりしている。

    冷静な判断で、正しい行動を行った、彼ら、彼女らこそ、現代のわたしたちが、感謝し尊敬すべき対象である。
    そして、その「心の強さ」を学ばなければ

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    2025年12月20日
  • 陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点

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    界隈については全くといっていいほど何も知らない状態だったけど、ここ数年、たまに流れてくるXポストなど眺めながら「いったい何が起こってるんやろ?」とどんよりしていたこと、がこれ読んで整理できたかも。(や、この本情報量多いから全部はわかってないが。とりあえず1回通読したらだいぶスッキリした。
    推し活を引き合いに出して論じてる2章は納得感あった。あと、第7章は現代日本人のメンタリティを見事に分析、書き表してると思ったな。なるほどそういうことかーと。

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    2025年12月08日
  • 陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点

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    2025年流行となった「陰謀論と排外主義」の根底にある差別であり、その対処法について教えてくれる一冊。

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    2025年12月02日
  • 日本会議の研究

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    高校時代に右翼思想に凝り固まった同級生がいて、建国記念日を『紀元節』と言い換える運動をやったりしていた。裕福な家庭なのに物を盗むことに抵抗のない、まるで倫理観に欠ける男だったが、話を聞いてみると親が生長の家の信徒だという。また1991年に中絶可能期間を短縮する優生保護法改正があったが、これも生長の家が関係していることを知った。そんな記憶があって、日本会議が実質的に生長の家が母体となっていることに妙な納得感を覚えた。このような特殊な思想を持つ一部の人間が知らない間に社会を変えようとしていたことに戦慄を覚える。

    安倍元首相は宗教二世の凶弾に斃れたが、安倍氏を利用して社会をおかしな方向に変えようと

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    2025年09月28日
  • 日本会議の研究

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    日本会議の歴史と人脈、そして横の組織の繋がりすべてにおいて奥が深いことがわかった。右派の運動が市民運動として民主的に発展して今があることに驚いた。そして感心してしまった。こうした組織運動の主張する事案には賛否がでるが無関心はいけないと思いましたね。

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    2022年04月05日
  • 日本会議の研究

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    素晴らしい本。結局、一群の人々こそが、最も地道に民主的な手続きで運動を進めてきた。
    その成果が実現しようとしている、ということ。
    ただし、報道規制などは民主的ではないので注意。

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    2020年04月03日
  • 日本会議の研究

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    「日本会議」の存在を全く知らなかった無知な私には衝撃的でした。
    ただ単に日本会議を糾弾するだけでなく、安倍政権の支持団体でもあり、日本の右派の中でも特異な存在である「日本会議」を、その構造から歴史を掘り起こした、まさに研究だと思います。

    また、同書を出版した扶桑社宛に、日本会議事務総長椛島有三から、「日本会議について裏付けの取れない証言を並べ、活動を貶める目的で編集されており、団体・個人の名誉を傷つける。」として、出版停止を要求する申し入れがなされたようです。

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    2018年10月12日
  • 日本会議の研究

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    ★今となっては当然に見える先駆取材★籠池問題もあって右派・日本会議がらみのトピックスは消費されつくしたように見えるが、きちんと調べたのは本書が最初なのだろう。書きぶりはやや拙い(というか盛り上げようとしてやり過ぎ)感じはあっても、地道なデータ取材が素晴らしい。取材できた人の例を長々と記しており、どれだけ普遍性があるのか分からないが、読み物としては数人を広く浅く取り上げるより面白いのかもしれない。

    しかし学生運動を経て政治活動をしていた生長の家の面々が、運動・政策・教団の3方面から、地方議会を動かしたり集会を開いたりといった手間と時間のかかる(著者曰く民主的な)活動を今に至るまで続けられた手法

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    2017年06月22日
  • 日本会議の研究

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    徹底した取材にもとづいて、安倍首相の権力基盤の源泉となっている日本会議(生長の家原理主義のネットワーク)の実態を炙り出している傑作。テーマが極めて政治的であるため、客観性を担保するための著者の1次文献に対するこだわりは執念といっても良いほどだ。

    本書で目からウロコが落ちたのは、「ある意味安倍晋三は『小選挙区制の申し子』といえなくもない」という主張だ。

    第一次安倍政権を誕生させる流れを作ったのは、自民党の中で長年尊重されてきた「総幹分離原則」を無視して同じ派閥から安倍晋三を幹事長に抜擢した当時の小泉首相である。それを可能にしたのは、公認権をはじめとする党内の人事権を執行部が独占する小選挙区制

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    2017年05月04日
  • 日本会議の研究

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    ネタバレ

    諸般の事情でまとまった量の活字本が読めないことが数年続いていたが、読まねばならないという気力で一気に読んだ。

    内閣の9割が日本会議メンバーという今、この本は必携。

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    2017年04月23日
  • 日本会議の研究

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    [日本の黒幕?]社会や政治の保守化・右傾化の理由として,日本会議という「知られざる」組織の存在とその影響の可能性を指摘した作品。著者は,サラリーマンとして勤務するかたわらに執筆活動を開始した菅野完。


    いろいろと言われている作品ですが,日本会議という組織があり,脈々と戦後にいわゆる保守運動が続けられてきたということを指摘した意義はあると思います。他方,以下のとおり「仮説を検証するため」でなく,「仮説を立証するため」に書かれた本であることは読者の注意を引いて良いかと。私は現在エジプトに住んでいて,誤解を恐れずに言えば,そこでよく耳にする「アメリカとイスラエルに中東は支配されている」という議論と

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    2017年04月03日
  • 陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点

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    「反ワクチン、外国人特権」などの陰謀論が政治にからみつき、ついに議席数や首長の座を取り始める現在を現場で取材する7人の記者がレポート

    参政党の議席数躍進など何が起こっているのか戸惑う人の為の一冊

    そもそも陰謀論というものの内容は何か、どういう経緯でそれは広まっていったのかを実例をあげて説明

    現場報告は目がチカチカしますが現代史の俯瞰から見た考察もあります

    2025年現在の報告で事態が流動的である為この後未来がどう動くかわからないものの過去と現在が克明に報告されているので「今」どこの立ち位置に自分達がいるのかを示唆してくれる一冊かもしれないです

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    2025年12月13日
  • 日本会議の研究

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     第1回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション賞(=第48回大宅壮一ノンフィクション賞)を受賞しながら、物議を醸し出し、販売差し止めの仮処分を受けた著作。Wikiを読むと、著者も結構お騒がせの人物のようです。

     なるほど…、右傾化や靖国神社問題、これに関わる人たちが実名入りで書かれています。安倍さんの支持基盤なんですね。日本会議がどこまで影響力があり、実態がどうなのかについてはこの1冊以上の知見はないのですが、何となくの動きがわかります。

     週刊誌的で少々偏っているような気もします(が判断できるほどの知見もなし)。後半は日本会議の根と解される「生長の家」の話題が中心で、確かに賛否が極端に分

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    2022年05月04日
  • 日本会議の研究

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     日本会議の源流として、全共闘運動が激しかったころ長崎大の民族派学生が学園紛争からキャンパスを正常化した運動があるのは興味深かった。背後に生長の家が母体としてあり、椛島有三が議長だったという。若き日の鈴木邦夫も早稲田大で生長の家の民族派として活動していたが、こちらは武闘派で、ゲバ棒と渡り合った。結局、長崎大系の安東らに学生組織の権力の座を追われていく。生長の家は「出版宗教」と異名を取り、数々の出版物を出していた。谷口雅春の言葉は今でも原理主義者がいるようだ。生長の家は1983年に政治活動をやめるが、今も影響を残している。
     日本会議は、神社本庁のほか、霊友会や崇教真光など新興宗教も協賛。活発な

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    2019年01月11日
  • 日本会議の研究

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    東京地裁により「一部記述を削除しない限り、販売してはならない」との販売禁止仮処分命令を受けて、一部黒塗りになったりして話題になっていた本。
    黒塗りになる本ってどんな内容なのか気になっていたので読んでみた。

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    2018年09月22日
  • 日本会議の研究

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    安倍政権の正体の恐ろしさ 生長の家原理主義というカルト教団がここまで暗躍することの脅威をもっと持つべき。

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    2025年12月06日
  • 日本会議の研究

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    得体の知れぬ日本会議の歴史、構成員、関与団体がよくわかった。丹念にに資料収集とインタビューを行った末の作者の労作である。
    それでもわからないことがある。何故、自民党の大物政治家の多くが日本会議のメンバーとなっているのだろうか。

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    2018年04月23日
  • 日本会議の研究

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    筆者が全国各地を回り、テーマに関する情報を熱心に収集したことが伝わる「信頼」できる一冊だと思う。

    まるでドラマのような作られた話のようだが、現実の話。想像するとゾッとしてしまう。現実の話。

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    2018年04月07日
  • 日本会議の研究

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    資料や図や表が示されていたりして,なんか胡散臭いと思っていた「日本会議」が,少し整理されて頭の中に入って来ました.じわじわと侵食されていくようで怖いなと感じました.

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    2018年02月23日